現在の株主総会は、8割程が一括上程方式で行われています。
時間管理のしやすさなどがありますので、今後、本格的に株主総会を運営していこうという会社は一括上程方式を選択すれば良いでしょう。
ここでは、一括上程方式の株主総会議事進行シナリオについて示していきます。
動議や不規則発言が発生した場合の、イレギュラー対応についてはこちらの記事も参照ください。
議長就任宣言
議長「株主の皆様おはようございます。
私は、代表取締役の〇〇〇〇でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
本日はたいへんお忙しいなか(またお足元の悪いなか)、弊社の株主総会にご出席いただきまして誠に有難うございます。
定刻となりましたので、私、〇〇より進行をさせていただきます。
〇月末現在、〇,〇〇〇名の株主の皆様からご支持いただいておりますことを、この場を借りまして御礼申し上げます。
定款第〇〇条の定めによりまして、私が議長をつとめさせていただきますのでよろしくお願い申し上げます。」
欠席役員報告(欠席が無い場合は省略)
議長「なお、本日の株主総会には取締役の○○○○氏は、病気の為止むを得ず欠席致しておりますが、なにとぞご了承たまわりますようお願い申し上げます。」
開会宣言
議長「それでは只今より株式会社〇〇〇〇第〇〇期定時株主総会を開会させていただきます。」
発言時期の指定
議長「本株主総会の議事運営につきましては、議長である私の指示に従っていただきますよう、ご出席の皆さまのご理解とご協力をたまわりたく、お願い申し上げます。
それでは、本日の流れについてご説明いたします。
はじめに監査役から監査報告をさせていただきます。
そして報告事項であります第〇〇期事業報告、(連結計算書類ならびに)計算書類の内容について、スライド資料(もしくは説明動画)を使いましてご説明申し上げます。
その後、今後のグループの方向性についても理解いただきたく、各事業取り組み事項として併せてご説明申し上げます。
次に決議事項を上程(じょうてい)させていただきましてその後に、ご質問を皆様から頂戴したいと思います。
最後に、決議事項のご承認をいただき、株主総会を閉会とさせていただきたいと存じます。
議事の秩序を保つため、株主の皆様からの動議を含めた一切のご発言につきましては、監査役の監査報告、報告事項および決議事項の議案の内容説明が終わりましてから、お受けいたしたいと存じますので、よろしくご了承たまわりたいと存じます。
それでは議事を進行させていただきます。」
株主の出席状況の報告
議長「本日の株主総会の目的である事項は、お手もとの招集ご通知〇ページに、記載のとおりでございます。
それでは最初に、本総会の議決権につきましてご報告申し上げます。
本総会において議決権を行使することができる株主様は〇,〇〇〇名、
総議決権の数は、〇〇,〇〇〇個でございます。
本日ご出席の株主様は、事前に議決権行使書をご提出の株主様を含めまして、〇,〇〇〇名、
その議決権の個数は、〇〇,〇〇〇個でございます。
従いまして、本株主総会は、定足数の定めのある議案の決議に必要な定足数を満たしておりますことを、ご報告申し上げます。」
(出席状況の説明は不要だが、質問されれば答えなければならない。また、定足数は、採決の時点で必要。そのため、この時点で報告する必要はないが、通常は既に決議に必要な分を満たしているはずなので、ここで両方併せて説明してしまう。)
監査役の監査報告
議長「それでは、報告及び議案の審議に先立ちまして、監査役より当社の監査報告をお願いします。
(引き続き、連結計算書類に係る会計監査人および監査役会の監査結果についても監査役から報告をお願いします。)
それでは〇〇監査役お願いします。」
監査役「私は、常勤監査役の〇〇でございます。
私ども監査役は、それぞれ監査を行い、監査役会において監査の方法および結果を報告し、協議いたしましたので、その結果を私からご報告申し上げます。
・・・略・・・
以上で監査報告を終わります。」
(監査役一同着席のまま礼)
計算書類・連結計算書類の説明
議長「報告ありがとうございました。
それではまず、報告事項であります第〇〇期事業報告・(連結計算書類ならびに)計算書類の内容についてご報告申し上げます。
おてもとの召集ご通知〇ページから〇〇ページに記載の内容でございますが、その概略につきまして、スライド資料(もしくは説明動画)を使いましてご報告申し上げます。
