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新しい習慣を身につける最も確実な方法は何か?それは「習慣の〇〇〇〇」

運動習慣を身につける、健康的な食事をとる、新しいスキルを習得するなど、「新しい習慣」を身につけることは多くの人が取り組みますが、現実は残酷で、多くの挫折を人は経験します。
ある研究チームは、新しい習慣を身につける最も確実な方法を探りました。
そして、非常にシンプルなたった1つの方法が判明しました。

新しい習慣を身につけるのは非常に難しい

何かしら新し習慣を高速で身につけるための方法論は、ノウハウとして確立がされています。

しかし、この方法でも確実とは言えません。

世の中には多くの習慣化のための方法論が存在しますが、ある調査では新年の抱負を1年続けた人はわずか8%で、1ヶ月を乗り切った人さえ半数にも満たないそうです。

こちらで紹介されている調査では、新しい習慣を身につけるための確実な方法が探られました。

https://www.fastcompany.com/90446008/we-studied-the-best-way-to-actually-make-a-new-habit-stick

調査では、ボランティア500人が参加し、新しい習慣を身につけるための様々な方法論23種類を選んで提示し、実行してもらいました。
例えば「自分へのご褒美を用意する」「毎日決まった時間に実行する」などです。

そして、1ヶ月間、3回の調査を行い、習慣がどれだけ維持されているか、が調査されました。

最終的に5つの調査を行い、1,256件の追跡調査が分析され、習慣化のための方法としてある1つのテクニックが他の22種類のテクニックをはるかに上回ることがわかりました。

最も確実な方法だったのは「習慣の振り返り」

その新しい習慣を身につける最も確実な方法とは「習慣の振り返り」です。

「習慣の振り返り」は次の3ステップで実行します。

  1. 自分自身の長期的な行動を変えたり、新しい習慣を身につけたりすることに成功した過去の状況や方法を振り返る
  2. その成功した過去の状況や方法について、そこから学んだことや、変化を起こすために使った戦術など、新しい習慣に適用できることを書き出す
  3. これらの教訓を新しい習慣に適用するための簡単な計画を作成する

この方法は、2番目に効率が良かった方法より、140%も習慣化の効率が高かったそうです。
また、この方法をとったボランティアの満足度は、他の方法をとったボランティアよりも習慣化に向けた日々の進捗に高い満足度を示していたこともわかりました。

この方法が習慣化のために効率的な理由は、個々人の経歴や経験にカスタマイズされるため、と推測されています。

なお、23種類のテクニックは、自分自身で任意に選択しても習慣化には影響を与えず、ランダムにテクニックを割り当てられたボランティアと同等の効果であったこともわかっています。

モチベーションも重要

習慣化のためにはモチベーションも重要です。

自己申告された習慣化に取り組むモチベーションのポイントがあがると、有意に習慣化されていくこともわかっています。

このモチベーションには2種類あり、①純粋に何かをしたいという欲求、と②長所と短所を慎重に検討した上で、何かを追求する価値があると信じられる分析的な欲求、です。

新しい習慣を身につけつためには、この2種類のモチベーション両方があることが良い、としています。

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人は問題解決を行うときに「足し算」の発想に陥りがちで「引き算」という戦略を見落としがち

人間は何かしらの問題を解決する時に、既存の何かを「引き算」するのではなく、新しい何かを「足し算」しがちです。
ソフトウェア開発等においても、既存の機能を削除するのではなく、新しい機能を追加し続ける傾向があります。
そして、これがクリエイティビティを抑圧している可能性があります。

問題解決における「引き算」の発想についての研究

こちらの記事において、問題解決戦略における「引き算」の発想について、人々が見落としがちである、として考察が行われています。

https://www.scientificamerican.com/article/our-brain-typically-overlooks-this-brilliant-problem-solving-strategy/

記事の例では自転車が挙げられています。

自転車の乗り方を覚えるために、昔は補助輪や三輪車を使うのが一般的でしたが、近年ではペダルのな自転車であるバランスバイクを用いて、自転車に乗るためのバランス感覚を身につけることが増えています。

バランスバイクの利点を考えると、早々に従来の方法に取って代わって良いように思いますが、非常に長い時間を要しました。
他にも、「引き算」で解決していたはずの問題が多く存在している、と指摘されています。

