2020年6月期時点、外食産業のコロナ影響の回復状況を見ていきます。
中華、寿司系、焼き肉は数字が戻りつつあるも、まだ▲10%前後の売上高。
回復途上にあるのが和風ファストフード(丼もの系)、麺類、ファミレス、喫茶、ディナーレストラン。
居酒屋/パブ系は未だ厳しい状況にあります。
資料出典は一般社団法人日本フードサービス協会です。
回復状況のグローピング
2020年6月時点での回復状況をグルーピングすると下記のようになります。
A ファーストフード-洋風
B ファーストフード-寿司系
B ファミレス-中華
B ファミレス-焼き肉
BC ファーストフード-和風
C ファーストフード-麺類
C ファミレス-洋風
C ファミレス-和風
C ディナーレストラン
C 喫茶
D パブ/居酒屋-合計
Aグループ:ほぼほぼコロナ影響を受けなかった
Bグループ:概ね数字が戻っているものの、未だ▲10%前後の回復状況
Cグループ:回復途上にあり▲40%~▲60%の状況
Dグループ:産業として危機的・壊滅的状況にある(▲40%ライン)
売上高前年比
Aグループの洋風ファストフード、つまりハンバーガー等は、コロナ影響に強く耐えていたものの、6月は数字が落ち込みました。
緊急事態宣言明け後、他業態に顧客が流れたのが要因でしょう。
Bグループの寿司系、中華、焼き肉系は、ようやく▲10%前後まで数字が回復してきました。
寿司や焼き肉は、ハレ要素があるので、緊急事態宣言明け後の解放ムードのなかで消費が回復したのでしょう。
中華は、お一人様需要に対応しやすい業態であり、ハンバーガーや丼もの系でルーチンをまわしていた顧客が流れたものと考えられます。
和風ファストフード、つまり丼もの系等は、元々、数字の落ち込みが激しくなかった業態なのですが、今一つ数字が回復しません。
そのためBとCの中間、という位置づけにしています。
安定して利用されてはいるものの、ビフォーコロナのような活況には戻らない可能性が高くなってきました。
▲10%前提で事業設計をしていった方が良い業態と考えられます。
Cグループは回復途上ですが、急激に数字が戻りつつあります。
7月の数字公表に期待です。
ラーメン系、ファミレス、ディナーレストラン、喫茶系です。
ただ、ビジネスエリアで展開しているラーメン系、ディナーレストラン、喫茶系は7月も回復は厳しいでしょうし、今後数字が戻るイメージが描けません。
早々に事業戦略の見直しを図った方が良いでしょう。
居酒屋/パブ系は非常に厳しい状態です。
ものすごく大きなくくりで、夜の街、としてネガティブな見方もされてしまっています。
ビジネスエリア展開しているお店も多く、産業として危機的状況にあると言えます。
お店そのもののバリューが無い所から、順々に消滅していき、最悪、従来の半分ほどまでお店が減る可能性があります。
客単価前年比
客数の前に客単価の推移を見ましょう。
この通り、概ね数字が正常化されつつあります。
ハンバーガー系は未だ好調ですが、こちらも数字が元に戻りつつあります。
消費者心理として、客単価に関しては、一定の落ち着きが見えたと言って良いでしょう。
客数前年比
上記の通り、客単価は概ね正常化しつつあります。
つまり、売上高に影響を与えている要素は客数です。
こうして見ると、Aグループのハンバーガー系も客数という観点では中々厳しい戦いをしていることがわかります。
客単価で稼ぐ方法にも限界があるでしょうから、今後、各社とも継続して厳しい生存競争環境に晒されることとなります。
ここが如何に回復するか?が外食産業の運命の分かれ道です。
7月も間もなく終わります。
この先1,2週間で主要な会社の数字は出てきます。
Cグループ、Dグループは、そろそろ限界に達する事業所がマジョリティになってくるはずです。
7月の数字の状況、注視が必要です。
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