百貨店販売額統計(2020年6月)

統計・経済

経産省「商業動態統計」の6月分が更新されています。
百貨店もコロナ影響から脱しつつあるものの、いぜんとして厳しい状態が続いています。

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商品販売額全体

まずは商品販売額全体です。

百貨店商品販売額全体 経産省「商業動態統計」より

商品販売額は4,259億円、前年比は▲18.4%の着地です。

4月5月は▲60%を下回る水準まで落ち込んだ状況を考えると、大きく回復しはじめています。

とは言え、小売のビジネスで▲18%は壊滅的なダメージであり、いぜんとして厳しい状態が続いています。
(消費税増税前の駆け込み需要の後の、大きな落ち込みに匹敵する数字。)

なお、百貨店という業態は、全体的には前年比マイナスを続けている状態にあり、業態構造自体に改革が求められていた点は指摘できます。
苦境の中、店舗単位では「遅かれ早かれ」という状況はあると考えられます。

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商品種別

次は、商品種別で見てみましょう。

百貨店販売額 商品種別 経産省「商業動態統計」より

衣料品、食料品、その他の3つのジャンルが概ね同規模で百貨店の売上を支えていることがわかります。

このグラフだけだと、状況が今ひとつ掴めないので、前年比を見てみましょう。

百貨店販売額前年比 商品種別 経産省「商業動態統計」より

こちらの通り、全てのジャンルで同じような推移で厳しい状態にあることがわかります。

家電小売のような給付金特需の伸びの特徴が出ておらず、給付金の流入先として、うまく営業ができていない様子が伺えます。

百貨店はECに対応しておらず(対面営業がバリューであったため)、今回のコロナ影響下でわざわざお店に行って買おう、という消費者が少ないであろうことは容易に想像ができます。
前年比が慢性的に続いている状況を鑑みると、業態として「オワコン化」が進んでいると言う人が出ていることも納得ができます。

百貨店販売額指数推移 商品種別「商業動態統計」より

指数で見ると、主力商品である衣料品が一番落ち込んでいることがわかります。
これはコロナ危機前からも同様の傾向です。

  • 安くて高品質なアパレルが多数存在すること
  • そしてリモートワーク移行により衣料品需要が減ること
  • ECへの対応不全

これらを踏まえると、百貨店における衣料品販売は、早急に改革が必要であることがわかります。

リモートワーク移行が進んでいくのならば、食料品の売上も落ち込むでしょう。
その他の商品についても、ECでの対応が容易な世界で、これに対応していないのであれば、将来があるようには思えません。

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その他内訳

ここで、その他の内訳も見ていきます。

百貨店販売額 その他内訳 経産省「商業動態統計」より

百貨店は、文字通り、多様な商品を販売しており、分類をすると細かいことになる「その他の商品」のウェイトが大きい事がわかります。
食器や芸術品をはじめとした、様々な商品です。

この領域は、軽く上述しましたが、ECへの対応も容易のはずなので、早々にEC上での販売を進めた方が良いでしょう。
EC上でも、情報量の充実や、チャットシステムの活用等により、上質な接客は可能なはずです。

百貨店販売額前年比 その他内訳 経産省「商業動態統計」より

なお、前年比の推移は上記の通りとなっており、家具や電気機器類を伸ばせていないことがわかります。
ようは、これも上述の通り、給付金特需を全く活かせていない、ということです。

地域別内訳

最後にエリア別の状況を示します。

どの地域もおしなべて苦境にあることがわかります。

百貨店販売額 エリア別の状況 経産省「商業動態統計」より

当該資料のまとめは、また2か月後位にアップデートする予定です。

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