研究者たちは「人は問題に直面したとき、既存の要素を取り除くよりも、新しい要素を加えた解決策を選ぶ傾向がある、心理学的な説明があるのではないか?」と考えました。

問題解決の発想が「足し算」に偏ることの確認

研究者たちはまず、このバイアスが存在するかどうかを確認するために、対照群を設けない観察研究を実施しました。

1つ目は、91人のボランティアに色のついた箱を追加、もしくは削除することで形を対称にするように求めました。
その結果、「引き算」の戦略により問題を解決した人はわずか18人(約20%)しかいませんでした。

また、ある大学における651件の提案の中で、既存のルールや慣行、プログラムの廃止を伴うものは、わずか約11%しか存在しませんでした。

また、エッセイや旅程を修正する課題においても、同様の結果が見られたそうです。

いずれの場合においても、大多数の人が「引き算/削除」ではなく「足し算/追加」を選択しています。

人々はなぜ「引き算」ではなく「足し算」の発想に頼るのか?

それではなぜ、人々は「引き算」ではなく「足し算」の発想に頼りがちになるのでしょうか?

この点を調べるために行われた実験では、「引き算」の発想は「足し算」の発想より、脳のリソースを要するからではないか、としています(発想のための努力がより必要)。

実験は複数のものが行われていますが、ある実験では、レゴ・ブロックで作られた不安定な屋根を安定させるために、ブロックを追加、もしくは削除するよう求められました。
このブロックは、10セントで1つ追加、削除を無料で行うことができます。

実験では、「追加するブロックは1個10セントだが、取り除くブロックは無料だ」と伝えられたグループと、「追加するブロックは1個10セントだ」とだけ伝えられたグループに分けられましたが、手掛かりを与えられたグループは、与えられていないグループよりも多く「引き算/削除」の発想を用いました。

他にも、左右対称のブロックを作る課題では、練習の回数が増えると「引き算/削除」の発想が増えること、他のタスクも同時にこなさなければならない場合には「引き算/削除」の発想が減ることがわかりました。

仕事をする上で「引き算」の発想ができているか?

従来も、起業や組織が単純化より、複雑化を選択する傾向があることが知られていました。

上述の実験を考慮すると、「足し算」より「引き算」の発想で問題解決を図っていた方が良かった事例が世の中には多いのではないかと推測されます。

研究者は、新しく何かを行う方が評価されやすいことや、すでに時間やお金、労力を費やしてしまったものに投資を続けるサンクコストのバイアスに陥っている可能性を指摘しています。

リソースが限られている現代だからこそ、改めて「引き算」の発想で問題を捉えてみるのは良いかもしれません。

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クリエイティブな仕事をしている時に音楽を聴くとパフォーマンスが下がる

音楽を聴きながら仕事をするのが好きな人は多いでしょう。
そして、クリエイティブティが向上するか?と尋ねると賛否両論はあるでしょうが、「高まる」と答える人も多いでしょう。
この音楽がクリエイティビティを向上させる、という一般的な見方に対して、研究者たちは逆の効果がある、としています。

音楽を聴きながらクリエイティブな作業を行うと、パフォーマンスが下がることが示されているのです。

音楽がクリエイティビティに与える影響の研究

音楽を聴きながらの仕事については賛否両論があるでしょう。

セントラル・ランカシャー大学、スウェーデンのゲーヴル大学、ランカスター大学の心理学者たちは、音楽がクリエイティビティに与える影響について研究を行いました。
つまりは、賛否両論がある音楽とクリエイティビティの関係について、一定の答え(示唆)を出そう、という取り組みです。

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/acp.3532

被験者は全員が英語を母国語とし、視力や聴力等には障害はありませんでした。

研究は3つの実験で構成され、クリエイティビティを測定するために、一般的に用いられる課題に取り組んでもらいました。
課題は、3つの単語を提示し、その3つの単語と関連する1つの単語を見つけ出し、またそれらを組み合わせて共通の単語やフレーズを作る、というものです。

そして実験では、静かな環境条件と、次の3つの条件で行われました。

  1. (英語圏の人にスペイン語の歌詞の音楽など)外国語(聞きなれない)の歌詞が入ったBGM
  2. 歌詞(ボーカル)のないインストゥルメンタル音楽
  3. 被験者が理解できる身近な親しみやすい歌詞の音楽

また、3回目の実験では、「図書館の雑音」という条件で実験を行いました。
この条件では、意味不明の遠方からの話し声、コピー機の音、タイピングの音、紙のざわめきなどの環境音が参加者に流れました。

