(IPO関連用語解説)監査役,監査役会,常勤監査役,社外監査役とは

IPO・バリュエーション

ここでは監査役、監査役会、常勤監査役、社外監査役について用語解説していきます。
IPOのためには監査役の選任と監査役会の設置は、基本的には必須となります(委員会形式の場合は除く)。
その要件、そして役割と権限について、適切に理解する必要があります。

下記記事も参考にしてください。

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監査役とは

監査役は、取締役(と設置している場合には会計参与も)の職務の執行を監査する機関です。

監査役は株主総会の決議によって選任され、任期は通常4年、公開会社で無い株式会社の場合には定款の定めにより最大10年まで任期を伸ばす事が可能です。

会社法
(監査役の権限)
第三百八十一条 監査役は、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行を監査する。この場合において、監査役は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。
(以下略)

取締役会設置会社の場合には、必ず監査役を設置しなければなりません(委員会形式を取っている場合は除く)。

会社法
(取締役会等の設置義務等)
第三百二十七条 (中略)
2 取締役会設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。ただし、公開会社でない会計参与設置会社については、この限りでない。
(以下略)

監査役の権限は業務監査権限と会計監査権限に分かれますが、原則、両方の権限を有します。
(そして業務監査権限を有する監査役は、取締役会へ参加する必要があります。)

ただし、大会社以外の非公開会社では、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する事ができます。
(監査役会や会計監査人を設置した場合は除きます。)
なお、この場合、要登記事項となります。

会社法
(取締役会への出席義務等)
第三百八十三条 監査役は、取締役会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。ただし、監査役が二人以上ある場合において、第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、監査役の互選によって、監査役の中から特に同条第二項の取締役会に出席する監査役を定めることができる。
(以下略)

(定款の定めによる監査範囲の限定)
第三百八十九条 公開会社でない株式会社(監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く。)は、第三百八十一条第一項の規定にかかわらず、その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができる。
(以下略)

(株式会社の設立の登記)
第九百十一条 株式会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。
(中略)
3 第一項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。
(中略)
十七 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)であるときは、その旨及び次に掲げる事項
イ 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社であるときは、その旨
ロ 監査役の氏名
(以下略)

監査役には独立性の観点から、グループ企業内での兼任に制限があります。

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監査役会とは

監査役会は、監査報告の作成や常勤監査役の選定・解職、監査役の職務の執行に関する事項を行う機関です。
構成員は全員が監査役です。

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日本監査役協会「日本の監査役制度」より

大会社や監査等委員会もしくは指名委員会を設置していない上場会社の場合には、監査役会の設置が必要です。

監査役会設置会社とするためには、3名以上の監査役を選任する必要があり、かつ半数以上は社外監査役でなければいけません。
加えて、常勤監査役も1名以上必要です。

会社法
(監査役の資格等)
第三百三十五条 第三百三十一条第一項及び第二項並びに第三百三十一条の二の規定は、監査役について準用する。
2 監査役は、株式会社若しくはその子会社の取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。
3 監査役会設置会社においては、監査役は、三人以上で、そのうち半数以上は、社外監査役でなければならない。

第三百九十条 監査役会は、すべての監査役で組織する。
2 監査役会は、次に掲げる職務を行う。ただし、第三号の決定は、監査役の権限の行使を妨げることはできない。
一 監査報告の作成
二 常勤の監査役の選定及び解職
三 監査の方針、監査役会設置会社の業務及び財産の状況の調査の方法その他の監査役の職務の執行に関する事項の決定
(以下略)

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常勤監査役とは

監査役の内、他に常勤の業務が無く、会社の営業時間中、原則としてその会社の監査役の職務に専念する者を言います。

監査役会設置会社では監査役の互選で常勤監査役を選任する必要があります。

会社法
第三百九十条 (中略)
3 監査役会は、監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならない。
(以下略)

なお、常勤や専念の度合いですが、様々な説があります。
多くの会社で見られる光景として、例えば週3勤務で休憩1時間を含む7時間程度の勤務、で設定している場合が多い印象です。

社外監査役とは

社外監査役とは、株式会社の監査役であって、過去に当該株式会社またはその子会社の役員や従業員となったことが無い者の事を言います。

詳細は下記の定義の通りです。

会社法
(定義)
第二条 (中略)
十六 社外監査役 株式会社の監査役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。
イ その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。ロにおいて同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。
ロ その就任の前十年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の監査役であったことがある者にあっては、当該監査役への就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。
ハ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役、監査役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。
ニ 当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。
ホ 当該株式会社の取締役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。
(以下略)

監査役は会計監査を担うため、公認会計士である等、財務及び会計に関する知識を有している場合には、相当程度の知見を有しているとして、その事実を事業報告に記載することとなっています。
また、取締役会への出席状況や発言状況も事業報告に記載されます。
(事業報告を通じた株主等からのモニタリングを受ける形になりますが、形式的な物で基本的は機能していません。)

なお、社外監査役の性質上、独立役員の要件に該当する人物を選任する事が望ましいです。


本用語解説は、IPO実務上の観点での記載であり、投資観点での記載は行っておりません。
同様に、情報の提供を目的としたものであり、金融商品の勧誘を目的としたものではありません。

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