(取締役会議事録の書き方)所在不明株主の株式を処分する場合

取締役会

ここでは取締役会議事録の「所在不明株主の株式を処分する場合」の書き方例について解説します。
競売の記載例ですが、通常通り売却、会社が買い取る、という方法も存在します。
ベースのテンプレート部分については、下記記事も参照してください。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

取締役会決議事項_所在不明株主の株式を処分する場合

第〇号議案 所在不明株主の株式処分の件

議長より、次の株式について、その株主に対する通知及びその質権者に対する催告が継続して5年以上不当竜であり、かつ、当該株式にかかる利息、利益の受領が5年間継続してなされていない旨を説明し、次のとおり当該株式を競売により処分したい旨の説明がなされた。
議長がその賛否を議場に諮ったところ、本議案は満場一致をもって原案どおり承認可決された。

  • 株主数 〇名
  • 株式数 合計:普通株式〇,〇〇〇株
  • 株主名簿上の株主の氏名及び住所 別紙「対象株主一覧」のとおり
  • 公告日および異議申述期間ならびに異議申述先 別紙「所在不明株主の株式の競売又は売却に伴う異議申述の公告(案)」参照
  • 株式売却日 YYYY年MM月DD日
  • 売却方法 会社法第197条第1項の規定に基づき競売による
  • その他 売却代金に関しては当社預金口座にて10年間管理し、従前の株主から申出があった場合に売却代金相当額を支払う

ポイント

会社法第197条の定めにより、5年間、剰余金の配当を受領していない等の条件が揃っている場合に、所在不明株主の株式を処分することが可能となります。
所在不明株主の株式を処分する際の流れとしては、次のとおりとなります。

①取締役会決議
②公告(異議申述ができる旨の公告を行い、株主と質権者に催告)
③競売(競売以外にも、市場価格がある場合には市場価格で売却や会社が買い取りを選択できる)
④代金の管理(株主や質権者から申出があった場合に代金を交付)

処分代金の時効は10年間です。

スポンサーリンク

関連法令

会社法
(住所)
第四条 会社の住所は、その本店の所在地にあるものとする。

(株主に対する通知等)
第百二十六条 株式会社が株主に対してする通知又は催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該株主の住所(当該株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
(中略)
5 前各項の規定は、第二百九十九条第一項(第三百二十五条において準用する場合を含む。)の通知に際して株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。この場合において、第二項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。

第百五十五条 株式会社は、次に掲げる場合に限り、当該株式会社の株式を取得することができる。
(中略)
八 第百九十七条第三項各号に掲げる事項を定めた場合
(以下略)

(株主に対する通知の省略)
第百九十六条 株式会社が株主に対してする通知又は催告が五年以上継続して到達しない場合には、株式会社は、当該株主に対する通知又は催告をすることを要しない。
2 前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
(以下略)

(株式の競売)
第百九十七条 株式会社は、次のいずれにも該当する株式を競売し、かつ、その代金をその株式の株主に交付することができる。
一 その株式の株主に対して前条第一項又は第二百九十四条第二項の規定により通知及び催告をすることを要しないもの
二 その株式の株主が継続して五年間剰余金の配当を受領しなかったもの
2 株式会社は、前項の規定による競売に代えて、市場価格のある同項の株式については市場価格として法務省令で定める方法により算定される額をもって、市場価格のない同項の株式については裁判所の許可を得て競売以外の方法により、これを売却することができる。この場合において、当該許可の申立ては、取締役が二人以上あるときは、その全員の同意によってしなければならない。
3 株式会社は、前項の規定により売却する株式の全部又は一部を買い取ることができる。この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 買い取る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)
二 前号の株式の買取りをするのと引換えに交付する金銭の総額
4 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。
5 第一項及び第二項の規定にかかわらず、登録株式質権者がある場合には、当該登録株式質権者が次のいずれにも該当する者であるときに限り、株式会社は、第一項の規定による競売又は第二項の規定による売却をすることができる。
一 前条第三項において準用する同条第一項の規定により通知又は催告をすることを要しない者
二 継続して五年間第百五十四条第一項の規定により受領することができる剰余金の配当を受領しなかった者

(利害関係人の異議)
第百九十八条 前条第一項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却をする場合には、株式会社は、同条第一項の株式の株主その他の利害関係人が一定の期間内に異議を述べることができる旨その他法務省令で定める事項を公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、当該期間は、三箇月を下ることができない。
2 第百二十六条第一項及び第百五十条第一項の規定にかかわらず、前項の規定による催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該株主及び登録株式質権者の住所(当該株主又は登録株式質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先を含む。)にあてて発しなければならない。
3 第百二十六条第三項及び第四項の規定にかかわらず、株式が二以上の者の共有に属するときは、第一項の規定による催告は、共有者に対し、株主名簿に記載し、又は記録した住所(当該共有者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先を含む。)にあてて発しなければならない。
4 第百九十六条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定は、第一項の規定による催告については、適用しない。
5 第一項の規定による公告をした場合(前条第一項の株式に係る株券が発行されている場合に限る。)において、第一項の期間内に利害関係人が異議を述べなかったときは、当該株式に係る株券は、当該期間の末日に無効となる。

(配当等の制限)
第四百六十一条 次に掲げる行為により株主に対して交付する金銭等(当該株式会社の株式を除く。以下この節において同じ。)の帳簿価額の総額は、当該行為がその効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない。
(中略)
六 第百九十七条第三項の規定による当該株式会社の株式の買取り
(以下略)

会社法施行規則
(市場価格のある株式の売却価格)
第三十八条 法第百九十七条第二項に規定する法務省令で定める方法は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって同項に規定する株式の価格とする方法とする。
一 当該株式を市場において行う取引によって売却する場合 当該取引によって売却する価格
二 前号に掲げる場合以外の場合 次に掲げる額のうちいずれか高い額
イ 法第百九十七条第二項の規定により売却する日(以下この条において「売却日」という。)における当該株式を取引する市場における最終の価格(当該売却日に売買取引がない場合又は当該売却日が当該市場の休業日に当たる場合にあっては、その後最初になされた売買取引の成立価格)
ロ 売却日において当該株式が公開買付け等の対象であるときは、当該売却日における当該公開買付け等に係る契約における当該株式の価格

民法
(債権等の消滅時効)
第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

コメント

タイトルとURLをコピーしました