良い質問の話~目的の明確化編~

生産性・業務効率化

質問力という言葉があります。
ようは、良い質問ができれば、諸々良い結果が待ってますよ、という事で、字面から重要なのは伝わりつつも、正直よくわからない、という人も多いのではないでしょうか。
今回は、この「質問力」「良い質問」について考えてみます。
一番重要なことは目的の明確化です。

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目的の明確化

結論として一番重要な事があり、それは「目的の明確化」です。

なぜならば、質問において様々なテクニックがあるものの、目的の明確化がされていないと、その各種テクニックの適用が難しいからです。

質問の目的には次のパターン、基本的な5種類が存在します。

  • 情報や知見の入手
    →迅速な必要情報の入手
    →調べても出てこない,理解しきれない知見の入手
  • 相手へのさりげない命令、依頼
  • 相手との関係性構築
  • 相手に気づきを与える
  • 相手をネガティブなメッセージを与える

内容説明に入る前に、1つ、大前提について触れておきたいと思います。

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ググろう

質問の前に、自分で調べよう

その大前提とは、質問する前に「ググろう」という話です。

(ググろう、は何もGoogle検索だけの事を指すのでは無く、各種書籍類の閲覧や、社内のナレッジ共有の調査,検索等々の、ありとあらゆる「調べる」媒体を含みます。)

これ、本当に不思議な事に、Google検索すらしない人が珍しく無いのです。

手元にあるスマートフォンで、ちょっと調べればよい事なのにです。

まずは何はともあれ、自分自身で調べてみましょう。

調べたら、質問の前に、自分の頭で考えてみよう

そしてもう一つ不思議な事に、「調べてもわかりませんでした。」という方も、決して珍しくないのです。

そしてこの「調べてもわかりませんでした。」は、よくよく聞いてみると、何も考えていない、というパターンが大多数です。
(わからないことを調べて答えにたどり着く、は調査力の話であり、今回のテーマとは異なるので省きます)。

調べたのなら、きちんと自分の頭で考えてみましょう。

この2点、まずは調べる、調べたら自分の頭で考える、です。
これは大前提中の大前提です。

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質問の目的について

ここからは、質問の目的について、です。

再掲ですが、質問の目的は次のように分類されます。

  • 情報や知見の入手
    →迅速な必要情報の入手
    →調べても出てこない,理解しきれない知見の入手
  • 相手へのさりげない命令、依頼
  • 相手との関係性構築
  • 相手に気づきを与える
  • 相手をネガティブなメッセージを与える

迅速な必要情報の入手

例えば、何か会社内に保管されている書類を探したいとします。
書類の管理簿のようなものはぱっと見存在せず、どこに何が保管されているかは、実際に探してみないとわかりません。

このような場合、闇雲に探すのは効率的でしょうか?
明らかに非効率だ、とわかりますよね。

「こういう書類を探しているのですが、知っていますか?」
「何か書類を探す方法、管理簿とか、書類の保管の棚割り表とかってありますか?」

上記のような質問を、担当っぽい部署や人に質問していくのが効率的でしょう。

調べても出てこない,理解しきれない知見の入手

これは、何かを知りたくて頑張って調べて考えたけれども、やっぱり出てこなかった、わからなかった、という類への対処です。
ようは、上記「ググろう」を通過した後の質問ですね。

この種の質問に関しては、具体的に何を知りたくて、これまでどのように調べて考えたのか。
その上でなお、これこれこういう不明点があって、この不明点を潰したい、はっきりさせたい、という形で質問すると良いです。

多くの方の場合、質問の種類として最も使用するのが、このパターンかと思います。

もう一度書きますと、下記4点を明確化しましょう、という事です。

  • 知りたい事は具体的に何か
  • これまでどのような仮説を持って調べたのか
  • 検索した内容について、どのように吟味を重ねたのか
  • 上記を踏まえてなお、残っている疑問点、不明点は何か

相手へのさりげない命令、依頼

これは例を出すのがわかりやすいでしょう。

「この書類のスキャンをとる時間ある?」

このように投げかけられたら、通常は「書類のスキャンをして欲しいのだな。」と受け止めるはずです。
タイトルの通り、相手へのさりげない命令ないしは依頼が目的の、質問形式のコミュニケーションという事です

コミュニケーションの一手法ではあるので、乱用は避けつつ、うまく活用しましょう、という所ですね。

相手との関係性構築

質問は、何も「知りたい事がある」から発するのではありません。

相手とのポジティブな関係構築のための質問もあり得ます。

様々な場面での、ちょっとした雑談や面談等で、「週末は何していたの?」「あれ、バッグ新しくした?」「将来は何かやりたい事あるの?」といった投げかけをする事があるかと思います。

これは、(ぶっちゃけ相手の事を知りたいとかそういう事を目的としているのではなく、あなたに興味がありますよ、というスタンスをとって)質問相手と何気ない会話を通して、親密になる事を目的とした質問です。
仕事においては、親密な関係性の方が、大体においてスムーズに物事が進みますので、特にマネージャー層において使用される質問パターンですね。

相手に気づきを与える

質問の中でも、特に高価値なのが、お互いの知見が高まる事です。

「このアイデアの実現は難しいのは確かだと思うけれど、どうしたらうまくいくと思う?」

何か実現が明らかに困難なアイデアがあったとして、これに対して「難しい、あきらめよう。」というのは簡単です。

しかし、もう少し粘って、「どうしたらうまくいくだろうか?」と投げかけ、質問相手と一緒に考えてみたらどうでしょうか?

もちろん、良い答えが出てくるとは限りませんが、出てくれば儲けものです。
お互いに、新しい気づきを得られ、知見が高まるからです。

他にも単純に、目的を見失っている人や、不安を感じている人に、気づきを与えるという目的でも使えるパターンの質問です。

「このお金は、どこから得られているものだろうか?自分たちの給料はどこから誰が出しているのだろうか?」
「不安に思うのはそうだと思うけれど、私は、君の実力なら達成可能だと思うよ。そう思わない?」

相手をネガティブなメッセージを与える

最後のパターンがネガティブ・メッセージの伝達です。

例えば、「目標の数字が大きく未達だけれども、どう挽回するつもりなのかな?」という質問です。

これは、もちろん目的を達成するための方法を問いてはいるのですが、質問相手に対する叱責の意味合いも大きく含んでいるのがわかるでしょう。

このように相手に対して“威圧”を与える事にも質問は使えます。
(まぁ、そう使いたいとは思いませんけどね。)

他にも、やんわりと断ったり、拒否する事にも使えます。

「この企画、色々検討したけれど、実現性がかなり低いと思うけれど、どうかな?」


以上が「質問力」「良い質問」の前提となる、質問の目的5パターンとなります。

質問におけるテクニック論は様々にあるのですが、まずは上述の通り「目的の明確化」をしっかりと意識しましょう。
繰り返しになりますが、質問の目的を明確化しないと、諸々のテクニック論を適切に機能させることが出来ないからです。

別の場所で、質問のテクニック論について触れたいと思います。

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