・・・略・・・
続きまして、〇〇〇〇年度の各事業取り組み内容についてご報告申し上げます。
・・・略・・・
以上をもちまして、第〇〇期事業報告、(連結計算書類及び)計算書類につきましてご報告を終わらせていただきます。」
全決議事項の説明
議長「それでは、引き続き決議事項のご説明に移らせていただきます。
お手もとの招集ご通知〇〇ページから〇〇ページに記載の決議事項の議案の内容をご説明申し上げます。
始めに、第〇号議案「剰余金処分の件」を上程いたします。
議案の内容につきましてはお手もとの招集ご通知〇〇ページに記載のとおりであります。
・・・略・・・を財源として1株あたり〇〇円の配当を実施したいと存じます。
次に第2号議案「取締役〇名選任の件」を上程いたします。
議案の内容につきましてはお手もとの招集ご通知〇〇ページから〇〇ページに記載のとおりであります。
なお本総会で選任されることを前提として、いずれの候補者からも取締役に就任する旨、事前に承諾を得ております。
取締役候補者は私、〇〇〇〇、〇〇〇〇、〇〇〇〇、・・・略・・・
社外取締役の〇〇〇〇氏、〇〇〇〇氏、・・・略・・・の〇名でございます。
〇〇〇〇氏、・・・略・・・は、東京証券取引所の定めに基づく独立役員の要件を満たしており、独立役員として届け出る予定であります。
また、〇〇〇〇氏、・・・略・・・が取締役に就任された場合には、当社は〇氏との間で会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結する予定であります。
当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、会社法第425条第1項に定める最低限度額とする予定であります。
次に第3号議案「監査役〇名選任の件」を上程いたします。
議案の内容につきましてはお手もとの招集ご通知〇〇ページに記載のとおりであります。
監査役候補者は〇〇〇〇氏、〇〇〇〇氏、・・・略・・・の〇名でございます。
本議案が原案どおり承認され、〇〇〇〇氏、〇〇〇〇氏、・・・略・・・が監査役に就任された場合には、当社は〇氏との間で会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結する予定であります。
当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、会社法第425条第1項に定める最低限度額とする予定であります。
・・・以下、繰り返し・・・略・・・
以上で、各上程議案のご説明を終わらせていただきます。
それでは、報告事項および決議事項に関し、質問状を頂いておりますので、これにつき○○取締役および〇〇監査役からお答え致します。
それでは、○○取締役からどうぞ。」
回答担当役員「取締役の○○です。
議長の指名により〇〇〇〇〇〇〇〇に対するご質問につき、私よりご回答をさせて頂きます。
・・・略・・・
以上ご説明申し上げました。」
議長「引き続き、〇〇監査役からお答え致します。」
監査役「・・・略・・・」
議長「以上書面によるご質問に対する、ご説明を終わらせて頂きます。」
一括審議方法によることの了承
議長「それでは、この後の進行方法ですが、円滑な議事進行をはかるため、先ほどご説明いたしました報告事項、そして第〇号議案から第〇号議案まで〇つの決議事項に関するご質問・ご発言をお受けし、最後に、決議事項につき、採決を取らせていただきたいと存じます。
この方法につきまして、ご賛成の株主様は拍手をお願いします。」
株主「賛成」(拍手)
議長「ありがとうございます。」
(役員着席のままでお辞儀)
議長「過半数の賛成をいただきましたのでこの方式で執り行わせていただきたいと存じます。」
質疑応答
議長「それではご質問をお受けいたします。
ご質問につきましては、報告事項、決議事項に関する内容でお願い致します。
ご質問いただく際には、まず挙手をしていただき、私から指名させていただきましたら、株主番号(入場票などがある場合は、その番号でも可)、お名前をお伝えいただき、要点を簡潔にまとめてお願いいたします。
なおご質問はお一人様お一つでお願いいたします。
(複数会場を用意している場合)恐れ入りますが第〇会場におられます株主様でご質問のある方はお手数ですが第〇会場までご足労願います。
誘導係の方は、ご質問をされる株主様を第〇会場まで誘導願います。