クリエイティブな仕事をしている時に音楽を聴くとパフォーマンスが下がる

実験の結果、音楽を聴きながら課題に取り組んだ場合、音楽のない静かな環境に比べて、クリエイティビティのパフォーマンスが著しく低下することが示されました。

そして、被験者が「気分が乗ってスムーズにこなせた。」と答えた場合であっても、パフォーマンスが低下していることもわかりました。
つまり親しみやすい音楽により気分が高揚したり、ポジティブな感情を抱いたとしても、実際にはクリエイティビティは低下するのです。

研究者たちは、これは音楽が言語的作業記憶(ワーキングメモリ)を混乱させるためではないか、と考えています。
一方で図書館の騒音ではパフォーマンスが低下しないことも示されており、図書館という安定したノイズ環境である「定常状態」では、その影響はクリティカルではないため、としています。

つまり、音楽のような状態変化が起きる騒音が作業記憶を妨げる可能性がある、ということです。

結論として、音楽を聴きながら仕事をする、という一般的に見られる習慣に疑義が投げかけられた、と言えます。
クリエイティブなパフォーマンスは明確に下がるのです。

なお、別の研究では、ホワイトノイズによる生産性向上効果にも疑義が投げかけられており、ノイジィな環境自体が仕事をする上では好ましくない、と考えるのが良いかもしれません。

ただし、音楽を聴くことによるメンタルヘルスと生産性の関連については不明である点には留意が必要です。

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冷たいシャワーを浴びると認知機能が向上する可能性がある模様

暖かいお風呂に入ることの効能は様々に知られており、認知症の予防や、睡眠の質の改善など、多岐にわたります。
冷たいシャワーを浴びることについても健康効果が知られており、病気になるリスクが減るという研究報告が出ています。
更に、冷たいシャワーを浴びると認知機能が向上する可能性についても報告がされています。

冷たいシャワーと認知機能の関係を調べる実験

ドイツの高齢者施設にて、冷たいシャワーと認知機能の関係を調べる実験が行われました。
皮膚刺激が認知機能に与える影響を、健康な老人ボランティアを対象に行われた形です。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10378499/

実験では24名の被験者(男性1名、女性23名)を無作為に2つのグループに分け行われました。

実験群では10秒間、10度から12度の冷たいシャワーを浴びた後に、首筋に10度から12度のウェットバックを利用した刺激が1分間与えられました。

対照群は、同様の手順と時間ですが、34度から36度の温水と中間程度の温度で実験が行われました。

認知機能の測定には脳電位の測定により行われました(認知機能が関係すると考えられている脳波が計測されました)。

冷水刺激は認知機能を向上させる

実験の結果、冷水刺激により認知機能が有意に変化する結果が示されました。

冷水刺激を与えた後、CFFは刺激の10分後に32.55+/-2.26/秒(mean+/-SD)から33.06+/-2.25/秒(p = 0.003)に上昇した。30分後のCFFは32.95+-2.3秒(p=0.043)とまだ上昇していた。冷水をかけた後のP-300潜伏時間は、266.5+/-21.1msec(平均+/-SD)から253.7+/-16.9msecへと4.8%減少した(p < 0.001)。温かい刺激を与えた後は、258.69+/-14.8msecから266.17+/-20.1msecへと増加した(p = 0.01)。P-300の振幅は、寒冷刺激後にのみ5%(p=0.004)の有意な上昇を示した。

この実験は少数の高齢者を対象としたものであり、実際の効果の程や若年層に効果あるのか等、不明な点は多々あります。

ただ、健康効果の存在も併せて考えると、冷水シャワーの有用性が推測されます。

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長時間労働は認知機能や記憶力の低下を招く

長時間労働が身心にダメージを与えることは広く知られており、日本においても「働き方改革」の名のもとに長時間労働の是正が各所で進められています。
フィンランド産業保健研究所の研究によると、長時間労働が健康被害をもたらすだけでなく、認知機能や記憶力の低下を招くことが示されました。

