大戸屋の債務超過が拡大、コロワイドも自己資本比率が低下中

経営企画

コロワイドの傘下となった大戸屋が、コロナ影響も大きく、その債務超過が拡大しています。
親会社のコロワイド全体の業績も決して芳しくない状況。
今回は、両社の業績を概観していきます。

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大戸屋の債務超過が拡大

大戸屋の債務超過が拡大しています。
FY21_1Qが16億円のプラスの純資産で、同2Qが▲14億円の債務超過、そして同3Qで▲18億円という状況です。

㈱大戸屋ホールディングス 2021年3月期第三四半期報告書より

コロワイドの傘下に入った後、食材の調達等でコスト削減に取り組んでいるようですが、コロナ影響は甚大です。

月次の業績推移は下記の通り。

上半期合計で▲31%の前年比、下期も▲11%~▲31%で推移している模様です。

㈱大戸屋ホールディングス IRページより

ただ、減少幅を見ていると、世の中全体よりかは影響が大きい模様です。

下記の表は外食産業全体の売上高前年比の推移です。
大戸屋はレストラン業態ですが、純粋ファミレスでは無いですし、ディナーレストランでもありませんので、全体との比較なのですが、数ポイントから十数ポイント、世の中全体平均よりマイナス幅が大きいです。

一般社団法人日本フードサービス協会 データから見る外食産業より

やはり、TOB合戦の印象がよろしく無いのでしょうか?

とりあえず、親会社のコロワイドに優先株を発行して資金を調達し、債務超過を解消していく方針のようです。

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(参考)大戸屋とコロワイドのTOB合戦

大戸屋とコロワイドとのTOB合戦については、以下の記事で解説していますので、参考に。

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コロワイドの業績は?

それでは、コロワイドの方は大丈夫なのでしょうか?
当然、外食事業の会社ですので、コロナ影響は大きいはずです。

(そもそも、コロワイドは実態として債務超過状態なのでは?という懸念もあるようですが。)

コロワイドのFY21_3Q決算を見ていると、事業利益は▲83億円と赤字、純利益も▲63億円の赤字です(親会社帰属部分)。
親会社帰属部分の純資産は230億円ですが(資本金は292億円)、自己資本比率は8.7%と非常に低い水準です。

一方、Cash残高は366億円あるので、目の前の弾丸は何とかなる模様です。

㈱コロワイド 2021年3月期第3四半期決算短信より

FY22はFY21程のダメージにはならないでしょうから、赤字幅的に一応、いきなり数字上、債務超過にはならない感じです(FY21_3Qの営業損失が83億円で、資本金292億円)。

ただ懸念が無いわけではありません。

㈱コロワイド 2021年3月期第3四半期決算短信より

コロワイドは、約828億円ののれんを抱えています。

このまま各事業で赤字が続けば、のれんの評価も入るので、急転債務超過のリスクもゼロではありません。

いずれにせよ、コロナ影響がどれだけ早期に収まるのか、というアンコントローラブルな要素もありますので、何とか凌いでもらいたいものです。

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