仕事中の“横やり”は本当に効率を下げるのか?

生産性・業務効率化

仕事中に、いわゆる“横やり”が入ると、集中力が途切れてしまい、効率を下げると言われています。
特にエンジニアやクリエイティブ業の方を中心に嫌われる、この“横やり”ですが、本当に効率を下げるのでしょうか?
明確な答えが無い問いですが、一つ示唆となる研究がありました。
どうやらケースバイケースのようです。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

“横やり”による仕事の中断がストレスに与える影響

興味深い研究があります。

ScienceDirect

研究の内容は次のようなものです。

  • 90人の参加者を対象とした
  • 保険会社勤務を想定し、実際のオフィス環境に似せた実験場を作った
  • 参加者には、紙の書類のデジタル化、販売数計算、アポイントメント等、様々な事務作業に従事
  • 実験では、標準となる業務に加え、追加のタスクを行う実験グループを用意
  • コントロールグループには、簡単な追加タスクを課し
  • 実験群には、面接の準備を行った上で、昇進に関わる面接を受けることが課された
  • この内、実験群は2つに分けられた
  • 実験群①は、定期的なアンケートと唾液の採取による“横やり”(業務の中断)が入った
  • 実験群②は、チャットメッセージにより、仕事の状況について即座に要約し共有するような“横やり”(業務の中断)が入った

この実験を通じて、ストレスレベルの測定が行われました。
結果は次のとおりです。
(ストレスレベルが大きい順に並べている。)

実験群① > 実験群② > コントロール

意外にも、“横やり”の度合いが大きい実験群②のストレスレベルが、相対的に“横やり”の度合いが小さい実験群①より低かったという結果が出たのです。

(より正確に言うと、ストレスホルモンと言われる「コルチゾール」の分泌量は、実験群②の方が実験群①より約2倍大きく出た一方、アンケート結果では逆転しており、ストレスを感じていないと評価されていた。)

スポンサーリンク

“横やり”がストレスを増やすことには変わりないが。。。

上述の実験結果に対し研究者の考察は次のようなものです。

1つが、コミュニケーションを人と取る事により、仕事に対する確信やコントロール感が高まったのではないか、というもの。

もう1つが、“横やり”が却ってその後に来るストレス(面接)に対して集中をそらす効果があったのではないか、というものです。

つまり、“横やり”がストレスを増やすことには変わりは無いけれど、認知の仕方によっては、相対的にストレスを感じない、もしくは軽減させることはできるかもしれない、ということです。


これらの結果や考察から現実のビジネスに使える知見は何でしょうか?

繰り返しになりますが、“横やり”がストレスを増やすことには変わりはないのですが、コントロールすることはできそうです。

何かしらプレッシャーが大きいタスクが控えている状況で、何かしらの“横やり”が避けられないのでされば、自分自身に対する肯定感を高めるような、もしくはその後に控えているタスクを忘れさせるような“横やり”を意図的に組み込むのは有りかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました