ちらほらと各所で話題が出るMBA。
華美な広告があちらこちら出てくる一方、やれ役に立たないとか、コスパが悪いとか、色々と言われたりしています。
今回は、このMBAについて、メリットがあるのか?役に立つのか?を筆者なりに解説していきます。
なお、MBA(Master of Business Administration)は、経営学修士のことで、大学院の修士課程を修了すると取得することができる学位です。
資格では無いですね。
ここでは、この辺の「MBAとは?」的な話ではなく、メリットはどうなのか?リアルに役に立つのか立たないのか?という話を書きます。
普通のブログだと、ここでアフィリエイトが入るのでしょうけれど、入れていないのでご安心ください。
かなりニュートラルに書いたつもりです。
世の中的にメリットはあるのか?役に立つか?
早速ですが、メリット、役に立つ、という観点について、次の5つの点で見ていきます。
- 昇進・昇給
- 知識・勉強
- 友人・人脈
- 転職
- 起業
昇進・昇給
間接的には役に立ちますが、直接的には役に立たないです。
ようは、会社内で昇進・昇給するには、それに見合う成果が出てなんぼなので、MBAをとったからどうこう、ということには、つながるわけがありません。
MBAで学んだことを仕事に活かし、具体的な成果に繋げられたならば、昇進・昇給する可能性は、当然に高まるでしょう。
なお、筆者個人としては、すぐにペイできました。
支払った学費分は、すぐに上昇した年収で回収できた形です。
ただ、これがMBAが無かったらどうなっていたのか?は不明なので、何とも言えないのは確かです。
知識・勉強
知識は確かにつきます。
MBAは標準では2年間の在学期間があり、その2年間で約3,000時間以上の勉強をします。
当然ですが、圧倒的に知識は増えます。
また、まわりが勉強する人ばかりなので、勉強をしやすい雰囲気、環境は手に入ります。
みんな必死なので、自分も必死になって勉強していても、バカにされることもありません。
(世の中には、必死になって勉強していると、揶揄してくる人が何故か発生します。不思議です。MBA内では当然、そんな人はいません。)
ただ、MBAで学べる知識自体は、AMAZONで売っている書籍や、YouTubeで配信されている各種ビジネス動画でも、まあまあな割合学べます。
その意味で、知識とか勉強とかの観点で言うならば、別にMBAである必然性はありません。
MBAで学ぶ効能としては、議論(ディスカッション)やグループワークにあります。
一人だと、やりづらい学習法を取り組めるので、その観点ではプラスです。
なお、MBAで学んだことを仕事で使わないよね、と言っている人は結構多い印象です。
これに関しては正直、学んだことを使っていないだけだよね感が凄くあります。
ようは、意識的に使うかどうかですね。
使わなければ、役に立ちようがないのは確かなので。
友人・人脈
小中高、そして大学。
各時代の友人たちで、今現在も付き合いのある人はどれくらいいますか?
ほとんどいないのでは無いでしょうか?(人にもよるし、社会に出てどれくらいの時間がたったかにもよるでしょうが。)
一方、MBAの友人とは強固なつながりができます。
私自身は、今でも付き合いのある友人が何人もいます。
いずれの方も、リアルにビジネスの現場で頑張っている方々なので、情報交換をするだけでも素直に役に立ちますし。
後、人脈。
これも増えますが、人脈に関しては知識同様、別にMBAである必然性は無いと思います。
別の手段、SNSでも、仕事のつながりでも、その他の手段による自力開拓でも、何とかなるので、ここを重視する意味は無いでしょう。
転職
結論、役に立たないです。
これまでの経歴の中で、何をやってきて、何を達成したのか?がポイントなので、MBAという学位は別に転職に寄与はしないです。
精々、第一印象自体は良くなるかも、相手次第だけど、程度でしょう。
それよりも、その会社に対して、どのような貢献ができるのか?という点の方がポイントです。
起業
MBAは知識は豊富に身に着けられるので、起業に必要な、そして会社を成長させていくのに必要な知識は当然に役に立ちます。
が、やはりマストではありません。
起業は小賢しい知識よりも、行動ありきの世界ですので、MBAで勉強してから起業しますっ、何て悠長なことを言っている位なら、さっさと挑戦した方が良いと思います。
後、結構な学費が必要ですので、その資金があるならば、それを資本金にした方が良いのでは、と思います。
筆者個人の感想
ここまで書くと、MBAというものに対して、ネガティブに捉えているように感じられるかもしれません。
では、筆者個人の感想です。
筆者は2014年に国内MBAに挑戦しました。
結論、やってよかった、と考えています。
まず、現実として、MBAってあまり意味が無いよね、という事をニュートラルに受け入れられています。
ある種、憧れ的に思っていたものに関して、そのモヤモヤを解消できました。
MBAにチャレンジしないで、意味無いよね発言をしても説得力が無いですし、言い訳チックです。
優秀な友人も何人もできました。
上述もしましたが、今でも交流があります。
めっちゃ勉強もしたので、当然知識も増えましたし、頑張った結果として1年次の首席をとったので、自信にもつながっています。
得た知識は実際のビジネスにも活用しているので、全くの無駄とも、個人としては思いません。
まあ、ポジショントークかもしれませんね。
どういう人が行ったらよい?
MBAに限らずの話なのですが、ようは役に立たせようとする意志があるかだと思うのですよ。
でその意味での結論なのですが、自信を持てるほど頑張ったのか頑張れるのか、誇りを持てるほど熱意を注いだのか注げるのか、が重要だと考えます。
この頑張りができる、熱意がある前提で。
- 勉強をしたいけれど、勉強の仕方がわからない
- 過去の学歴とかにコンプレックスがあり、それを乗り越えるイニシエーションとしたい
- 自分自身にプレッシャー(高額な出費や膨大な勉強時間)をあたえて成長の一助としたい
こういった人にはMBAは良い機会だと思います。
(上記は一例ですよ。やる気があって有効活用できる、という方なら誰でも意義があるでしょう。)
ごくごく普通に大学もそうで、適当にこなして適当に卒業することはできます。
大学と言う機関を使い倒す人がいる一方で、ただのモラトリアム期間として過ごす人もいるのと一緒で、本当に本人次第なのです。
一応、海外MBAと国内MBAのどちらが良いか?という観点で言うと、日本で働くなら正直どちらでもよく、コスパの観点で国内MBAだと思います。
(もちろん、人によりますよ。国内で外資系に務めていて、海外MBAがある方がキャリア的に有利だ、というシチュエーションも当然にあるでしょう。)
どうしても海外MBAの方が良い、というならば、最初から海外で就職した方が良いかと。
後、たまに中小企業診断士と比較する方もいらっしゃいます。
学習の範囲は被っているので、この意味でも、正直どちらでも良いと思います。
中小企業診断士も、独占業務は無いので、直接的には多くの場合役に立たないですし。
(中小企業診断士が役に立たない、という意味では無く、意識的に学んだことを活用しないなら、そりゃぁ有効に機能しないよね、という意味です。)
MBAに挑戦したならば
最後に、ではMBAに挑戦をしたとして、その際に気をつけた方が良いポイントについて書きます。
MBAはありていに言えば「ビジネス・スクール」です。
ですので、ビジネスで通用することが、わりかしそのまま適用されます。
その観点で、MBAで学ぶ際に気をつけた方がポイントは次の3つです。
- 論破に意味は無い
- クラス貢献をしよう
- できることにフォーカスする
論破に意味は無い
意欲のある人の集まりがMBAのクラスなのですが、彼ら彼女らも当然に人間です。
否定されたら、嫌な思いをします。
議論(ディスカッション)では知のせめぎ合いが多く発生するのですが、ここで相手を論破、打ち負かしても何も意味がありません。
ビジネスの現場でも一緒でしょ?
むしろ、例えば相手の出した意見・アイデアが微妙だと感じたならば、「ここのロジックは難点がありますね。どうしたらロジック補強ができるでしょう?」というような形で、相手を支援するような議論の運びの方が価値は高いですね。
良い意見・アイデアが出た場合も、競争意欲がメラメラ出るのは別に良いのですが、ここで勝とう!と思わず、相手を賞賛しつつ「もっとこのアイデアを良いものにする方法は無いでしょうか?あえて反論を言うとするならば、こういうデメリットもあります。」みたいな言い方の方が、相手も喜ぶはずです。
クラス貢献をしよう
上記でも、8割方触れてしまったのですが、ようは「クラス貢献」をしましょう、ということです。
クラス貢献は、上記のような、議論におけるポジティブな誘導もそうなのですが、みんなが知らない部分、自分の専門分野について、知識や経験をシェアする、ということでもできます。
表面的な知識や情報は、今の時代、本を読めば手に入りますし、ググれば大体出てきます。
しかし、血の通った経験・ノウハウまでは、流石に即座にとはいきません。
この、「血の通った」部分に対して、積極的にクラスに貢献する姿勢が重要です。
これも、ビジネスの現場でも一緒ですよね?
できることにフォーカスする
そしてこれも上記までで、8割方触れてしまっています。
ビジネスの現場では、商品を企画する人がおり、他には製造や調達、運営、営業、経理等管理部門、etc…と多くの職種の方々が共同して、一つの会社を経営しています。
MBAのクラスでも同様で、みんながみんな、何でも知っている超人、ということは100%あり得ません。
各々の得意分野・専門分野についてシェアし、お互いができることについてクラス貢献をしていくのが良い、MBAのあり方です。
何度も言いますが、これもビジネスの現場でも一緒ですよね?
後、若くて知識・経験が浅い方でもできることは多くあるはずです。
グループワークの日程調整をする、とか、資料をまとめる、とか、訪問先企業とのアポイントメントを取りに行く、とか。
知識・経験では、社会人経験が長い同級生にはかなわない部分が多く出てきてしまいます。
それは致し方ないので、自分ができることは何か?にフォーカスするのが良いです。
以上、MBAはメリットがある?役に立つ?について解説しきました。
書いて感じたのですが、この話って、本当に別にMBAに限らないのですよね。
役に立たせられるかどうかって、人生の大体において本人次第ですし、ビジネスの現場での考え方とMBAのクラス内での考え方って、ほぼ共通ですし。
その観点で総括するとMBAは非常に有用な学びの機会なのでは無いでしょうか。
はい、ポジショントークです。
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