前回、会計というスキルは経理だけのものではないですよ、普遍性の高いスキルですよ、という話をしました。
今回は、使える会計スキル、に入る前に、簡単にそもそもの会計の基礎について話をしようと思います。
小難しいかもしれませんが、ここを通過する必要がまぁあるので、頑張っていきましょう。
まずは、いきなりですが例題からです。
前回はこちらです。
さっそく例題に取り組んでみましょう
さて、先日、このようなツイートをしました。
ようは、いきなりインプットから入るより、アウトプットできない部分を明確にしてからインプットした方が良いよ、ということですね。
というわけで、さっそく例題に取り組んでみましょう。
問題1:財務3表とは
財務3表とは、(①)をあらわす「貸借対照表(BS)」と、(②)を表す「損益計算書(PL)」、(③)を表す「キャッシュフロー計算書(CF)」のことを指す。
- どのくらい利益をあげているか
- どのくらいの経営効率があるか
- 会社のお金の動き
- どのようにお金を集め、それを何に投資しているか
- 会社の資本の動き
問題2:貸借対照表とは
貸借対照表の右側は(④)を示し、左側は(⑤)を示している。
- 資金の調達元
- 資金の貸付先
- 資金の使用使途
- 資金の支払先
問題3:貸借対照表の右側の分類(1)
貸借対照表の右側の性質は、大きく分けて(⑥)(純資産)、(⑦)(有利子負債)、(⑧)(事業継続により無償で調達している資金)の3つに分類できる。
- 信用創造
- 他人の金
- 自分(株主)の金
- 利益の額
- 価値創造
問題4:貸借対照表の右側の分類(2)
貸借対照表の右側は、(⑨)と純資産(自己資本)の3つに分類されている。
⑨は返済期限が(⑩)以内か否かによって区別され、純資産は資本金(株主が振り込んだ金額)と(⑪)(過去の利益蓄積)に大別できる。
- 短期借入金、長期借入金
- 流動負債、固定負債
- 1年
- 5年
- 配当金
- 利益剰余金
問題5:貸借対照表の左側の分類
貸借対照表の左側は流動資産と固定資産(固定資産+投資その他の資産)に大別できる。
流動資産の主なものは、現預金、(⑫)、売掛金(売掛債権)、
固定資産の主なものは、土地・建物・工具器具備品、子会社株式、(⑬)である。
- 買掛金(支払債務)
- 在庫(棚卸資産)
- リース料
- 敷金・保証金
- 社債
問題6:設備投資と減価償却費
A社の今期の本社投資は10億円、これを10年で均等償却するものとする。
この投資にかかわる今期の減価償却費は(⑭)である。
減価償却の意味は投資時にすべての金額を費用として認識するのではなく、
その投資が有効な期間にわたって均等に費用按分するのが合理的というものである。
この金額は、損益計算書の(⑮)の項目に含まれる。
- 10億円
- 1億円
- 売上原価
- 販売管理費
- 営業外費用
- 特別損失
問題7:損益計算書の構造
損益計算書の中で、本業の利益を表す(⑯)は金利支払前の利益であり、
(⑰)は金利支払後かつ税金支払前の利益である。
損益計算書上の利益は会計上の利益であり、1年間に稼いだキャッシュの額とは異なる。
簡易的にキャッシュ創出額を計算するには、(⑯)に、
会計上は費用とみなされるか実質的に当期にキャッシュ流出を伴わない(⑱)を加算すればよい。
- 当期利益(純利益)
- 経常利益
- 営業利益
- 減価償却費
- 設備投資
問題8:キャッシュフロー計算書の構造と分類
キャッシュフロー計算書は、営業CF(営業活動の利益)、投資CF(設備投資に係る現金支出)、
財務CF(資金調達と返済)に分けられる。
(+)/(-)は資金の流入/流出を表す。
営業で利益を上げているが、将来のためにそれ以上の設備投資を行い、
不足分を銀行からの借入増で行っている企業Bのキャッシュフロー計算書は(⑲)に、
営業で利益を上げているが、設備投資は抑制して少額実施し、
余剰分を銀行に返済している企業Cのキャッシュフロー計算書は(⑳)となる。
- 営業(+)、投資(+)、財務(ー)
- 営業(+)、投資(ー)、財務(+)
- 営業(+)、投資(ー)、財務(ー)
- 営業(+)、投資(+)、財務(+)
解答
さて、どうでしたでしょうか?
会計にあまり触れていない多くの方にとっては小難しい内容だったかと思います。
とりあえず解答を示します。
問題1:財務3表とは
① どのようにお金を集め、それを何に投資しているか
② どのくらい利益をあげているか
③ 会社のお金の動き
問題2:貸借対照表とは
④ 資金の調達元
⑤ 資金の使用使途
問題3:貸借対照表の右側の分類(1)
⑥ 自分(株主)の金
⑦ 他人の金
⑧ 信用創造
問題4:貸借対照表の右側の分類(2)
⑨ 流動負債、固定負債
⑩ 1年
⑪ 利益剰余金
問題5:貸借対照表の左側の分類
⑫ 在庫(棚卸資産)
⑬ 敷金・保証金
問題6:設備投資と減価償却費
⑭ 1億円
⑮ 販売管理費
問題7:損益計算書の構造
⑯ 営業利益
⑰ 経常利益
⑱ 減価償却費
問題8:キャッシュフロー計算書の構造と分類
⑲ 営業(+)、投資(ー)、財務(+)
⑳ 営業(+)、投資(ー)、財務(ー)
できた方も、できなかった方も、
「自分は何をどこまで理解していて、何を理解していないのか?」
を明確に理解しておくと学習効率は高まります。
問題に対する解説は次回以降で順番ずつ出していきます。
本記事は管理会計基礎講座というテーマで連載を進めています。
次回は、財務3表の概要についての解説です。
その後の予定としては、貸借対照表(BS)、損益計算書(PL)、キャッシュ・フロー計算書(CF)、そして改めて財務三表のつながりについて、ざっくりとした見方やポイントについて解説する流れで考えています。
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