2020年7月期時点、外食産業のコロナ影響の回復状況を見ていきます。
回復が進んでいるものの、その速度は鈍化しています。
ディナーレストラン、パブ/居酒屋系は依然として▲50%あたりの数字です。
なお、現時点で数字が各社出そろっていないため、主要な会社の平均としています。
(そのため、集計の項目も若干異なっています。)
2020年6月の集計は次の通りです。
回復状況のグローピング
2020年7月時点での回復状況をグルーピングすると下記のようになります。
A ファーストフード-洋風 ⇒ A
B ファミレス-焼き肉 ⇒ A
BC ファーストフード-和風 ⇒ A
B ファーストフード-寿司系 ⇒ B
B ファミレス-中華 ⇒ B
C ファーストフード-麺類 ⇒ BC
C ファミレス-洋風 ⇒ BC
C ファミレス-和風 ⇒ BC
C 喫茶 ⇒ BC
C ディナーレストラン ⇒ C
D パブ/居酒屋-合計 ⇒ C
Aグループ:ほぼほぼコロナ影響を受けなかったか、100%水準に回復した
Bグループ:概ね数字が戻っているものの、未だ▲10%前後の回復状況
Cグループ:回復途上にあり▲40%~▲60%の状況
Dグループ:産業として危機的・壊滅的状況にある(▲40%ライン)
売上高前年比
ハンバーガー系は安定して数字を出しています。
前回は回復途上だった焼肉系と和ファストフード、つまり牛丼系が100%水準に回復しました。
一方、寿司業態、中華系は回復が足踏みしています。
寿司業態は、緊急事態宣言開け後のハレ消費で一時的に伸びたものの、それが落ち着いた分の影響が出ているのでしょう。
中華系は、お一人様消費含めた行きやすさがある一方、とは言えの中で(新型コロナウイルス影響を考えると)家族等の集団で行きづらい業態と考えられます。
そのため、これまで来ていたお客様の層のまま変化が無かった、と言えるでしょう。
ファミレス系(和・洋共に)と麺系、そして喫茶系は、少しずつですが回復はしています。
ただ、それでも80%(前年比▲20%)前後に留まっており、回復の速度が鈍化しています。
最後、ディナーレストラン系、居酒屋/パブ系。
こちらも、少しずつ回復はしているものの、それでも50%(前年比▲50%)の状況で、相変わらず、絶望的なまでの厳しい環境に置かれています。
会社別に見ると、例えば鳥貴族はもう少しで80%にまで回復するので、会社・業態にもよるのですが、それでもまだまだ厳しい状況です。
客数前年比
客単価は概ね元の状況に戻っているので、売上高が下がっているのは客数の影響が大きい、という話は先月もしました。
各業態、本当に少しずつですが、回復をはじめています。
その中で、7月は焼肉が大きく回復しています。
6月に寿司系業態が大きく回復しており、これは上述の通り、緊急事態宣言開け後のハレ消費の影響が大きく、一方7月は落ち込んでいます。
ハレ消費が7月は焼肉業態に流れたもの、と考えるのが、一定自然でしょう。
客単価前年比
客単価の推移も提示しておきます。
なお、縮尺が売上高、客数の資料とは変えている(見やすさのため)のでご留意ください。
特徴的なのは寿司系業態です。
客単価が大幅に上がっています。
客数的には6月のハレ消費から落ち着きを見せた一方、7月は多くのお金を使う層が利用した形です。
2020年8月24日の日経新聞記事(外食の客足、復活の3条件 全国1万店データ分析)によると、下記の3条件が客足が戻るのが早いということです。
- ランチ
- 住宅街立地
- 少人数
居酒屋業態では、ランチ営業を行うと夜に来店しなくなる、という特徴があるのですが、一定、ランチ営業を考えていった方が良いのでしょう。
加えて、大皿料理に関しては小分けでの提供や、一人用メニューの拡充などに対応していく必要が出来るでしょう。
立地に関しては、如何ともしがたいでしょうが。。。
8月が中旬となりました。
本来であれば、お盆消費で地方の外食売上高が伸びる時期です。
これが大きく望めない状況のため、8月がどのような数字になるのか不安を覚えています。
加えて、Dグループのディナーレストラン、居酒屋/パブ系の地獄のような状況が継続している点。
もういい加減、一事業所、一個人で何とかできるラインを超えています。
数字は継続して見ていきます。
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