棚卸資産管理規程~テンプレートと作成のポイント~

IPO・バリュエーション

ここでは棚卸資産管理規程のテンプレートを提示します。
棚卸資産は、内部統制上、非常に重要な内容です。
自社において棚卸資産を管理する必要がある場合は明確に定めて、適切に管理する事が必須です。

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第1章 総則

(目的)
第1条
本規程は、当社の棚卸資産の管理業務について定め、その円滑な遂行とともに、経営効率の向上に資することを目的とする。

(棚卸資産の定義)
第2条
本規程において棚卸資産とは次のものである。

  1. 商品とは他社より購入した仕入商品をいう
  2. 製品とは、当社で製造した完成品(下請加工品を含む)をいう
  3. 仕掛品とは、製造のため現に仕掛中または加工中のものをいう
  4. 原材料とは、製品を製造するために直接費やすもので、加工をしていない状態のものをいう
  5. 貯蔵品とは、製造または販売のため直接または間接に費やされる前項以外の物品をいう

~作成のポイント~
自社における棚卸資産について記載します。
自社製造は行わず、仕入販売のみが事業の場合は商品が棚卸資産の内容となるでしょう。

(棚卸資産管理業務の範囲)
第3条
当社における棚卸資産管理業務の範囲は次のとおりとする。

  1. 棚卸資産の現物管理
  2. 棚卸資産の帳簿管理
  3. 実地棚卸の実施
  4. 倉庫の保全管理
  5. 棚卸資産会計

~作成のポイント~
棚卸資産管理業務の範囲を規定します。
現物管理、帳簿管理、実地棚卸、倉庫保全、会計処理あたりが該当するでしょう。

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第2章 棚卸資産管理

(棚卸資産の管理責任者)
第4条
棚卸資産保有部署の各責任者を棚卸資産管理責任者とする。棚卸資産管理責任者は、当該部署の棚卸資産保有高を適正水準に保つ責任を持つ。

2.棚卸資産管理責任者は、実際の業務運営にあたる棚卸資産管理担当者を指名することができる。

(管理責任者の職務)
第5条
棚卸資産管理責任者は、棚卸資産管理担当者を指揮監督するとともに、棚卸の管理に万全を期すものとする。

2.棚卸資産管理担当者は、本規程の各条項に従って保有する棚卸資産の種類・規格等の別に、受払に関する管理および記録を継続的に行うと共に、棚卸資産の適切な保管、倉庫の保全管理等、棚卸試案管理業務の円滑な運営を図らなければならない。

(棚卸資産の入庫)
第6条
棚卸資産の入庫は受入担当者が検収を実施するとともに、棚卸資産管理担当者が立ち会うものとする。棚卸資産管理担当者は、受入担当者とともに、現品の包装状態、数量、不良品の有無をチェックする。

(棚卸資産の出庫)
第7条
棚卸資産の出庫に際しては、棚卸資産管理担当者が立ち会うものとし、出荷依頼書等と品目、数量、出荷先が合致していることを確認する。出荷指示伝票がないものについては出荷してはならない。

(棚卸資産の保管)
第8条
棚卸資産管理担当者は、適切な量の棚卸資産が常に良い品質を保てるような保管方法を講じなければならない。

2.棚卸資産管理担当者は、倉庫内の棚卸資産を品目別に秩序整然と整理しておかなければならない。

3.自社保有の棚卸資産ではない預品は、自社保有の棚卸資産と明確に判別できるように区分して保管するものとする。

4.修理品・不良品は、自社の良品と明確に判別できるように区分して保管するものとする。

5.棚卸資産管理担当者は、保管中の棚卸資産につき、破損減損、変質、盗難その他何等かの異常を発見した場合には直ちに棚卸資産管理責任者に報告し、その指導のもとに適切な処置を講じなければならない。

(棚卸資産の廃棄等)
第9条
棚卸資産が規格・形式の改廃、設計変更、変質、毀損、滅失、陳腐化等の理由により不要となった場合あるいは価額または数量が減少した場合は、当該棚卸資産管理責任者は、経理部門管掌取締役の承認を得たのち、廃棄処分または在庫減の処理を行う。

~作成のポイント~
棚卸資産の廃棄等においては、その権限者を明確にし、権限者の承認の元、実施するようにしましょう。
会計処理に関係するため、経理部門がその管掌部門になるのが効率的です。

