いわゆる“成功”のためには、適切にリスクを取ることが必要とされています。
しかし、多くの方がマイナスのリスクを過大に評価し、現実実際の行動に移せていません。
ここでは、リスクを取れる能力を身に着けるためのヒントについて考えていきます。
チェスを学ぶとリスクを取る能力が高くなる?
好意を持っている人へのアプローチや、難しい仕事・新しいことへのチェレンジは、多くの人がやりたいと思うものです。
しかし現実には、マイナスのリスクを過大に評価し、“成功”を逃してしまう人が少なくありません。
この、いわゆる“成功”のためには、適切にリスクを取ることが必要とされていますが、では、リスクを取れるようになるためには、どのようなことが必要なのでしょうか?
非常に興味深い研究があります。
研究の内容は次のようなものです。
- 15歳・16歳のチェスをしたことが無い400人の学生を対象に研究
- 学生にチェスを教え、1年間にわたり認知能力を評価した
- チェスを学んだ学生はリスク回避の傾向が低減し、リスクを取れるようになった
- また、数学のスコアが向上し、論理的・合理的思考能力も向上した
- リスク回避低下の傾向は1年後でも維持されており、効果が長期的に持続することがわかった
ようは、チェスのような勝利のためには一定のリスクを取らなければいけないゲームを学ぶことにより、適切にリスクを取れるようになる可能性がある、ということです。
リスクは取るのが馬鹿馬鹿しいものもありますが、この研究では、取る価値の無いリスクについては適切に回避する、つまりはリスク評価のスキルも身についていたことが指摘されています。
一方、その他の学業成績や創造性、集中力等には有意な効果が無いとされています。
この知見を活かすには?
それでは、この知見を活かし、リスクを取れる能力を身に着けるためにはどうしたらよいでしょうか?
考えられることとしては、訓練、それも容易にリスクを取る訓練ができるゲームの類を練習することは良いかもしれません。
(なお、上の研究では、対象が若い学生でしたが、成人においても効果がある可能性は十分にあります。)
チェスに限らず、勝敗を決める類のゲームは、一定のリスクを取る必要があるものが多いです(運に頼るものは除く)。
また、ゲームの対象も、スポーツに広げることは考えられます。
例えばテニスのようなスポーツですと、技術もそうですが、一定のリスクテイクは勝利を掴むためには必要です。
仮に失敗したとしてもダメージが少ないものを教材に、リスクテイク、リスク評価の訓練を行ってみるのは如何でしょうか?
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