デスクワーク中心の仕事をしていて、頭しか使っていなかったとしても、身体がだるい、疲れた、という感覚を持った経験がある人は珍しくないでしょう。
その感覚、経験は実際に正しく、どうやら、頭の疲労は身体にも疲労を与えるようです。
英国ケント大学で行われた研究は、頭が疲れた被験者は身体的持久力が低下していることを示しました。
頭の疲労と身体の疲労の研究
英国ケント大学において、頭の疲労と身体の疲労の関係を調べる研究が行われました。
16人の被験者を対象に、90分間の認知タスクを行うグループ、もしくは90分間のドキュメンタリー番組の視聴を行うグループ(対照群)にわけて、その後の持久力を測定する調査が行われました。
持久力の測定には自転車が用いられました。
その結果、認知タスクを行い精神的に疲労したグループ(頭の疲労)において、対照群に比較して持久力が約85%にまで低下していたことが示されました。
この際、心肺機能や筋力などには影響がないことが示されました。
つまり、頭が疲労すると、なぜか身体も疲労していたということです。
アンケートにおいて、認知タスクを行ったグループは、持久力測定において、運動中の“努力感”が有意に高かったことも示されています。
このことは、頭の疲労が「頑張ろう」とする気力に影響を及ぼし、身体的な疲労感を覚える、ということを意味します。
疲れた帰ってきた日に、何もする気力がわかないのは必然、ということです。
早め早めの休憩を
別の研究では、たまりにたまった疲労は簡単に抜けないことが示されています。
研究では、95人の労働者を対象に、5日間の勤務中にとられた休憩について、その特徴が調べられました。
その結果、シフトの早い時間帯に休憩をとった場合、エネルギー回復の効率が高く、その後の仕事のパフォーマンスが高くなることが示されました。
また、効率の良い休憩により得られた仕事に向かうエネルギーは、健康面の改善、精神的疲労の軽減、仕事満足度の向上、シチズンシップの向上(組織のメンバーを支援しようという行動)等のプラスの影響を及ぼすことがわかりました。
なお、休憩の時間と頻度について、頻繁な短い休憩 > 頻繁でない長い休憩 > 頻繁でない短い休憩 の順でエネルギー回復の効率が変わることも示されました。
可能な限り、疲れた、と感じる前に早めに休憩を、そして休憩の頻度をあげることが重要です。
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