コンビニの売上が6ヶ月連続で前年比マイナスだそうです

経営企画

日本フランチャイズチェーン協会にて主要コンビニの業績が公表されており、それにあわせていくつかのメディアが、6ヶ月連続で前年比マイナスとの報道を行っていました。
今回は、コンビニ業界で起きている事を概観していきます。

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6ヶ月連続の前年比マイナス報道

報道の内容は次の通りです。

日本フランチャイズチェーン協会が23日発表した8月の主要コンビニ7社の既存店売上高は、前年同月比5.5%減の9059億円だった。
(中略)
売上高、来店客数ともに6カ月連続で前年同月を下回った。

共同通信「コンビニ売上高5.5%減」より

これを見て、なるほど、コンビニ業界も大変なんだな、と受け止めるのは、まぁその通りだとは思います。

ネットの中には、24時間営業問題、フードロス問題、プラゴミ問題で逆風が吹いていた中でのコロナ影響だから、そもそもを見直さないと、と厳しい意見も出ていました。

この意見は一部の正しさはありつつ、もう少し数字を分解して考えてみた方が良いでしょう。

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コンビニの苦境は観光客減とリモートワーク影響

こちらの記事でも解説したのですが、基本的にコンビニの苦境は「観光客減」と「リモートワーク影響」が大きいです。

下図の通り、主要な観光地域、そしてビジネス都市において前年比マイナスが大きくでています。

ようは、観光客に支えられていた消費はコロナ影響により観光客が激減している事、ビジネス都市においてはリモートワークに移行した企業が相対的に多いであろう都市から労働者の姿が減った事、が影響しているわけです。

緊急事態宣言が明けた6月以降は、従前の勤務形態に戻った会社も多いのか、各地で消費が回復しつつあった、というのがこれまでの状況です。

(7月以降の数字は、9月末に8月分までが更新されるので、それを持って数字を集計して記事をあげます。)

コンビニという事業運営、そしてその経営母体に対するモラル的云々は、まぁあまり関係が無いと言って良いでしょう。

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コンビニ別に見てみる

コンビニ別に状況を見てみると、実は明暗がはっきりと分かれます。

下記はコンビニ各社が公表している業績資料を元に作成したグラフです。

各社公表資料より作成

セブンイレブン、スリーエフは今回のコロナ影響下においても影響を最小限に抑えて踏みとどまっています。

一方、ローソン、ファミリーマート、ポプラは著しいマイナス影響を受けている状況です。

規模の影響もあるのかと思いましたが、どうやらそうではなさそうです。

おそらく、どの領域の商品に力を入れているのか?が大きく影響しているのでは無いかと考えられます。

非食品、つまり食品類以外の商品については、各社とも取り組みの切り口は異なれど、一様に商品を取り揃えていますが、食品類は違います。

今回のコロナ影響下においては、日持ちのしない日配食品より、日持ちのする加工食品の方が、売上の下げ幅が小さいことがわかっています。

セブンイレブンは、日配食品より、加工食品が強い印象です。
(特に、パックのお惣菜類は非常に美味ですし、消費者から受け入れられるのがよくわかります。)

ファミリーマートも、「お母さん食堂」と言ったパックのお惣菜類はあるものの、店内調理品が多いのも特徴です(コンビニ内におけるファーストフード)。
ローソンも同様で、店内調理が多く、今回のコロナ影響下においてはマイナスに働いたものと考えられます。
(さらにローソンは、各種PB商品のデザイン改悪もあり、お惣菜類のマイナス影響は大きいものと思われます。)

ミニストップも店内調理を強く押していますね。
ポプラは全体の中途半端感がそもそも良くないものと思われます。
スリーエフの堅調は謎なのですが、地域毎のカスタマイズは他コンビニよりも柔軟に行われている印象なので、その柔軟性がコロナ影響下を最小限に抑えた可能性があります。


いずれにせよ、コンビニ業界の苦境は、しばらくは継続するものと考えられます。
特に、都心部、観光地のコンビに影響は地獄でしょう。

状況が改善されるのを座して待っていては、衰退するのみです。

如何に新たな価値を提案できるか?その魅力をPRできるか?
コンビニ各社の知恵の見せ所でしょう。

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