裏アカ特定サービスの存在を気にする必要は無い(求人求職両方)

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先日、「裏アカウント特定サービス」なるもののリリースがとある会社様より出ていました。
今回は、こちらに関して、その存在を気にする必要は無いよ、という話をしていきます。

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裏アカウント特定サービスが登場

ねとらぼって面白いですよね。

就活生の“裏アカウント特定サービス”が登場 88%の確率で裏アカウントを特定
企業調査センターが、2020年9月7日から新卒の求職者が作成している「裏アカウント」を特定するサービスの提供を開始すると発表しました。なんという無慈悲サービス。ここ数年、従業員によるSNSの問題投稿によって企業が炎上するケースが多発しており、採用側の企業が事前に候補者のSNSア…

それはともかく、企業調査センターという会社様より、SNSの裏アカウントを特定するサービスがリリースされました。
求職者に対して一種のリファレンスチェックを行いたい、という色んな企業のニーズに応える形で登場したのでしょう。

気持ちはわかります。
痛いほど。

私は経営企画領域を専門としていますが、人事もまぁまぁ噛んできました。
そのため、中々書きづらい酷い、本当に酷いとしか表現のしようのない方々とも接してきました。

そのため、少しでも採用リスクを減らしたい、という気持ちは重々理解できます。

しかし、それでもなお、この種のサービスに関しては否定的スタンスを取る次第です。

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裏アカウント特定サービスに否定的な理由3つ

否定的なスタンスをとる理由は次の3つです。

  • そもそもとして確実性が担保されていない
  • 人には裏表があって当然、表部分を律せられれば十分
  • 従業員に愛される会社を自信もって作ればよい

そもそもとして確実性が担保されていない

まず、そもそもとして精度が高く無いよね、という話です。

上記記事では、次のように記載があります。

企業調査センターが提供するサービスでは、この“裏アカウント”を88%の割合で特定できるとしています。本人だけではなく、友人など思い入れのある名前などから検索を実施することで高い特定率を実現したとのこと。

ねとらぼ「就活生の“裏アカウント特定サービス”が登場 88%の確率で裏アカウントを特定」より

88%、という数字をどう評価するのか?もそうなのですが。
もう一つ気になる文言も。

なお、この88%という数字は、SNSを一切使わない人も含んでいる数字だそうです。アクティブユーザーの多い新卒世代や30代~40代前半であれば、さらなる高確率で特定できるとしています。

ねとらぼ「就活生の“裏アカウント特定サービス”が登場 88%の確率で裏アカウントを特定」より

つまり、使っていない、という結論も含めての数字なので、実際の所の精度はもっと低くなるのでは?と推測されます。

実際の所の精度感は不明ですが、どんなに少なく見積もっても、仮に「良い」と思った人に対して、何かしらの“冤罪”をかけるリスクが1割程度存在するわけです。
逆もしかり。

本当にサービスとして信を起きますか?

人には裏表があって当然、表部分を律せられれば十分

次に、人のパブリック面とプライベート面の話です。

言うまでも無いと思うのですが、真に聖人君子なんて人、この世には存在しません。

当たり前ですが、人生の中で一回も愚痴を吐いたり、人の悪口を陰で言ったり、誰かにネガティブな感情を抱いたりとか、そんなの、極々普通にありますよね?
これは悪いという話では無くて、あって当然、それが人間の自然な姿だ、という事です。

わざわざ人様のプライベート面を除きに行って、「あの人はこんな人なんだ、やめておこう。」って発想としてどうかしていると思います。

いわゆる“バカッター”的なものを不安に思うかもしれませんが、そういう人を見極めるのが、やはり採用のスキルであり、そしてそのような事につながらないようにするのが教育の仕事でしょう。

従業員に愛される会社を自信もって作ればよい

最後に、一番厳しめな言い分を。

私は色んな会社様を見てきましたが、その分、転職口コミサイトなどにおける評判や、またそれこそ裏アカも多く見てきました(裏アカは別に見たくて見たわけじゃないですよ)。

その感覚値の話をすると、やはり会社に対する悪評や、裏での不満の声は、従業員側に問題がある場合も当然にあるにはありますが、大体において会社側にも大きな問題がある場合がほとんどです。
会社がしっかりとしているのなら、匿名での悪評、裏での不満は、やはり数が少ないです。

ここで言うしっかり、とは。

きちんと適法に労務管理がされている。
残業代が支払われ、有給休暇は問題無く取得できる。
企業はきちんと業績を伸ばしており、従業員は成果につながる頑張りに応じて、報われる環境が整っている。
従業員同士の間では、相互に尊重し合い、相互に助け合う文化が醸成されている。

このような、ある意味において、企業として当然の事を指しています。

そして、そもそもとして、しっかりとしている会社なら、それこそしっかりとしている人が残ります(逆に、“いるべきで無い人”は不思議と去っていく)。
何故か不思議な事に、会社に問題があると、不満分子(この表現の良し悪しは置いておいて)が多く在籍するのです。
(この不満分子については、元々そのような気質があったのか、それとも会社の状況からそのようになってしまったのか、は不明です。しかしまぁ、会社の状況と雰囲気が悪くなれば、不満が溜まって当然ですよね。)

ようは、裏アカウント特定サービスに興味関心を抱いてしまうという状況そのものについて疑問を持ち、会社としての改善を行った方が建設的なのです。


色々と書いたのですが、私の感想を端的に書くとこうです。

いや本当に。

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