取締役・監査役が辞任する時の辞任届の書き方(ひな型有り)

株主総会

会社の役員(取締役や監査役など)が辞任する際、辞任届が必要になります。
登記で使用するからであり、また法的なトラブルを避ける意味合いもあるからです。
ここでは辞任届の記載について解説していきます。

先にひな型を提示し、後段で解説です。

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辞任届ひな型

辞任届

私は、このたび一身上の都合により、貴社の取締役を辞任いたしたく、お届けします。

令和〇年〇月〇〇日

住所_______________

氏名_______________

株式会社〇〇〇〇 御中


代表取締役の辞任の場合

私は、このたび一身上の都合により、貴社の取締役及び代表取締役を辞任いたしたく、お届けします。

代表取締役の地位のみの辞任の場合

私は、このたび一身上の都合により、貴社の代表取締役の地位のみを辞任いたしたく、お届けします。

監査役の辞任の場合

私は、このたび一身上の都合により、貴社の監査役を辞任いたしたく、お届けします。

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辞任届の書き方

日付

日付は役員を辞任する日付を書きます。

氏名・住所

役員個人の氏名、住所を、省略せずに記載します。
印鑑証明書を添付する必要がある場合は、その記載の通りとします。

住所の記載には注意が必要です。
「1-1-1」のような簡略的な書き方の場合、法務局の担当者によってははじかれることがあるので、「一丁目一番地1号」のように記載するのが良いです。

押印

取締役は、認印で構いません。
ただ、リスクヘッジを考えると、署名+実印+印鑑証明書の方が良くはあります。
(後々になって、勝手に辞任したことにされた、と言い出されることがあるかもしれない。)

代表取締役の場合は、会社実印、もしくは、個人実印+印鑑証明書を押印します。

会社名

定款(や登記簿謄本)に記載している商号を、省略せずに正式名称で記載します。

株式会社部分を㈱と略してはいけません。

役員に辞任届を記載してもらう場合、WordやPDFデータで渡すと思いますが、あらかじめ正式な会社名を記載したテンプレートを用意すると良いでしょう。

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辞任届について

通常は

取締役と監査役は、あくまでも会社との委任契約の関係にあります(法330条)。
そのため、いつでも(任期の途中でも)辞任ができます(民法651条1項)。
個人の意思だけで問題なく、辞任の効力が発生します。

そして、その辞任する意思を表明したことを証明する書類として「辞任届」を作成します。

これは、一般的なパターンです。

(言うまでもないですが、取締役としての義務を放棄して会社に損害を与えるような辞め方をした場合、損害賠償義務が発生し、賠償をしなければならないことも想定されるので、社会人として常識的な行動はとりましょう。)(民法651条2項)

代表取締役の辞任

取締役会設置会社の場合、代表取締役の辞任が可能です。
勘違いしている方も結構いらっしゃいますが、辞任に取締役会決議は不要です。
ただ、代表取締役が不在になる場合、代表取締役の選定の取締役会決議が別に必要になります。

ただ、取締役会非設置会社の場合は厄介になるパターンがあります。
取締役会非設置会社の状況にあるベンチャー企業では注意が必要なので、下記を参照してください。

①定款に代表取締役の選定に関して「取締役の互選で選定」とある場合

この場合、代表取締役のみの辞任が可能です。
ただし、登記にあたり定款を添付する必要があります。
互選条項の確認が必要だからです。

②定款に代表取締役の選定に関して「株主総会の決議で選定」とある場合

この場合、辞任にあたり株主総会決議が必要です。
同様に、株主総会に上程するにあたり、取締役会決議も必要です。

③取締役が各自代表の場合

そもそもとして辞任ができません。

④定款に代表取締役の氏名が記載されている場合

定款の変更が必要になるので、株主総会の特別決議が必要です。

取締役非設置会社で1人しか取締役がいない場合、または取締役会設置会社で取締役が3人しかいない場合、取締役会設置会社で監査役が1人しかいない場合、または監査役会設置会社で監査役が3人しかいない場合

ただし、表題の条件にあるときは異なります。

この場合、取締役や監査役には「権利義務」というものが発生している状態になっており、後任者が決まるまで辞任をすることができません。
当然、解任もできません。登記ができないのです(法346条1項)。
代表取締役も同様で、所定の人数(員数という)が不足している場合は辞任ができません。

監査役に関して、場合によっては監査役会や監査役自体を廃止してしまうことも、一定考慮することが考えられます。

辞任届を受理したら早々に登記する

取締役や監査役は、会社経営における義務が存在します。
そのため、仮に会社が何かしらのトラブルに巻き込まれた際、その責が辞任をしたはずの役員に及ぶ場合も想定されます。
そのため、トラブルが変に拡大しないよう、辞任届を受理したら、早々に登記をしなければいけません。

もっともそれ以前に、登記は2週間以内にやらなければいけないんですけれどね(法915条1項)。

関連法令

(株式会社と役員等との関係)
第三百三十条 株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。

会社法

(役員等に欠員を生じた場合の措置)
第三百四十六条 役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この条において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。
(略)

会社法

(変更の登記)
第九百十五条 会社において第九百十一条第三項各号又は前三条各号に掲げる事項に変更が生じたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、変更の登記をしなければならない。
(略)

会社法

(委任の解除)
第六百五十一条 委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。
2 前項の規定により委任の解除をした者は、次に掲げる場合には、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。
一 相手方に不利な時期に委任を解除したとき。
二 委任者が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く。)をも目的とする委任を解除したとき。

民法

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