パフォーマンスを高くしたい、という望みは多くの働く人共通のものでしょう。
その内の阻害要因の一つが「気が散る」というものです。
ここでは、気が散る要素を如何に排除することが重要か、示します。
スマートフォンはそこに存在するだけで人のパフォーマンスを下げる
スマートフォンが身近になり、小さな端末で情報入手やエンターテインメントを楽しむこと、そして世界中の人々とのコミュニケーションが容易に図れるようになりました。
生活の中で、常にスマートフォンが側にある、という人も珍しくないでしょう。
しかし、このスマートフォンは人のパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性について、知っておく必要があるかもしれません。
こちらの研究では、スマートフォンはそこに存在するだけで人のパフォーマンスを下げることを示しています。
実験において数百人の被験者を対象に、集中力を要する課題を与える前提で、スマートフォンの存在がどれだけパフォーマンスに影響を与えるのか?が調査されました。
具体的には、被験者をグループ分けし、スマートフォンを机の上に置く、ポケットにしまう、バッグにしまう、別室に置く、シチュエーションを設定しました。
その結果、別室に置く > ポケットにしまう ≒ バッグにしまう > 机の上に置く、という順番でパフォーマンスが示されました。
また、追加の実験が行われ、スマートフォン依存に対する意識調査を実施し、同様の実験を行いました。
その結果、依存症であるという自覚が強い人ほど、パフォーマンスが低いことが示されました。
つまり、スマートフォンの存在が人の集中力を奪い、パフォーマンス低下を招いているのです。
気が散る要素がパフォーマンスを下げる可能性
こちらは別の研究です。
この研究では、数万人の外科医対象に約100万件の手術について、術後30日死亡率が調査されました。
患者は65歳~99歳の高齢者で緊急外科手術が対象です。
その結果、外科医の誕生日に行われた手術が約0.2%あり、その誕生日の30日以内の死亡率が約7.0%であったのに対し、全体平均では5.6%であることが示されました。
つまり、外科医の誕生日は、手術のパフォーマンスが明確に低下するのです。
これは外科医のライフイベントという、仕事とは関係のしない要素に気がとられてしまった可能性が示唆されます。
オープンオフィスはパフォーマンスを下げる
別の記事で、オープンオフィスが如何に従業員の生産性に影響を与えるのか、ネガティブな影響について示してきました。
オープンオフィスが従業員のパフォーマンスを下げる要因は端的に言って「気が散る」からです。
そのため、パフォーマンスだけにフォーカスした場合に、最も良いオフィス形態は「十分な広さがある個室」であることが示唆されています。
以上の通り、「気が散る」環境は、人のパフォーマンスに多大なる悪影響を与えます。
パフォーマンス高くしたいのであれば、スマートフォンの利用を制限したり(例えば通話のようなコミュニケーションツール以外、使えないような設定にする等)、騒音や過剰な光が無いような環境を構築する必要があります。
人の顔があると、それに気がとられるという研究もあるので、例えばどこかのアイドルのポスターや、その類の装飾品等も良くないと考えられます。
ずっと集中し続けることは土台無理な話なので、オンオフをスパッと切り替えるようなイメージで、パフォーマンスを高くしたい時には「気が散る」要素を徹底排除することが重要でしょう。
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