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経営企画

アフターコロナのペット市場~巣ごもり消費とリモートワークで拡大~

外出自粛の影響を受け、自宅で消費活動を行う「巣ごもり消費」が活況です。
その中の一つ「癒し・リラックス」に関連して、ペット市場が今後、さらなる拡大を見せると予想されます。
アフターコロナのペット市場について見ていきます。

忙しい人向けまとめ

  • 巣ごもり消費の一つに不穏な日々の中での「癒し・リラックス型」がある
  • ペット市場(1.5兆円)はこれから更に拡大していく
  • リモートワークで単身者でも飼育できる余裕が増えるはずだから
  • ペットテック市場も、飼育初心者向けに活況になると予想される
  • ペットフード市場も、まだまだ攻め入る余地がある
  • 他業界でも賃貸業やペット葬儀業など、関連するビジネスは注意を払った方がよい

巣ごもり消費

外出自粛をする人が増える中、自宅で消費活動を行う「巣ごもり消費」が活況です。

株式会社エヌケービーが、この「巣ごもり消費」に関して、7つのタイプに分けられるとのアンケート結果を発表しました。

その結果、消費の傾向として生活者のニーズや意識を7つのタイプに分けることができました。

①おうち時間充実型・・・自宅での時間を豊かで充実したものにしたいというニーズ
②エクササイズでストレス発散型・・・運動不足・ストレス発散のため、体を動かしたいというニーズ
③趣味に没頭エンジョイ型・・・インドア系の趣味・コンテンツを楽しむ意識
④趣味&実益を兼ねた手作り型・・・時間・手間をかけた実益を兼ねた趣味に興じている
⑤自己投資・スキルアップ型・・・余暇時間に自己研鑽に励んでいる
⑥自分見つめなおし方・・・断捨離など自分の生活の見直し・整理している
⑦癒し・リラックス型・・・不穏な日々の中で、癒し・リラックスへの希求

食や娯楽サービス初利用、運動不足解消、自己投資など 7つのタイプ別消費~ 傾向を組み合わせて消費、軽率購入の後悔も ~

今回はこの内の⑦癒し・リラックス型、その中でも「ペット市場」に関して、アフターコロナでどのようになるのかを考えていきます。

社会が不安な空気に包まれる中、癒しやリラックスを求める意識が高まっています。ペットを飼い始める、家庭菜園を始めるなど新しく生活に癒しを取り入れている様子です。
(略)
新型コロナウイルスによる外出自粛や社会情勢への不安が長期化するにつれ、需要が今後さらに増加すると予想されます。

同上

ペット市場はこれから増えていくはずです。

アフターコロナのペット市場

ペット市場はこれまで以上に拡大していくはず

まず、現状のペット市場は1.5兆円ほどで、新型コロナウイルスの影響がある前の調査で、1.6兆円(2021年時点)は突破するという予測があります。

矢野経済研究所

これは、外出自粛の影響を受けて、より拡大するのでは、と予想されます。
なぜならば、リモートワークにより、ペットの飼育者が増えると考えられるからです。

これまでの「外に出て働かなければいけない単身者」や「共働きにより時間的余裕が無かった世帯」などにおいて、飼育するだけの時間的余裕が発生するはずです。
また、リモート疲れの影響や、先行きが見えない不安の中で、癒しを求める消費も増えています(巣ごもり消費の調査)。
将来長期的には、未婚の人の比率が増えることも影響するでしょう。

GoogleTrendsより 「猫」の検索が4月後半から何故か増えている 猫吸いしたい

ペットテックが活況

好調の一要因にペットテック市場の活況も指摘できます。
今現在では20億円前後の市場規模と予想されますが、これが2023年には50億円ほどの規模に成長するとされています。

矢野経済研究所

ペットテック市場を構成する製品は、AI機能が搭載された自動給餌機や、ライフログ機能のある首輪などです。

飼育初心者にとってみれば、AIをはじめとした飼育サポートはありがたいはずです。
リモートワークにスムーズに移行できた方々は、先進的な考えを持っている傾向も高いはずなので、あわせて消費が増えていくものと考えられます。
悪意をもった第三者による動物虐待や行方不明対策に、防犯カメラや位置情報機能を強化した商品・サービスも出てくるでしょう。

ペットフード市場もまだまだいける

個人的にはペットフード市場もまだまだ攻められる余地があるはず、と考えています。

ペットフード市場は、例えばキャットフードならば、いなば食品(CIAO)やマースジャパンリミテッド(カルカン)、ユニ・チャーム(銀のスポーン)などが陳列棚を占拠している状況です。

ただ、商品単独で見ていくと、市場シェア1位の製品でさえ、その市場シェア率は2%未満です。
一つのブランド毎に複数の味があるので当然と言えば当然ですが、非常に乱立している状況です。
商品のリピート率が30%超で全体的に高いこともあり、何かしらのチャネルで「これは良い」という評価を得られたのであるならば、この乱立した市場に食い込めるはずなのです。

ウレコン:POSデータ(2020年1月1日~2020年3月31日)より

やり方としては、EC販売やペットテックと組み合わせたサブスクリプション型による販売が考えられるでしょう。
ホームセンターなどを攻めるのは、かなり厳しい戦いになると思われるので、そこは避けます。

人用でもカスタマイズして注文できるオーダーメイドサプリが登場しています。
それらを参考にする形でWEB上、もしくはアプリ上で注文できるようにすれば、一定の売上はとれるのでは、と考えられます。

ペット業界に限らず、他業界も対応した方が良い

例えば不動産業界

ペットを飼育する上でハードルになるのが、自宅そのものです。

ペット飼育不可、の賃貸借契約になっている場合が多いのではないでしょうか。
そのため、ペットは多くの場合、自宅を購入した夫婦が買う例が多かったわけです。

そのような状況ならば、ペットを飼育したい人にとってみれば、家を借りる際、ペット飼育可の条件を優先的に選びたいはずです。

壁紙は引っかきや汚れに強いもの、天井は消臭機能があるもの。
猫用にキャットウォークや扉の移動窓などを標準で備えたもの。
床は掃除がしやすいようにフローリングをベースにしつつ、洗える消臭マットが敷かれたもの。

このような設備が整った所は、これから空き家問題が深刻になる日本において、不動産業界(賃貸業)の活路になる可能性があります。

ペット葬儀関連も市場が増えるはず

また、生き物は必ず命の終わりを迎えます。
いずれ迎えるその時に案外困るのが、ペット用の葬儀場です。

Google検索すれば出てくるには出てきますが、まだ数が少なかったり、どのようなサービスなのか、ホームページがイケていない場合も多いです。

明瞭会計でお墓まで用意してくれる。
そんなペット向けの葬儀ビジネスは、今後、人気が出てくるでしょう。

(補足)ペットからの感染の心配は?

感染症の話題に敏感になっている今、動物、つまり飼育しているペットからの感染を心配する方もいらっしゃるかもしれません。
これに関して、リスクはゼロではない、としか言いようがありません。

動物感染はメジャーな感染経路の一つです。
ただし、病気にもよりますし、新型コロナウイルスに関しては、極々一部で報告がありますが、実際の所はどうなのかは不明です。

言えることとしては、人類は誕生して以来、動物と共存してきた、ということです。
過度な心配はしても仕方がないでしょう。

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