新型コロナウイルスの感染者数も落ち着いてきて、報道では緊急事態宣言解除も近いと言われています。
ここでは、人類に未曾有のダメージを与えた新型コロナウイルスに関連して、今後の推移が懸念される統計情報を見ていきます。
現在の関連倒産件数
帝国データバンクが5月22日に公表した、新型コロナウイルス関連倒産数は176件とのことでした。
(帝国データバンクより)
- 「新型コロナウイルス関連倒産」は、全国に176件判明(5月22日16時現在)
- 法的整理111件、事業停止は65件
- 業種別上位は「ホテル・旅館」(35件)、「飲食店」(21件)、「アパレル・雑貨小売店」(14件)、「食品製造」(13件)、「食品卸」(8件)、「建設」(7件)など
この数字(176件)は、私的整理も一部含まれているものの、これ以外に多く世の中で発生している実質的な倒産(私的整理のうち、自主廃業、投げ売り売却、夜逃げなど)は含まれていません。
法的整理は裁判所を通るため、TDPなどのデータに蓄積されますが、私的整理は実態がわからない場合がほとんどです。
倒産扱いにならない自主廃業を選択する事業者も多いため、実態、つまり「隠れ倒産」はもっと多いでしょうし、これから増えていくものと推測されます。
関連統計
懸念される統計一つ目
まず、懸念されるのが、自ら人生の幕を閉じられる方の人数です。
この統計は1998年より毎年3万人超に急増し、2010年頃を境に減少を続け、ここ最近は約2万人と改善が続いていました。
この数字の悪化が非常に心配です。
なお、1998年に急増した理由は消費税増税(3%⇒5%)の影響が大きいと言われています。
幸い現時点(2020年4月)では2019年より良好な数値になっています。
緊急事態宣言解除後も経済不況は続くと思われるので、今後の増加が無いことを切に願います。
完全失業者数、倒産件数統計
上記の引き金になる統計が、完全失業者数、倒産件数です。
完全失業者数、倒産件数はバブル崩壊(1990年~)を境に急増し、次のITバブル(2000年頃)の時期がくるまで悪化し続けました。
その後は改善の傾向がみられていたものの、次にくるリーマンショック(2008)で再び悪化します。
これらの数字と、自ら人生の幕を閉じられる方の人数は関連性が高く、相関係数としても失業者数とは0.89、倒産件数とは0.84(いずれもこの20年の数字との単純相関)となっています。
日経平均
日経平均も同様に見ていかなければなりません。
日経平均の数字は倒産件数(そして完全失業者数)と逆相関の関係があります。
自ら人生の幕を閉じられる方の人数とも、▲0.8の相関係数があります。
完全失業者数、倒産件数、日経平均といった統計数値について、明らかに悪化が予想される(既に悪化している)ため、最初の統計について、今後の推移が多いに懸念されるのです。
疾病関連の各種統計
さて、新型コロナウイルスに関連する各種疾病の統計です。
新型コロナウイルスによりおなくなりになられた方が世界で約34万人、日本では約900人弱とのことです。
一方、肺炎とインフルエンザの数字と比較すると、それぞれ下記のようになります。
次に、2020年5月23日までの感染者数、おなくなりになられた方の人数、トラジェクトリー解析をそれぞれ示すと次のようになります。
ロックダウンを行った国や地域封鎖を行った国と、そうでない国で大きな差異が見られない(場合によっては数値が良好)ということを踏まえつつ、各種疾病の統計をみて、どうしてもこれまでの対応に疑問を覚えます。
人類がとってきた選択がどこまで正しかったのか、これから総括が行われていくでしょう。
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