人間の脳はネガティブな情報に反応しやすい構造になっています。
つまりは「ネガティブ・バイアス」が存在しているのです。
この理由は生物の歴史が関わっており、生存のための能力が背景にあります。
ネガティブな情報に強く反応することにより、危険から回避するよう、遺伝子に刻まれているのです。
人間の脳はネガティブな情報に反応しやすい
なぜ人間の脳はネガティブな情報に反応しやすいのか?
この問いに対して次の記事が解説をしています。
人々は例えば政治的なキャンペーンにおいて、肯定的なものより、否定的なものに反応しがちです。
ネガティブな情報に反応しやすい理由は、この構造と同じだ、としています。
人には「ネガティブ・バイアス」が存在しており、脳は不快な情報に敏感に反応するよう、できているとのことです。
この点については多くの研究がされており、記事では、被験者に感情に影響を与える写真を見せて、その後の脳の電気的活動の動きを観察する、という実験が紹介されていました。
米オハイオ州立大学で行われた実験ではポジティブな感情を与える写真、ネガティブな感情を与える写真、ニュートラルな感情を与える写真を被験者に見せて、その後の脳の電気的活動が記録されました。
ポジティブな感情を与える写真とは、フェラーリやピザの写真。
ネガティブな感情を与える写真とは、切り刻まれた人の顔や死んだ動物の写真。
ニュートラルな感情を与える写真とは、皿やドライヤーの写真、等です。
その結果、脳はネガティブな刺激に対して強く反応していることが示されました。
つまり、良いニュースより、悪いニュースに人の脳は反応しやすいのです。
ネガティブな情報に反応しやすい理由は生存のため
では、なぜ、そのような反応が起きるのでしょうか?
理由は、生物の歴史が背景にあります。
人類は生存のために危険から身を守らなければなりません。
そしてそのためには危険から回避するのが一番効率的です。
人の脳がネガティブな情報に反応しやすいのは、この点が関係しています。
ネガティブな情報に反応しやすいように進化した方が、危険を回避し、生存する確率が高まっていくのです。
つまり、ネガティブな情報に反応しやすい、というのは人にとって必要なことだったのです。
良好な人間関係のためにはポジティブな情報が必要
人類の生存のためにネガティブな情報に反応しやすいことが必要だった、のはそうだとして、現代社会においては弊害があります。
目に見えてクリティカルな危険は昔に比べてはるかに減っていることは説明は不要でしょう。
さらに、ネガティブな刺激が多いと、メンタルに悪影響が出ることも容易に想像がつくはずです。
しかし、人の脳はネガティブな情報に反応しやすいように出来ています。
多くの研究が、良好な人間関係のためにはポジティブな刺激が必要である、としています。
そして、そのための比率は5:1(ポジティブ:ネガティブ)とのことです。
例えば、良好な結婚生活を送っている夫婦のポジティブ:ネガティブ比率は概ね5:1でバランスが取れている、とされています。
人には「ネガティブ・バイアス」がセットされている、ということを自覚し、意図的にポジティブな刺激を相互に与えられるように努めると、周囲の人たちと良好な人間関係を維持できるでしょう。
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