持家か賃貸か?程ではないにせよ、長く議論がされている話題に「MBAは役に立つのか?」というものがあります。
そして、理論を振りかざすだけで実務には役に立たない等々の理由で否定的に見られることが多いです。
この現状を改めてレビューしてみましょう。
以前にこちらの記事で自分自身の体験を元に同様のテーマで書いたのですが、今回は外部の記事を参照していきます。
MBAに対する賛否
こちらの日経ビジネスの記事では、MBAに対してその賛否を過去の記事を元に紹介しています。
簡単にまとめると、次のようになります。
- 否定:一般的なMBAでは科学的根拠は得られるが経験は得られない
- 否定:典型的なMBAは実務から切り離されている
- 否定:MBAの論文は学問的に評価されず、結果として教科書がアップデートされていない
- 肯定:立ち止まって体系的に経営学を学ぶことができる、直接仕事とは関係のないことも学ぶ必要がある
- 肯定:MBAにより理不尽に耐える精神力が見について、優秀な人材の牙を抜いた企業は今現在、右往左往している
- 肯定:ものの考え方が身につき実際の経営に役立った
ざっくりと言うと、理論先行で経験が追い付いていないのはよろしくない、ということなのでしょう。
海外では断定的に肯定されている
一方で、こちらの記事では借金する価値がある、と断定しています。
その論拠はMBAっぽいもので、MBAプログラム修了後の年収増加を考えると、2年後にはMBAにかかった負債(ローン)を所得が上回る、というものです。
確かに筆者も、MBAに要した費用は2年程度で上昇した収入でカバーしてしまいました。
企業側から見た時にMBAホルダーは使いづらいのかもしれませんが、MBAホルダー側から見れば関係がない、ということなのでしょう。
(筆者のMBA同期も、大体の人が収入が増加した、と言っています。また転職をした人が非常に多いです。)
やはり国内だとMBAホルダーは否定的に捉えられがち
しかし、やはり国内だとMBAホルダーは否定的に捉えられがちのようです。
例えばこちらの記事では「MBA取得者の多くは、経営者に向かない」としています。
その理由は次のようなものです。
「知識はある。知識は力の源泉だから、彼らは一定の役には立つし、弁も立つ。しかし人の心には通じていないことが多い。あまりにも多い。人が喜んで働くように働きかけるのがリーダーだから、人の心に通じていないようでは、経営者にはなれない。」
確かに一理あります。
「こうすれば高効率にもっとうまくやれる。」としても人は簡単には納得しないし動きません。
その意味で、冒頭の賛否の記事でもありましたが「経験」の重要性を再認識できます。
しかしながら、この主張を額面通りに受け止めるのは非常によろしくありません。
海外トップ企業のCEOの約31%はMBAホルダー
文部科学省が出している資料に次のようなデータがあります。
米国の上場企業の管理職等の約4割はMBAホルダーなのに対して、日本の企業の役員等は、大学院修了者が1割以下だというのです。
また、世界トップ500社のCEOの約31%はMBAホルダーなのです。
これらのことを考えると、日本と言う国が全体としてMBAホルダーを有効活用できていないだけなのでは?と考えるのが自然なように思います。
優秀な活用すべき人材を活用できていない日本企業の現状はどうなっているでしょう?
日本の経済状況はどうでしょう?
MBAホルダーに限らず、優秀な人材を活用しようという姿勢が日本には必要なように考えます。
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