(取締役会議事録の書き方)定款規定に基づき取締役の責任を一部免除する場合

取締役会

ここでは取締役会議事録の「定款規定に基づき取締役の責任を一部免除する場合」の書き方例について解説します。
公開会社・非公開会社で対応が一部異なります(公開会社の場合、公告が必要となります)。
ベースのテンプレート部分については、下記記事も参照してください。

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取締役会決議事項_定款規定に基づき取締役の責任を一部免除する場合

非公開会社の場合

第〇号議案 取締役〇〇〇〇の責任一部免除に関する件

議長より、取締役〇〇〇〇に対する、会社法第426条第1項に基づく〇〇〇〇〇〇〇〇の件に関する会社に対する任務懈怠責任について、添付資料「〇〇〇〇」のとおり、取締役〇〇〇〇が職務を行うにつき善意・無重過失であると考えられるため、その賠償額の一部を免除したい旨の説明がなされた。
また、本決議は定款〇〇条の定めに基づく取締役会決議であること、本議案に関しては監査役全員の同意を得ていること、株主への通知を添付資料「〇〇〇〇」〇頁のとおり行いたいことの詳細な説明が併せてなされた。
議長がその賛否を議場に諮ったところ、本議案は満場一致をもって原案どおり承認可決された。
なお、取締役〇〇〇〇は本議案の特別利害関係人であるため議決に参加しなかった。

公開会社の場合

第〇号議案 取締役〇〇〇〇の責任一部免除に関する件

議長より、取締役〇〇〇〇に対する、会社法第426条第1項に基づく〇〇〇〇〇〇〇〇の件に関する会社に対する任務懈怠責任について、添付資料「〇〇〇〇」のとおり、取締役〇〇〇〇が職務を行うにつき善意・無重過失であると考えられるため、その賠償額の一部を免除したい旨の説明がなされた。
また、本決議は定款〇〇条の定めに基づく取締役会決議であること、本議案に関しては監査役全員の同意を得ていること、会社法426条第3項に基づく公告を添付資料「〇〇〇〇」〇頁のとおり行いたいことの詳細な説明が併せてなされた。
議長がその賛否を議場に諮ったところ、本議案は満場一致をもって原案どおり承認可決された。
なお、取締役〇〇〇〇は本議案の特別利害関係人であるため議決に参加しなかった。

ポイント
取締役の会社に対する任務懈怠責任について、善意・無重過失であった場合に、責任賠償額の一部を免除することができます。
(直接の利益相反取引を行った場合は一部免除対象となりません。)

いくつかの方法がありますが、本事例では定款規定に基づく取締役会決議のパターンです。
(取締役会非設置会社では、特別利害関係人を除く過半数の取締役の同意が必要。)
この議案を提出するにあたり、取締役全員の同意が必要となる場合があります(定款の変更も同様)。

なお、本議案は定款に事前に定めることを前提に取締役会決議で行うものですが、責任の一部免除後に退職慰労金を支給する場合には、株主総会の承認が別途必要となりますので留意が必要です。

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関連法令

会社法
(役員等の株式会社に対する損害賠償責任)
第四百二十三条 取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この章において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
(以下略)

(責任の一部免除)
第四百二十五条 前条の規定にかかわらず、第四百二十三条第一項の責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、賠償の責任を負う額から次に掲げる額の合計額(第四百二十七条第一項において「最低責任限度額」という。)を控除して得た額を限度として、株主総会(株式会社に最終完全親会社等(第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等をいう。以下この節において同じ。)がある場合において、当該責任が特定責任(第八百四十七条の三第四項に規定する特定責任をいう。以下この節において同じ。)であるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の株主総会。以下この条において同じ。)の決議によって免除することができる。
一 当該役員等がその在職中に株式会社から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の一年間当たりの額に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額に、次のイからハまでに掲げる役員等の区分に応じ、当該イからハまでに定める数を乗じて得た額
イ 代表取締役又は代表執行役 六
ロ 代表取締役以外の取締役(業務執行取締役等であるものに限る。)又は代表執行役以外の執行役 四
ハ 取締役(イ及びロに掲げるものを除く。)、会計参与、監査役又は会計監査人 二
二 当該役員等が当該株式会社の新株予約権を引き受けた場合(第二百三十八条第三項各号に掲げる場合に限る。)における当該新株予約権に関する財産上の利益に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額
2 前項の場合には、取締役(株式会社に最終完全親会社等がある場合において、同項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該株式会社及び当該最終完全親会社等の取締役)は、同項の株主総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。
一 責任の原因となった事実及び賠償の責任を負う額
二 前項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠
三 責任を免除すべき理由及び免除額
3 監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社においては、取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)は、第四百二十三条第一項の責任の免除(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)に関する議案を株主総会に提出するには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。
一 監査役設置会社 監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役)
二 監査等委員会設置会社 各監査等委員
三 指名委員会等設置会社 各監査委員
(以下略)

(取締役等による免除に関する定款の定め)
第四百二十六条 第四百二十四条の規定にかかわらず、監査役設置会社(取締役が二人以上ある場合に限る。)、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社は、第四百二十三条第一項の責任について、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該役員等の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、前条第一項の規定により免除することができる額を限度として取締役(当該責任を負う取締役を除く。)の過半数の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって免除することができる旨を定款で定めることができる。
2 前条第三項の規定は、定款を変更して前項の規定による定款の定め(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任を免除することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出する場合、同項の規定による定款の定めに基づく責任の免除(取締役(監査等委員又は監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)についての取締役の同意を得る場合及び当該責任の免除に関する議案を取締役会に提出する場合について準用する。この場合において、同条第三項中「取締役(これらの会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定により免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該会社及び当該最終完全親会社等の取締役)」とあるのは、「取締役」と読み替えるものとする。
3 第一項の規定による定款の定めに基づいて役員等の責任を免除する旨の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)を行ったときは、取締役は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。
4 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは、「株主に通知し」とする。
5 株式会社に最終完全親会社等がある場合において、第三項の規定による公告又は通知(特定責任の免除に係るものに限る。)がされたときは、当該最終完全親会社等の取締役は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。
6 公開会社でない最終完全親会社等における前項の規定の適用については、同項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは、「株主に通知し」とする。
7 総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が同項の期間内に同項の異議を述べたとき(株式会社に最終完全親会社等がある場合において、第一項の規定による定款の定めに基づき免除しようとする責任が特定責任であるときにあっては、当該株式会社の総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主又は当該最終完全親会社等の総株主(第三項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が第三項又は第五項の期間内に当該各項の異議を述べたとき)は、株式会社は、第一項の規定による定款の定めに基づく免除をしてはならない。
8 前条第四項及び第五項の規定は、第一項の規定による定款の定めに基づき責任を免除した場合について準用する。

(株式会社の設立の登記)
第九百十一条 株式会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。
一 第四十六条第一項の規定による調査が終了した日(設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合にあっては、設立時代表執行役が同条第三項の規定による通知を受けた日)
二 発起人が定めた日
(中略)
3 第一項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。
(中略)
二十四 第四百二十六条第一項の規定による取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め
(以下略)

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