マネージャーとはどうあるべきか?~その意味と役割、やるべきこと~

マネジメント・リーダーシップ

ある日突然、部長に呼ばれたと思ったら「マネージャーを任せる」と伝えられました。
この時、あなたはどう考えますか?どうしていきますか?
マネージャー教育というものがほとんど行われないこの日本において、マネージャーについた方々に向けて、マネージャーとはどうあるべきか?について解説していきます。

前半後半にわけて書いていき、今回は前半「その意味と役割、やるべきこと」についてです。

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忙しい人向けまとめ

  • マネージャーの役割はチーム全体で「成果を出すこと」
  • マネージャーというポジションは多くの情報が集約される「砂時計のくびれの部分」、情報伝達のキーパーソンと言える
  • 「部下に尽くす」と自己変革(自己洗脳)を行うのが重要
  • 着任後、短い時間でチームをグリップする、グリップに時間をかけるとチーム運営の難易度があがっていく

後半はこちら

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マネージャーの役割

マネージャーというのは砂時計のくびれの部分のようなものです。
チーム運営上、方針を含む必要な情報が経営者や部長から伝達される(集約されてくる)ポジションであり(場合によっては自分で取りにいかなければならない、こっちの場合の方が多いかも)、そして、得た方針や情報をチームメンバー一人一人に、必要な部分に絞ってサイド伝達する必要があります。
そして、現場の情報を経営にあげる必要もあります。
つまり、マネージャーのところで、経営の情報と、現場の情報が交差する、情報伝達のキーパーソンとなるわけです。
「砂時計のくびれの部分」という例えのイメージが湧いてきませんか?

その「砂時計のくびれの部分」のポジションであるマネージャーの最大の役割、それはチーム全体で「成果をだす」ことです。
そして、「成果をだす」ために、チームを適切に運用しなければなりません。

そのため副次的な役割として、次の役割を担う形になります。

  • 業績のコントロール
    チームの方針の策定
    策定された方針の遂行状況のチェック
  • 砂時計のくびれの機能
    経営・部長への報告
    部下への方針と情報の伝達
  • チームの運用と部下の育成
    部下の状態の把握と健康・モチベーション維持
    部下の育成、パフォーマンスの引き出し・引き上げ
  • 社内外との調整
    他部署や外部との交渉・政治

ようは、チームとして成果を出していくために、具体的な実務からは卒業し、新しいステージで仕事に向き合う、ということです。

次項からは、マネージャーのポジションに着任したらすぐにやるべきことについて書いていきます。

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マネージャーになったら即刻やるべきこと

意識の自己変革

まずは、自己洗脳してください。

マネージャーはチームメンバーのために尽くす、という意識を持つべきです。
マネージャーというポジションは、管理職としては最下層に位置するポジションですが、一般のメンバーにとってみれば、身近なだけで、あくまでも「上司」です。
高い地位についている人には、人々のために尽くす義務があります。
つまり、「ノブリス・オブリージュ」の精神です。

そして、一番距離が近い上司であるが故に、自然とメンバーにとっての「教師役」となる場合も多くなります。
あなた自身も、「あの人は自分にとっての人生の師だった」という人がいるかもしれません。
その時の「あの人」に、自分自身がなる可能性があるのです。
思い上がりでも構いませんので、自分の行動が部下たちの人生に影響を与えてしまう可能性もある、ということを意識し、部下たちの人生を良くするための、最大の支援者になるよう努めましょう。

また、常に有言実行であり、少なくとも自分が部下たちに言ったことは、自分自身が実行できなくてはなりません。
メンバーみんなにだけ求め、自分はやらない、となれば、信頼は当然に得られません。
スキル面においての不安があったとしても、必死に努力して、後から身に着けていけばよいです。
自分自身が体現していく、という意識をもって行動していきましょう。

これができるのであれば、必然的に次のステップ(部長への道)に進んでいくはずです。

チームのグリップ

次に、マネージャーというポジションとして何を成すのか?を決めていきます。

いわゆる「緊急ではないが重要なこと」について、何か最低1つは改革を起こす、と決めるのが良いでしょう。
そのためにチームメンバー全員との面談を実施していきます。

チームメンバー全員との面談によって、チーム全体の業務の流れと、一人一人の個性や考え方について大枠を掴みます。
業務の子細に入る箇所はメンバーに任せ、マネージャーは大枠を掴めばよい、という意識を持つのが肝要です。
(最近は、業務をやりながらマネジメントもするプレイングマネージャーがほとんどだが、それはマネージャーの本質ではない。)

メンバーたちの状況については、業務もそうですが、能力やモチベーション、体調、メンタルヘルス、家族の状況、そして将来やりたいこと・夢について、ばくっと把握します。
これらを知っていれば、コーチングやティーチングのやりやすさがあがる上、本人が不調のときに察知がしやすくなる、というメリットがあります。
プライベートな部分に入り込むので、無理に聞き出す必要はありませんが、聞けるのであれば聞いておいた方が、後々プラスになります。

なお、この際、(幸いにも)前任のマネージャーから引継を受けられた場合においても、あくまでも自分の耳で聞き、目で見て、判断するということが重要です。
これは、前任者が間違っている場合や抜け漏れがある場合もありますし、シンプルに前任者と自分は違う人間なので、やり方一つとってみても得手不得手がある場合も当然にある、ということです。

こうして、チーム全体の状況と、チームの方針と成すべきことを決めたら、部長に報告をします。
これは、なるべく早い方がよいでしょう。
この期間でこれだけのことをやる、とコミットし、期待値調整をしておけば、支援を得やすくなりますし、何かあった時の事故被害を軽減できる効果もあります。
社内政治の一種で、嫌う人もいるアクションではありますが、人間同士の付き合いなので怠けてはいけません。
この部長とのコミュニケーションは、定期的に行っていきましょう。
(なお、部長がダメだと思ったら、部長の上司、本部長なり執行役員とのコミュニケーションを密にしましょう。生殺与奪権をダメな部長一人に握らせておくのは危険です。)

そして、部長と握ったチームの方針と成すべきことを、チーム全体に共有したら、日々日々の進捗を追いかけていくフェーズに移行していくことになります。

最後に、チーム全体のことをグリップする上で重要なこととしては、早ければ早い方がよい、という点です。
人は慣れてしまったら、その慣れから逸脱する、つまりこれまでやってきたことを変えるのは心理的に拒否反応を示すものです。
これを変えるタイミングは、新任マネージャーの着任直後からわずかの期間だけです。
ここを逃すと、あとあとチーム運営のやり辛さがあがってしまうことは覚えておきましょう。

まとめ

これまで書いてきたことは「高尚」なことのように聞こえて、非常に難しいものであると受け止められてしまうかもしれません。
実際、難しいことです。

ですが、大事なことは、これをいきなり「全部完璧にやる」ことではありません。
「そうあろうと努める」ことこそが大事です。

マネージャーの頑張りは、部下たちに伝わります。
頑張っている人を応援したくなるのはあなただけではなく、部下たちもそうなはずです。

チームとはマネージャー一人の力によって作られるものではなく、自分自身も含めたチームメンバー全員で作っていくものです。
一人一人が、今は力足らずとも、成果と目標のために頑張り続けられるのであれば、自然とチームは出来上がっていくでしょう。

今回はここまでで、後半では「チームの運用と部下の育成」について書いていきます。

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