組織というものはトップ次第で大きく変わる、ということは感覚的によく知られています。
トップの影響力について、重々承知している人は承知しているでしょうし、いやまさかそんな、と思う人もいるかもしれません。
トップの性格(CEOのパーソナリティ特性)が如何に組織の性格(文化的価値観)に影響しているか?
今回は、この点を示していきます。
CEOのパーソナリティ特性と文化的価値観との関連
複数大学の研究チームは、リーダーシップと、そのリーダーが率いる組織で生まれる文化的価値観との関連性について、実証的な調査を行いました。
つまり、CEOのパーソナリティ特性と、その組織のメンバーの間で共有される文化的価値観との関係についての調査となります。
調査の方法としては、32人のCEOを対象に、Big-five方式によるパーソナリティ特性および個人的な価値観測定を行った後、その32の組織の従業員467名に対しても組織文化に関連する価値観についての測定が行われました。
その結果、CEOのパーソナリティ特性と組織の中に共有されている文化的価値観が関連していることが統計的に示されました。
トップは自分の影響力を自覚した方が良いし、株主もトップの影響力を知った方が良い
この結果は、望ましい組織文化を作っていくためには、CEOのパーソナリティ特性が重要であり、如何に適合するか?という観点について真剣に検討が必要であろうことを示しています。
組織というものはトップ次第で大きく変わる、ということは感覚的によく知られていますが、この点を具体の分析でもって示された例はあまり知られていません。
企業としての純粋な成長しかり、変革しかり、何かしらの変化を達成するためには、組織のトップ自身の大幅な変化、もしくは人事的な変化が必要と考えられます。
トップは自分自身が組織に与える影響についてもっと自覚した方が良いですし、株主もトップの影響力についてもっと知り、経営に対してもっと発言をしていくことが望ましいと言えるでしょう。
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