コンプライアンス規程~テンプレートと作成のポイント~

IPO・バリュエーション

ここでは「コンプライアンス規程」を作成する上でのテンプレートの提示と、作成のポイントについて解説します。
コンプライアンス規程は、企業におけるコンプライアンスの考え方と取り組みのための方針を示したものです。
IPO進行上、内部統制観点で求められる場合が多い規程ですので、会社ステージに併せて制定を検討していきましょう。

規程テンプレートを活用する上での心構えを紹介します。

  • 自社の実情に沿った形に修正する事
  • 守れないルールは制定しない
  • あるべきに向かって会社と共に規程・ルールを育てていく事が重要
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第1章 総則

(適用範囲)
第1条
この規程は、当社の全役職員(契約社員、アルバイト社員、出向社員、派遣社員及びその他当社業務従業者を含む)(以下「役職員等」という。)に適用される。

~作成のポイント~
本規程を適用する対象者の範囲を記載します。
役員、従業員、契約社員、パート・アルバイト(派遣含む)、業務委託社員等々。
世間一般的には、組織全体をカバーするのが適切、と言われますが、これもカバーすべき、かつカバーできる範囲を明文化していきましょう。

(目的)
第2条
この規程は、当社における役職員等のコンプライアンスに関する意識の向上を図るとともに、コンプライアンスを円滑かつ効果的に実施するための組織体制及び運営方法を定めることを目的とする。

~作成のポイント~
なぜ、コンプライアンス規程を制定するのか?の目的部分を記載します。
コンプライアンス規程に限らず、規程の根幹部分ですね。
統制方針、体制、企業理念、行動指針など、どこまでを対象とし、何と絡めていくのかを記載します。

(定義)
第3条
この規程において「コンプライアンス」とは、当社の役職員が業務遂行にあたって、別に定める「企業行動規範」に従い関係法令、定款、規程等を遵守することをいう。

~作成のポイント~
自社におけるコンプライアンスとは何か?を定義します。
いわゆる法令遵守は当然として、社内規範、社会規範、企業倫理まで、何をどこまで含めるのか。
自社にとって守るべきもので、かつ守れるものを明文化していきます。
教科書的には、コンプライアンスの範囲は広がっている云々と語られますが、守れない領域まで含める必要はありません。

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第2章 コンプライアンス推進体制

(コンプライアンス推進体制)
第4条
当社におけるコンプライアンス推進体制を以下のとおり定める。

①取締役会
当社のコンプライアンス推進に関する重要事項の決定は、取締役会が行う。

②コンプライアンス推進委員会
取締役会の下にコンプライアンス推進委員会(以下「委員会」という。)を設置し、コンプライアンスに係る体制の構築及びその推進に関する事項について検討、審議等を行う。

③コンプライアンス推進委員会事務局
コンプライアンスに関する取組み全般についての企画立案を行なうとともに、取組み全般を統括する。事務局は、●●部が担当し、事務局長は●●部長とする。

④コンプライアンス推進委員
部・室の長は、コンプライアンス推進委員として、各部署におけるコンプライアンスに係る体制の構築及び推進に関する業務を行う。
コンプライアンス推進委員は、各部署におけるコンプライアンス推進のため、部内にコンプライアンス担当者を置くことができる。

(委員会の構成)
第5条
委員会の構成を次のとおり定めるものとする。

①委員長:社長
②コンプライアンス推進委員会事務局長:●●部長
③コンプライアンス推進委員会事務局:●●部●●課
④コンプライアンス推進委員:各部責任者(各部・室の長)
⑤内部監査担当部門:内部監査室
⑥監査役

2 本委員会は、原則四半期に1回の開催とし、事務局は議事録を作成する。

(委員会の役割)
第6条
委員会は、次に掲げる事項について検討、審議し、その結果を取締役会に報告する。
①コンプライアンスに関する基本方針、計画及び体制の策定に関すること。
②コンプライアンスに関する関係規則、マニュアル等の策定に関すること。
③コンプライアンスに関する教育・研修の計画の策定及び実施に関すること。
④その他、コンプライアンスに係る体制の構築及びその推進について必要な事項に関すること。

~作成のポイント~
本規程を遂行する上での、実行・推進体制を記載します。
委員会形式を無理に取る必要は無いですし、別の委員会と統合する形でも問題はありません。
コンプライアンスに関する管掌部署や、その責任者、実務を行う担当者、関係する各部署の責任者等について、自社の組織体制に合う形で、明文化していきます。
サンプルでは委員会方式で書いていますが、形だけの委員会を作るのなら、これほど無意味な事はないので、会社全体のリスク等をカバーする別の会議体等に統合する形で全く問題ありません。

(内部通報制度)
第7条
当社のコンプライアンスに関係する通報・相談に関しては、別に定める「内部通報規程」に従う。

~作成のポイント~
コンプライアンスに関連して、内部通報制度に関して記載します。
コンプライアンス規程を制定するフェーズの企業ですと、一般的に内部通報制度が制定されている場合も多いので、そちらを参照する形で問題無いでしょう。
内部通報制度が制定されていない場合、相談窓口や、相談内容に関する処理のフローについて明文化していきます。

(懲戒処分)
第8条
コンプライアンス違反を行った者、及びこの規程に定める責務を怠った為にコンプライアンス違反を招いた役職員等は、就業規則に従って懲戒処分する。
また、重大な刑罰法規違反となる行為を行った者については、当局に告発する。

~作成のポイント~
本規程に違反する行為を行った役職員に対する懲罰について定めます。
一般的には就業規則内の規程に従います。

(教育・研修)
第9条
コンプライアンス推進委員会事務局は、委員会での決定事項に基づき、全役職員を対象にしたコンプライアンス社内普及促進に関する教育・研修等を企画し、計画的に推進しなければならない。

~作成のポイント~
教育をする余力があるのなら(通常の会社はあまり無いですね)、明文化していきます。
余力が無いのなら、「委員会は啓蒙活動を行う。」位の曖昧な表現が適切でしょう。
現実的にできる事を書くのが規程の基本です。

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第3章 その他

(改定)
第10条
この規程の改廃は取締役会決議による。

~作成のポイント~
最後に、改廃の権限、効力の発生について明確にします。
コンプライアンス規程を制定するフェーズの企業の場合、「規程管理規程」が制定されている場合も多いので、そちらに従う形になります。
一般的には取締役会での承認となります。

附則

(実施時期)
この規程は、●年●月●日より実施する。

~作成のポイント~
本規程の施行日(改廃があるなら改廃日)を記載します。

以上

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