勉強にパソコンやタブレットPCを使うことが珍しくなくなり、勉強メモをキーボードで取る方も多いでしょう。
ここで疑念がよく指摘されるのが、勉強メモを取る上において、キーボードと手書き、果たしてどちらが良いのか?という疑問です。
結論から言うと、紙とペンを用いた手書きが勉強には有利です。
2つの研究を通して、その内容を見ていきます。
手書きの方が脳が活性化
数十人の若者に対して脳活動を調査した研究があります。
いわゆる“フード型電極”を装着して、キーボードによるメモ、手書きによるメモを両方行い、どちらが勉強に有利か?を調べたものです。
この研究では、手書きの方が脳の幅広い領域を活性化した(併せて学習効果も高かった)、というデータが取得できました。
キーボードメモは短期記憶に有利だが手書きは長期記憶に有利
もう一つの研究は、キーボードによるメモ、手書きによるメモの被験者を比較して、記憶の定着度を調査したものです。
この研究では、キーボードによるメモの方が、メモを取れる量が多く、また短期的には(具体的には学習直後)記憶の定着度が高い、という結果がでました。
しかしながら、24時間後には、手書きによるメモの方が記憶の定着度が高い、という逆転現象が起きることも併せて判明しました。
2つの研究から、勉強には紙とペンを用いて手書きによりメモを取る方が良い、ということがわかります。
デメリットも
もちろん手書きによるメモにも弱点はあります。
2つめの研究でも指摘されていましたが、メモを取れる量については手書きの方が少ない、また話すスピードに併せて脳内で整理する弊害か、重要なワードや文脈を整理しきれず、ポイントを落としていた例もみられるそうです。
つまり、手書きによるメモには高い集中力が求められるのですね。
勉強以外に仕事でもこの知見を適用しようと思うとどうでしょう。
通常の会議においては、網羅性が一定求められることを考えると、キーボードによるメモの方が良いと言えるかもしれません。
一方、記憶の定着度が求められるような状況、例えば研修等においては手書きの方が良いでしょう。
また、通常の会議においても、最後に内容のまとめや確認を取るプロセスを挟めば、手書きによる網羅性の弊害もクリアできるはずです。
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