経産省「商業動態統計」の6月分が更新されています。
前回の4月分から2ヶ月が経過し、どのように状況が推移しているのか、見ていきます。
コロナ不安需要が落ち着きを見せている一方、大阪や東京といったエリアの回復は途上です。
前回(2020年4月)はこちらです。
ドラッグストア販売額概観
2020年6月のドラッグストアの商品販売額は6,127億円、前年同月比+6.5%の着地となっています。
ビフォー・コロナから、ドラッグストアの販売額は伸長傾向にあったので、全体感としては平常時に戻ったという印象です。
店舗数も増加が続いています。
前回も書きましたが、ドラッグストアがいかに地域のインフラとして定着しているか、が読み取れます。
商品種別の販売状況
次に商品種別の推移です。
ボリュームの大きい食品の伸びが落ち着きを見せています。
食品の伸びとして、リモートワーク移行による家庭内消費の増加が指摘できますが、加えて食料品不足不安もあったものと推測されます。
つまり、今の数字の落ち着きは、保存食の溜め込みの一巡と、焦って購入に走らなくても食料品不足は発生しない、という安心感から来るものと考えられます。
前年同月比の推移で見ると、特徴的な動きが見て取れます。
食品、調剤医薬品は、もともと+10%前後の伸びを示していたので、その水準に落ち着いたと言えます。
OTC医薬品、健康食品も、もともと±0%前後で推移しており、その水準に戻った状況です。
一方、衛生用品・介護・ベビー用品(そして家庭用消耗品その他)は、高い水準で推移しています。
これは、市場に商品が潤沢になってきたことに加え、また品不足になるのでは?という不安を払しょくしきれないからではないかと推測されます。
第2波の影響と、年末には再度感染症が流行する時期になるので、消費者不安が反映されている、ということです。
とは言え、溜め込んでも消費ができるものでも無いですし、日持ちする物も多いので、来年あたりは反動減が出そうな印象です。
ドラッグストア業界においては、来期の事業計画を策定するにあたり、この点を織り込んでおくと良いでしょう。
化粧品・小物は、回復傾向が出始めている物の、未だ▲10%アンダーです。
これは、リモートワーク移行で固定化した企業の存在によるものでしょう。
今後、化粧品・小物は▲10%アンダーあたりの販売額が標準となる可能性があります。
地域別の状況
最後に地域別の状況です。
まずは前回の2020年4月の状況。
そして2020年6月の状況。
全体感としては回復している物の、都道府県別の状況は概ね同様ですので、サマリーしたものにしました。
相変わらず、大阪や東京は、リモートワーク移行の影響を受けているのか、マイナスの着地です。
沖縄の数字は、やっぱりよくわからないです。
大阪の数字は、割高な商品は買わない、という消費者心理が表出している点もあるのではないでしょうか。
店頭に商品が並ぶようになったとはいえ、ビフォーコロナに比べると、割高感は否めません。
リモートワーク移行もそうでしょうけれども、この点から来る、財布の紐の固さが影響しているのでは、と考えます。
大阪、東京が落ち着けば、ドラッグストア業界のコロナ影響は、落ち着いたと考えて良いでしょう。
当該資料のまとめは、また2か月後位にアップデートする予定です。
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