(IPO関連用語解説)内部監査とは?

IPO・バリュエーション

内部監査は、監査法人(会計監査人)による監査、そして役員である監査役による監査とは別に、経営者の指揮の下に行われる監査の事です。
ここでは、内部監査について用語解説していきます。

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内部監査とは

日本内部監査協会という組織が出している内部監査基準では次のような記載があります。

内部監査とは、組織体の経営目標の効果的な達成に役立つことを目的として、合法性と合理性の観点から公正かつ独立の立場で、ガバナンス・プロセス、リスク・マネジメントおよびコントロールに関連する経営諸活動の遂行状況を内部監査人としての規律遵守の態度をもって評価し、これに基づいて客観的意見を述べ、助言・勧告を行うアシュアランス業務、および特定の経営諸活動の支援を行うアドバイザリー業務である。

つまり内部監査とは、企業の成長のために、経営活動全般に対して行う内部からの監査であり、同時にコンサルティングであるとされています。

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IPOと内部監査

上場を目指さないのであれば必須な対応では無いのですが、証券取引所による上場審査において、内部監査の実施は必須とされています。

東京証券取引所の本則市場とJASDAQでは「新規上場申請者の企業グループの内部監査体制が、適切に整備、運用されている状況にあること」とあり、マザーズでは「新規上場申請者の企業グループの内部監査体制が、相応に整備され、適切に運用されている状況にあること」とされています。
マザーズ側のニュアンスが気持ち緩い書き方ですね。

ようは、会社の規模等に応じて適切な内部監査体制が整備・運用されているか?という事ですね。

上場申請期直前1年間以上、上場申請会社とグループ企業ならば子会社の全部門・全拠点について、監査の運用実績が求められます。

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内部監査実施の概要

内部監査を実施するにあたり、まずは従事する人員の選定が必要です。
この人員は、監査対象である社内各業務から独立性を確保している必要があります。
他の業務との兼務がある場合には、独立性確保のための工夫、例えば兼務対象部署に対しては別部門の内部監査人を選任する等が必要です。
また、誰でも良い、というものでもなく、会社の事業や業務内容、そして会社のルール、つまり「規程」の内容についても一定水準以上の認識がある事が必要です。

一般的には社長直轄部署として内部監査室が設置される事が多いですが、マザーズ上場を狙うようなベンチャー企業ですと、部門兼任は珍しくありません。
この場合は上述の工夫を行います。

内部監査のプロセスは下記の通りです。

  • 内部監査計画の作成(代表取締役の承認、被監査部門への通知)
  • 内部監査の実施
  • 監査調書の取りまとめと報告書の作成
  • 監査結果の代表取締役への報告
  • 代表取締役名義による改善指示、改善の実施、改善報告
  • 改善結果のフォローアップ監査、結果報告

監査の内容は、会社毎に異なるのですが、基本的には会社のルール(規程)に則った業務運用がなされているのか?また、会社固有のリスクに対してどのような認識を持ち対処を行っているのか?という観点で決められます。
つまり、ルールと業務内容の認識、そしてリスクの洗い出しが先行して行われている事が必要です。
監査内容は監査の均質化のために、チェックリストとしてまとめられるのが通常です。
手続が硬直化しないように内部監査を実施していくのが、内部監査業務遂行上、重要な留意点となります。

監査目標に応じても監査方法を工夫する必要があります。
例えば、不正チェックを目的とするならば、抜き打ち監査が適しています。
(通常は、事前にアポイントメントを取り、日程調整と監査内容をすりあわせた上で内部監査を実施する。)

監査法人(会計監査人)、そして役員である監査役との情報交換も重要で、これら2者との情報交換と協議の場である三様監査も重要な内部監査のプロセスと言えます。

なお、実態としては「やらなければいけないからやっている」という会社がほとんどで、本気で取り組んでいる所は稀です。


本用語解説は、IPO実務上の観点での記載であり、投資観点での記載は行っておりません。
同様に、情報の提供を目的としたものであり、金融商品の勧誘を目的としたものではありません。

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