経産省「商業動態統計」にて、2020年4月のドラッグストアの販売額統計が更新されました。
その他業界とは異なり、大きく数字を伸ばしています。
また、地域のインフラとしても機能している面が見えてきました。
ドラッグストアの販売額概観
2020年4月のドラッグストアの商品販売額は6,161億円と前年同月比+10.4%の着地となりました。
グラフを見るとわかるように2回のスパイクがあります。
2019年9月は、消費税増税前の駆け込み需要による販売の伸びです。
前年同月比L21.8%なので、ものすごい数字ですね。
2回目のスパイクは2020年2月で、前年同月比+19.1%となっています。
この要因を先に書くと(商品別で見た方がわかりやすい)、買占め騒動の影響によるものと推測されます。
なお、店舗数別で見ると、ドラッグストアの店舗数は年々増加を続けていることがわかります。
販売額が全体として伸びている要因として、店舗数の伸びも指摘できるでしょう。
数字の伸び幅からして、ドラッグストアが地域のインフラとして機能していること、また、まだまだ需要がありそうだということが感じ取れます。
商品種別の販売状況
商品種別に見ると、明暗が分かれることがわかります。
まずは販売額の推移です。
食品と家庭用消耗品(トイレタリーやペット用品含む)がドラッグストアの販売額におけるボリュームが大きいことがわかります。
従来、スーパーが流通を担っていた商品なので、この点からも地域のインフラとして機能しているということを支持できます。
食品の伸びは、リモートワーク移行、外出自粛の影響により家庭内消費の増加によるものでしょう。
前年同月比で見ると、2月のスパイクの要因がわかります(推測がつく)。
衛生用品類(介護用品、ベビー用品)の伸びが顕著で、おそらく買占め騒動の影響によるものと考えられます。
他の商品類も概ね伸びているので、「せっかく来店(もしくは並んだ)したのならば、他のも買っていこう」「他の商品も品薄になってしまうかもしれない」という心理が働き、全体的に数字が伸びた結果になったのでしょう。
(衛生用品類のスパイクは2020年1月だが、衛生用品類はボリュームそのものは小さいです。
買占め騒動による品薄報道が広がり、それを受けて2月に不安に駆られた消費者が殺到し、幅広く様々な商品を購入していったものと考えられます。
また、2月はまだリモートワーク移行の影響も少なく、化粧品類のマイナス幅が小さいこともスパイクを大きくしている要因でしょう。)
面白い、と言っては不謹慎なのですが、かなり社会と人々の動きが反映されたグラフになっています。
地域別の状況
都道府県別に見てみると次のようになります。
大阪や東京は、リモートワーク移行の影響を受けているのか、マイナスの着地になっています。
東京の幅が小さいのは、マスクを探して来店した顧客が、(マスクが買えなかったとしても)他の商品も買っていったからなのでは、と推測されます。
大阪では、目的のものが無いのならば、素直にお店を出るという、地域毎の消費者心理が働いているものと思われます。
沖縄の動きはよくわかりません。
2019年まで、沖縄ではドラッグストアの出店ラッシュが続いていましたから、その反動減でしょうか?
この点は、わかったら追記していきます。
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