関係会社管理規程~テンプレートと作成のポイント~

IPO・バリュエーション

ここでは関係会社管理規程のテンプレートを提示します。
ベンチャー企業においても事業の数に応じて子会社等を設立し、別に管理する場合が珍しくありません。
IPOを目指す段階に入ると、明確に連結決算をはじめとした関係会社管理が必須になります。

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第1章 総則

(目的)
第1条
本規程は、関係会社に対する管理を明確にし、関係会社の指導、育成を促進して企業グループとしての経営効率の向上に資することを目的とする。

(定義)
第2条
本規程による関係会社とは、当該会社の議決権のある発行済株式の20%以上を保有又は間接保有し、もしくは相当額の長期貸付、債務保証、役員派遣等事業上または人事上で緊密な関係にあり、特に指定した会社をいう。

~作成のポイント~
会計上の関係会社以上を指定した記載とします。

(担当)
第3条
関係会社管理業務は、経営企画部門が統括し、その経営企画部門の責任者を管理統括者とする。

(管理基準)
第4条
関係会社の管理業務とは、次の業務をいう。

  1. 関係会社の設立
  2. 関係会社の株式の取得、処分
  3. 関係会社に対する資金貸付、担保貸与、債務保証
  4. 経営分析、業績評価
  5. 関係会社の指導、育成
  6. 関係会社に対する人事
  7. その他関係会社からの協議事項並びに関係会社の指導、育成上必要と思われる事項

(関係会社の分類)
第5条
関係会社を出資割合及び当該関係会社の経営方針等への影響力行使の程度等の観点から、財務諸表等規則に定める子会社と関連会社とに分類して管理する。

~作成のポイント~
上場会社、またはIPOを目指す会社については連結決算・開示業務が発生しますので、適切な管理を行うようにしましょう。
タイムリーに関係会社の決算書類・決算情報を入手できないと不味いことになります。

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第2章 権限

~作成のポイント~
関係会社等への各種アクションについて、権限を定めていく章をなります。
会社の実情におうじて、重要性の高い物を設定して行く形になります。

大きくは、金・物・人に関係するものが挙げられるでしょう。

(関係会社に対する投融資、保証)
第6条
関係会社に対し投融資、債務保証を行うときは、別に定める「決裁権限規程」に従い、対応する決裁権限者の決裁をうけなければならない。

~作成のポイント~
一般的には取締役会の決裁になるかと思いますが、グループ・ファイナンスを導入していたり、フリー・キャッシュが潤沢にあり、貸付の金額が少額の場合には管理部門の管掌役員決裁とする場合も考えられます。

(関係会社に対する固定資産の譲渡等)
第7条
関係会社に対する固定資産の譲渡、貸与、購入等を行うときは、管理統括者は関係者と協議の上、取締役会の決議により決定することとするものとする。

~作成のポイント~
関係会社に固定資産を譲渡するようなアクションはイレギュラー性が高く、決裁権限規程において定められていない場合も多いでしょう。
取締役会の決議による、としておけばよいでしょう。

リース資産がある場合には、その取扱いについて記載したり、別の基準を設定したりすることも考えられます。

(派遣人事)
第8条
関係会社に役員の派遣、社員の出向を行うとき、または関係会社から派遣、出向の要請があったときは、管理統括者は関係者と協議し、適任者選定後に手続をとらなければならない。

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第3章 情報管理

(事前協議、承認事項)
第9条
子会社における下記事項については、管理統括者は事前に資料を入手し、検討を行い、取締役会により決定するものとする。入手した資料は管理統括部門が保管する。

  1. 定款の変更
  2. 会社の新設、買収及び経営参加に関する事項
  3. 増資、減資、合併、整理及び解散に関する事項
  4. 営業譲渡、譲受、重要な資産の取得、交換、貸与処分に関する事項
  5. 資金の貸付、借入、債務保証
  6. 重要な訴訟および登記事項
  7. 新規事業計画及び新製品の生産販売に関する事項
  8. 予算及び利益計画に関する事項
  9. 決算案の承認
  10. 役員の選任、解任
  11. 役員報酬及び賞与の決定
  12. その他経営の基本に関する重要事項

~作成のポイント~
子会社の各種コーポレート・アクション等について、決裁機関・決裁権限者を規程します。
内容に応じて細かく分ける事も考えられます。
このテンプレートでは、事前協議事項・承認事項と、報告事項について分けています。

(報告事項)
第10条
子会社の経営内容を的確に把握するため、管理統括者は子会社に関する次の資料を入手し、検討を行わなければならない。入手した資料は管理統括部門が保管する。

(1)発生都度報告事項

  1. 株主総会の開催及び議事録
  2. 重要な会議の議事録
  3. 営業上の重要な取引
  4. 役員の長期出張

(2)月次報告事項

  1. 事業計画月次進捗状況
  2. 月次損益実績及び予実対比表
  3. 月次資金繰実績及び予実対比表
  4. 労務報告

(3)年次報告事項

  1. 年度営業日スケジュール
  2. 年度主要行事表
  3. 決算報告書
  4. 税務申告書

(4)その他必要と認めた書類

(資料の整備閲覧)
第11条
管理統括部門は管理業務を迅速に処理するため、子会社に関する次の資料を整備・保管しなくてはならない。また、必要に応じていつでも子会社に請求し、閲覧できるようにしなければならない。

  1. 会社データ(従業員数、主要取引先等)
  2. 定款、商業登記簿謄本
  3. 法人設立届出書
  4. 諸規程
  5. 会社設立の経緯と沿革
  6. 株主総会議事録、取締役会議事録
  7. 株主、株式に関する重要な書類
  8. 役員、社員に関する重要な書類
  9. 組織図
  10. 事業報告書、計算書類
  11. 税務申告書
  12. 経営計画、予算書
  13. 重要な稟議書、契約書
  14. その他関係会社に関する重要書類

(関係会社の監査)
第12条
子会社に対する監査は、原則年1回、内部監査部門担当者が監査人となり、もしくは適宜監査人を指名し、会計監査及び業務監査を行う。主たる監査は次の通りとする。

  1. 組織、制度、手続き並びに業務の指揮、処理等についての妥当性、合理性、適法性及び遵守状況
  2. 会計書類及びその他の資料又は記録の正確性、信憑性、適法性
  3. 会計財産の保全及び損失、危険、不正等の防止状況
  4. その他特に必要と認める事項

~作成のポイント~
年1回の監査スケジュールと指定せず、内部監査部門の内部監査計画に従い監査を行う、という記載も考えられます。
現実的に対応できない事はルール化しない方がよいです。

第4章 その他

(改廃)
第13条
本規程は、取締役会の決議により、改廃する。

附則

本規定はYYYY年MM月DD日より施行する。

以上

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