長時間労働と精神機能との関連を調べた研究

フィンランド産業保健研究所は、長時間労働と精神機能との関連について次のような研究を行いました。

研究ではイギリスの中年の公務員2,214人を対象に行われています。

1997年から1999年、また2002年から2004年にかけて、2回の調査が行われ、被験者は5種の精神機能を測定するテストを受講しました。

その結果、週55時間以上働いている人は、標準的な労働時間の労働者に比べて、推論力と語彙力を評価するテストのスコアが低いことがわかりました。

そしてこの影響は累積的なもので、残業時間が多い人ほどスコアが低いことが示されました。

つまり、より高い生産性を求めるためにハードワークを行うことは、結果として生産性を下げることにつながるのです。

なぜ長時間労働が精神機能に悪影響を与えるのかは不明

ただ、なぜ長時間労働が精神機能に悪影響を与えるのかはわかっていません。

研究者は、長時間労働の結果として、睡眠障害の増加やうつ病、不健康なライフスタイル、心血管リスクの上昇等が起き、これらにより引き起こされるのでは?としています。

つまり、ストレスを受けた結果として、巡って精神機能である認知機能や記憶力に悪影響を与えるのでは、ということです。

ストレス過多な状態が続くと「性格が悪くなる」ことも知られており、その結果として職場がギスギスして生産性がさらに低下することも容易に想像できます。

アルコール摂取量も増える

長時間労働の労働者は、標準的な労働者に比べて、アルコール摂取量が多いこともわかっています。

過度なアルコール摂取は健康被害をもたらすことも広く知られており、長時間労働が負のサイクルを生み出す要因になることが容易に推測できます。

研究者は、長時間労働を強要することは実際にはビジネスのためにならないということを経営者に伝えるべきだ、としています。

従業員が仕事と生活のバランスをうまく取れるようにすることは、ビジネス上の意義があるのです。

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睡眠不足は仕事の効率、つまりはパフォーマンスを低下させる

良く知られた話ではありますが、睡眠不足は仕事の効率を下げます。
一方で、週末に寝だめして睡眠不足分を補おう、という考えもありますが、こちらについて効果がない、ということはあまり知られていません。
今回は睡眠不足がパフォーマンスに与える影響について見ていきます。

睡眠不足は酔っているのと同じレベルでパフォーマンスが低下する

睡眠不足は仕事の効率、つまりはパフォーマンスを低下させる悪影響があります。

このパフォーマンスの低下は、一部の研究によると、ビールを1,2本空けた、ほろ酔いと同じレベルとされています。

https://www.forbes.com/sites/kellyclay/2013/09/04/didnt-get-enough-sleep-you-might-as-well-be-drunk/?sh=657e6bb010e2

睡眠不足分を、カフェインによる覚醒効果でカバーしようという考えが一般的ですが、生産性向上効果は限定的です。
単純作業の効率は確かに回復しますが、複雑な思考を要するタスクの効率は全く回復しないことがわかっています。

お酒を飲んで仕事をしてはいけない、というのは社会の常識となっていますが、睡眠不足にならざるを得ない位に仕事が多いのは何故なんでしょうね???

なお、仕事の効率だけでなく、もちろん勉強の効率も下げます。
社会人だけでなく、学生にとっても睡眠不足は大敵、ということです。

https://www.bbc.com/future/article/20180815-why-sleep-should-be-every-students-priority

16分程度の睡眠不足でもパフォーマンスは低下する

では、どれくらい睡眠時間が短いと、パフォーマンスの低下がおきるのでしょうか?

この答えは次の論文で研究がされており、その時間は16分程度からパフォーマンスの低下が起き始める、とされています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30905693/

研究では、IT系企業に勤める会社員130人を対象に行われ、睡眠時間とパフォーマンスの関係についてアンケート調査が行われました。
その結果、平均して睡眠時間が16分短くなるとパフォーマンスの低下が起きる、ということがアンケートの回答から示されました。

対象人数も少ないことと、アンケートによる自己申告によるものなので16分という時間の正確性については、まだまだ疑問があるものの、わずかな時間でも睡眠時間が短くなると悪影響を受ける、ということはわかります。

週末に寝だめしても睡眠不足によるダメージは回復できない

睡眠不足に対して、週末に寝だめして解消しよう、とする人が大勢います。

しかし、その効果ははっきりと言ってありません。

こちらで紹介されている研究で、寝だめによる認知機能回復効果について検証が行われています。

https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-2003652/Lack-sleep-Weekend-lie-doesnt-work-days-just-6-hours-sleep.html

そして、結論として、寝だめの効果をはっきりと否定しています。

眠気だけは確かに解消されますが、それによる認知機能回復は期待できない、ということです。
カフェインによる覚醒効果の話と一緒ですね。

この話は実は非常に恐ろしく、脳神経に物理的にダメージを与える、という研究もあります。

https://www.pennmedicine.org/news/news-releases/2014/march/penn-medicine-researchers-show

