年収が高い人ほど、歩行速度が速く、早歩きの割合が高い、という統計があります。
背景として、高年収の人は時間を大切にする、表現を変えるとせっかちである割合が高く、そのような結果になるのであろうとされています。
今回は年収と相関がある統計について、いくつか紹介をしていきます。
高年収の人は歩くスピードが速い
ドコモ・ヘルスケア株式会社がウェアラブル活動量計により収集した統計データにより、年収が高い人ほど、歩行速度が速く、早歩きの割合が高い、ということが示されました。
対象は19歳から77歳の男女で総計1,229人の統計データとなります。
調査では、ウェアラブル活動量計のデータと、アンケート調査を元に分析がなされました。
年収1,000万円以上の人の平均歩行速度は3.13Km/hであり、日本人平均の400万円以上500万円未満の2.69Km/hに比べると、約16%も歩くスピードが速いことがわかります。
早歩きをすれば年収があがる、という因果関係の話ではありませんが、高年収の人が如何に時間を気にしているのか、示唆されます。
(調査では、「年収が高い人ほど、せっかちな傾向が!?」としています。)
高年収の人は朝食を大事にする傾向がある
もう一つの調査はスムージーのメーカーによる、若干のポジショントークが入ったものになりますが、一定納得があるものです。
調査では、20代から50代の男女総計500人を対象に、年収と朝起きる時間、食事に対する意識等について調査がされました。
その結果、年収が高い人ほど、朝は早めに起きる傾向があること、また朝ごはんを一番大事にする傾向があること、がわかりました。
朝食は一日の活力の源であり、一定納得が行く話です。
(もちろん、そもそも活力があるから朝を早く起きれて朝ごはんを食べられるだけの余裕があるのじゃないか、という見解もあり得ます。「やる気」が一定程度、遺伝子に左右されるという示唆も別の学術的研究であり、その時点からして差が出てしまっている、という可能性は考えられます。)
高年収の人は読書量が多い。
こちらは有名な話です。
読書量と年収には相関関係があり、富裕層と年収300万円以下の人では次の図の通り、とてつもないまでの開きがあります。
こちらも上述の「やる気」問題が関係している可能性があるにはあるのですが、努力と「成功」には関係性があることが示唆されます。
(高年収であることが必ずしも成功であるとは限らないので、鍵括弧「」で成功という言葉を括っている。)
筆者は次のように主張しています。
時間がないから読書ができないのではなくて、「読書をしないから時間がない」のです。「時間がないから読書ができない」というセリフは、絶対に言ってはいけないことだと思っています。
疑似相関には注意
この種の話を見る時は、必ず疑似相関には注意を払う必要があります。
例えば、年収と体重の関係です。
リンク先のブログ記事では、年収と体重の関係について、疑似相関であることを紹介しています。
歳を取ればとるほど、活動的ではなくなりますし、代謝も落ちるので、必然的に体重が増えやすいと。
一方で、歳を取ればとるほど、年収は高くなる傾向が当然にあります。
このような関係を疑似相関であるとして、筆者は注意を促しています。
他にも、年収とワクチン接種の意欲の関係や、年収と語学力の関係も一定の疑いがあります。
つまり、歳が高いほど新型コロナウイルス感染症の脅威度が高く、積極的にワクチンを接種する動機が生まれます。
そして、繰り返しになりますが、歳が高いほど、年収は当然に高くなる傾向があります。
語学力は一見、グローバルに活躍ができるから、高い年収の仕事につきやすくなる、という風に見える可能性はあります。
しかし、語学力と学歴には一定の相関があることを考えると、この話はシンプルに学歴と年収の、周知の話なのでは無いか?と考えることもできます。
改めて、相関があるからといって、因果関係があるとは限らない、という点は意識したいものです。
分布についても意識したい
もう一つ注意点が。
この種の話をした時に、必ず「私、歩く速度速いけれど年収低いよ。」とか、「俺の知り合いで、全然本読まないで遊び歩いているけれど高年収な人がいるよ。」というような事を仰る方が出てきます。
「そういうとこだぞ」と言いたくなりますが、それはともかくとして、とりあえず、分布というものを意識してもらいたいな、と思います。
統計データというものは、必ず、このような観測データと生じる確率にバラつきが出て、そのデータ全体の中で平均というものが計算されます。
上述のようなツッコみをされても、まぁ、そういう人もいるだろうね、としか言えないのです。
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