質問審議を終了しました後は、ご発言はお受けできませんので、ご発言を希望される株主様はすべてこの機会にお申し出頂きますようお願い申し上げます。
それではご質問を承ります。
ご質問はございませんでしょうか。」
株主「質問・・・略・・・」
議長「(質問を受ける。あくまで報告事項、決議事項の内容に関すること)」
報告事項、決議事項に関する以外のご質問を受けた後
議長「ここでは報告事項、決議事項に関する内容のご質問をどうかよろしくお願いいたします。」
株主様を指名する場合
議長「(例)〇区画の赤色のシャツの株主様お願いします。」
※右手で手のひらを上に向けて指名する。
(指でさしたり、ペンで指すのはNG)
ご質問に議長が返答する場合
議長「ご質問ありがとうございます。
どうぞ、お席におかけください。
ただいまのご質問は○○○○○○○○○○○○○○○○(質問内容を復唱)と承りました。
それでは私よりご返答させていただきます。
○○につきましては・・・・となっております。
以上でございます。」
※質問を復唱する、以上と終わりをはっきりとすること
ご質問に別の役員が返答する場合
議長「ご質問ありがとうございます。
ただいまのご質問は○○と承りました。
それではただいまの質問について担当取締役の○○よりご返答させていただきます。」
回答担当役員「取締役の○○でございます。
ご質問ありがとうございます。
さきほどご質問いただきました(質問内容を復唱する)につきましてご返答させていただきます。
○○につきましては・・・・となっております。
以上でございます。」
※必ず、名前を名乗る、質問を復唱する、以上と終わりをはっきりとすること
回答が終わったら次の質問に移る
議長「それでは次の発言を承ります。ご発言はございませんでしょうか。」
一定以上、回答を終えたら
(事務局からの合図をもって)
議長「たくさんのご質問ありがとうございます。
十分審議を尽くしたと思いますので、大変恐縮ではございますが、ご質問は後お二人までとさせていただきたいと思います。」
・・・略・・・
議長「さまざまなご発言、ご質問ありがとうございました。
それでは、十分に審議を尽くしたと考えますので、これをもって審議を打ち切り、決議事項の採決に移らせていただきたいと思いますが、賛成の株主さまは拍手をお願いいたします。」
株主「賛成」(拍手)
議長「ありがとうございます。」
(役員着席のままでお辞儀)
議長「賛成過半数と認めます。」
採決
議長「それでは、第〇号議案 剰余金処分の件の採決をいたします。
本案にご賛成の株主様は拍手をお願いいたします。」
株主「賛成」(拍手)
議長「ありがとうございます。」
(役員着席のままでお辞儀)
議長「事前に提出いただいております議決権行使書を含め、過半数の賛成により、本案は原案どおり承認可決されました。」(定款に記載されている評決数は要確認)
議長「次に、第〇号議案 取締役〇名選任の件の採決をいたします。
本案にご賛成の株主様は拍手をお願いいたします。」
株主「賛成」(拍手)
議長「ありがとうございます。」
(役員着席のままでお辞儀)
議長「事前に提出いただいております議決権行使書を含め、過半数の賛成により、本案は原案どおり承認可決されました。」
(定款に記載されている評決数は要確認)
議長「それではここで、選任されました取締役の紹介をさせていただきます。
まず私、〇〇でございます。よろしくお願いいたします。」
(取締役、起立)
取締役「〇〇です。宜しくお願いいたします。」
(取締役、着席)
(以下順に自己紹介、省略しても良いが、自己紹介した方が丁寧ではある)
議長「以上選任されました取締役〇名でございます。
宜しくお願いいたします。」
(取締役着席のままでお辞儀)
・・・以下、決議の数だけ繰り返し・・・略・・・
閉会宣言
議長「以上を持ちまして、本総会の目的事項は、すべて終了いたしました。」
(取締役、監査役、事務局一同起立)
議長「皆様のご協力により、滞りなくご審議いただきましたことを厚く御礼申し上げますとともに、引き続き変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
以上をもちまして〇〇〇〇株式会社第〇〇期定時株主総会は閉会となりました。
本日はお忙しい中(またお足下の悪い中)、ご出席たまわりまして、誠にありがとうございました。」
(一同礼、退席)
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