寝だめするよりも平日にちょっとでも良いので昼寝を

結論として言えるのが、寝だめをするよりも、ほんのわずかな時間でも良いので日中に昼寝をしましょう、ということです。

こちらのまとめでは効率的な休憩のとり方について記事をまとめています。

忙しい現代人は、短い休憩でもとることが難しい方が多いでしょうが、効率的な休憩のとり方を知れば、多少でも生産性をあげることができるはずです。

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「寝てないアピール」がプラシーボ効果で本当に寝不足と同じ悪影響を受ける可能性

「寝てないアピール」がダサい、ということは大分周知されてきています。
一方で、「寝てないアピール」がプラシーボ効果で本当に寝不足と同じ悪影響を受ける可能性についてはほぼ知られていません。
プラシーボ睡眠、プラシーボ寝不足の悪影響について見ていきます。

プラシーボ睡眠のポジティブな効果

睡眠不足はパフォーマンスに多大な悪影響を与えます。

それのみならず、リスク判断を歪める可能性や、認知症等のリスクの向上など、様々なデメリットが睡眠不足にはあり、この悪影響はカフェインの覚醒効果ではカバーできない、ということもわかってきています。

しかし、もしかしたら「よくネタ」と思いこむことがパフォーマンスへの悪影響を緩和できるかもしれません。

こちらの記事では「プラシーボ睡眠」について紹介しています。

https://www.theatlantic.com/health/archive/2014/01/study-believing-you-ve-slept-well-even-if-you-havent-improves-performance/283305/

プラシーボ睡眠の研究概要

研究では、学生達に前日夜の睡眠の質について10段階評価で報告してもらいました。

その後、研究者は学生達に実験の背景を説明するために、睡眠が認知機能に及ぼす影響について簡単なレクチャーを実施しました。
そのレクチャーでは、「成人は通常、睡眠時間の20〜25%をレム睡眠に費やしており、レム睡眠が少ないと学習テストの成績が低下する傾向があること、また、レム睡眠の割合が25%以上の人は、学習テストの成績が良くなる。」という虚偽の説明がされました。

また、脈拍、心拍数、脳波の周波数を測定する機器に接続され、「これらの機器により、前日夜にどれだけのレム睡眠をとったのかを把握することができる。」という、これまた虚偽の説明がされました。

そして、被験者一人一人に、16.2%または28.7%のレム睡眠をとったと伝えました。
(実際には脳波しか測定していないし、どれだけのレム睡眠をとったのかの計算もされていない。)

このような心理的なコントロールを受けた後、被験者は聴覚的注意力と処理速度を測定するテストを受けました。
(実験は2回行われ、実験の偏りをコントロールしながら、同じ条件の実験が繰り返された。)

プラシーボ睡眠、もしくはプラシーボ寝不足によりパフォーマンスが変わる

上述の実験の結果、レム睡眠が平均以上であると言われた被験者はテストのパフォーマンスが高いことが示されました。
また、レム睡眠が平均以下であると言われた被験者は、テストのパフォーマンスが低いことが示されました。

この結果は、被験者が自己申告した睡眠の質にフォーカス(自己申告による偏りを排除)をしても同様の結果が得られました。

つまり、実際の睡眠の質に関する自己申告よりも、研究者から与えられた「嘘の情報」に大きな影響を受け、パフォーマンスが変化したのです。

まとめると、「寝てないアピール」はプラシーボ効果で本当に寝不足と同じ悪影響を受ける可能性があるということです。

自分がどれだけ疲れているのか、口にすることはパフォーマンスに悪影響を与える可能性があることを考えると、「よく寝た」「元気だ」と口にする方が良いと言えるでしょう。
「寝てないアピール」は、マウンティングとしても効果がありませんしね。

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睡眠とパフォーマンスのTipsまとめ

睡眠とパフォーマンスのTipsに関する記事のまとめになります。

睡眠の質を高める

睡眠とパフォーマンス

睡眠と健康

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仕事の生産性についてまとめ

「仕事の生産性について」のまとめになります。

生産性Tips

ホワイトノイズ

マルチタスクの弊害

勉強の生産性

休憩のTips

人事採用・労務環境・福利厚生施策

オープンオフィス問題

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オープンオフィスの生産性についてまとめ

「オープンオフィスの生産性について」のまとめになります。

オープンオフィスの生産性について

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