優先順位付けのマトリクスは、時間管理のマトリクスや難易度・成果のマトリクスなど、いくつかあります。
ただ、現実の実務では地味に使えません。
重要性低くてもやらなきゃいけないことはあるし、成果が出るのか出ないのかわからないことも多いからです。
ここでは、すぐに使える優先順位付けマトリクスの考え方について解説します。
一般的な優先順位付けのマトリクス
世の中には優先順位付けの考え方について解説している記事や書籍、サイトが多数あります。
有名所としては、時間管理のマトリクスや成果・難易度のマトリクスです。
時間管理のマトリクス
時間管理のマトリクスは下記のようなイメージです。
仕事において、重要性も緊急性も高いA領域にかかりきりになるし、
度々、C領域に時間を奪われて消耗してしまうけれども、
本当に重要なのは未来への投資につながるB領域だよね、という考え方ですね。
成果・難易度のマトリクス
成果・難易度のマトリクスは下記のようなイメージです。
成果が多く出て、難易度も低いB領域にフォーカスしましょう、という考え方です。
(なお、B領域は人が群がるのでレッドオーシャンになる、ということはスルーされがちで、A領域にフォーカスした方が、長期的には良いような気はします。後、D領域から手を出して、手軽に成果を出してステップアップしていく、という考え方も戦略としては大いにありだと思いますね。)
では、これらの考え方って、本当に有用なのでしょうか?
すぐに使える優先順位付けのマトリクス
既存の優先順位付けのマトリクスの問題点
もちろん、上記の優先順位付けのマトリクスは大事な考え方です。
やっていること、やろうとしていることが重要なのか、成果が大きいのか、達成確度が高いのか。
こういったことを考えながら取り組むことは、非常に大切であり、ただやみくもに仕事をしていては、時間も体力も消耗してしまいます。
じゃあ、現実的に実務で使えるのか?というと微妙なことも多くあります。
それは、下記のような要因からです。
- 一人で仕事をしているわけでは無いので、差し込み仕事や無駄な雑談は発生しがち
- 上司やクライアントがいる以上、自分の意志だけで仕事ができるわけではない
- やろうとしていることが成果がでるのか、どれくらいの確度で達成できるのか等、わからないことも多い
ようは、判断軸がまだ乏しい若い方や、判断の権限が低い場合には有用性が一気に低下するのです。
そこで、別の考え方が必要になってきます。
関係性マトリクス
仕事は自分一人で関係するものばかりでなく、人と共同して行うものが多いです。
人から依頼されるものや、依頼するもの。
そのような他者が絡む仕事は、アンコントローラブルな要素が増えるので、優先順位が高くなります。
そこで考えたのが関係性マトリクスというものです(ネーミングは適当)。
人に依頼するもの(されるものも含む)、そして特にその中でも時間がかかるものは、さっさと依頼しましょう。
このマトリクスのB領域は、何にも増して優先順位を高く持つべきです。
急ぎで時間のかかる仕事を依頼されたら、気分は悪いですし、迷惑です。
ですので、余裕をもって早めに依頼しておくことが重要です。
予定通り完了しなければ、最終的に被害を被るのは自分自身ですし。
同様にA領域もです。
ささっと終わるようなものでも、期日直前で依頼されたら普通に迷惑です。
人に依頼するB領域、A領域は本当に早めに依頼しておきましょう。
「なんだ、そんなことか。」
そう思われた方も多いかもしれませんが、誰かに何かを依頼する時って、若い内、経験の浅い内は、やらなければいけないのに地味に躊躇してしまうものです。
ただ、ボールをいつまでも手元に持ったままだと、仕事全体が停滞します。
会社も自分自身も被害を被ります。
この考え方は多くの会社や組織で、何故かあまり教わらないことが多いです。
「ボールはさっさと人に渡す」
このことを徹底するだけで、案外仕事がまわるようになります。
実践していない、できていない、と思う人は、とりあえずやってみてください。
ちなみに本記事の主テーマは「ベテランになると、当たり前のことに無自覚になってしまいがち」です。
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