(実地棚卸の実施)
第10条
棚卸資産管理責任者は、毎月実地棚卸を行う。

2.実地棚卸の結果、帳簿の残高と相違が発生した場合は、差異分析を行わなければならない。

3.実地棚卸は、別に定める「実地棚卸要領」に従って実施するものとする。

4.決算期末日において、棚卸資産管理責任者は、経理部門担当者の立ち会いのもとに、実地棚卸を実施し実地棚卸表を作成する。

~作成のポイント~
決算期末日においては、会計部門の担当者も交えて棚卸をするのが望ましいでしょう。
また、IPO進行企業の場合、監査法人も立ち会うことが一般的(監査)ですので、必然的にそのようになります。
なお、四半期毎に決算を行う事もフェーズによってはあり得ますので、都度都度立ち合い、棚卸資産管理業務に対してけん制をかける事も考えられます。

(棚卸資産の取得価額)
第11条 各棚卸資産の取得価額は次のとおりとする。

購入した棚卸資産:購入に要した費用
製造等による棚卸資産:原材料費、労務費および経費、消費または販売するのに直接要した費用
その他の事由により取得した棚卸資産:経理部門管掌取締役と相談の上決定するものとする

~作成のポイント~
自社の棚卸資産勘定科目毎に記載することも考えられます。
その他の事由には、贈与、交換、低廉、高額などの取引の他、適格分社型分割または適格現物出資により取得した棚卸資産が該当します。
これらを明確に記載することも考えられますが、そこまで触れる必要は無く、相談ベースとするのも良いでしょう。

(受払記録)
第12条
棚卸資産管理担当者は、入庫及び出庫に際しては、納品書、出荷報告書またはその他の伝票に基づき、棚卸資産管理台帳等に速やかにその記帳を行う。

2.棚卸資産帳簿残高については、定期的に棚卸資産管理責任者へ報告されなければならない。

3.棚卸資産の受払の記帳日は、入庫の場合は検収終了日とし、出庫の場合は、倉庫より出荷した日とする。

4.入庫伝票または出荷指示伝票がないものについては、入庫・出庫してはならない。

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第3章 倉庫保全

~作成のポイント~
自社の棚卸資産の内容や、必要な管理項目に応じて記載します。

(倉庫の整理整頓)
第14条
倉庫内は定期的に清掃を行い、衛生的環境を保つものとする。

2.棚卸資産管理担当者は、倉庫内の温度、湿度、風雨、虫害等に常に注意するものとする。

3.棚卸資産管理担当者は、倉庫外の環境についても、製品等の入出庫に支障の無いよう注意を払わなければならない。

(災害予防、保全警備)
第15条
倉庫内外の災害予防及び保全警備のために次の事項が遵守されなければならない。

  1. 倉庫内は火気厳禁とするため、禁煙とする
  2. 消火器は必ず備え置きするものとし、その場所を従業員に周知徹底しておかなければならない
  3. 危険物の保管については、法の定めるところを厳守し、万全の注意を払うものとする
  4. 棚卸資産の積卸し、検品等に際しては、細心の注意を払って事故の発生を防ぐものとする

~作成のポイント~
棚卸資産の性質に応じて、災害予防に関して記載します。
火元が何かしらあり、棚卸資産が燃えやすい物の場合、特に注意が必要です。

(損害保険の付保)
第16条
倉庫とその保管する棚卸資産については、盗難・火災・自然災害に対して適正な保険を付保しておかなければならない。

~作成のポイント~
棚卸資産の重要性が高い場合は、各種事故に備えて保険を付すことも考えられます。
重要性が低い場合は、必須とせず、重要なものに限定することも検討すると良いでしょう。

第4章 棚卸資産会計

~作成のポイント~
棚卸資産会計まで触れましたが、経理規程内に盛り込み、本規程では記載しない事も考えられます。

(棚卸資産会計の目的と原価計算の目的)
第17条
棚卸資産会計は、当社が保有する棚卸資産残高を正確に把握するとともに、適正在庫の保有による会社資産の効率化に役立つことを目的とする。また、原価計算は、財務諸表の作成、製品販売価格の設定、経営計画、予算管理、原価低減のために原価情報を提供することを目的とする。

(棚卸資産会計および原価計算責任者とその責任)
第18条
経理部門管掌取締役を棚卸資産会計および原価計算責任者とする。棚卸資産会計および原価計算責任者は前条の目的を達成する責任を持つ。

(原価計算方式)
第19条
原価計算の方式は○○○○原価計算とする。原価計算においては、原価の消費量および消費額の実際につき計算する。ただし、必要ある場合は原価の一部を予定値で計算する。

~作成のポイント~
採用する原価計算の方法を記載します。

第5章 その他

(改廃)
第20条
本規程の改廃は、取締役会の決議による。

附則

本規程は、YYYY年MM月DD日から施行する。

以上

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