多くの人が、「いつになったら元の生活が戻ってくるのであろうか?」と考えていることでしょう。
しかし、おそらくですが、世界はもう、元の形には戻らないと私は考えています。
先日の記事に続き、何故、世界は元には戻らないのかを考えていきます。
ウイルスの恐怖が人類に刻まれてしまった
過去、世界が混乱に陥った経済危機は多々ありました。
例えばリーマンショックがあげられますが、この種の金融の世界の経済危機は、相対的に対策がしやすいと言えます。
一方、ウイルスが起因する経済危機はどうでしょうか?
疫病は古来より、人類の歴史に関わってきました。
中には、世界の勢力図を塗り替えるような猛威をふるうこともありました。
人類の科学技術は発展を続けており、疫病に関する知見も深まっています。
それでも、今回の事態は(何かしらの形で起きると予想されていたにも関わらず)防ぐことはできませんでした。
そして、今後も今回のような事態が起きること、場合によってはもっと脅威度の高いウイルスが蔓延することは、すでに予想されています。
加えて、新型コロナウイルスは、一定の鎮静化後も完全消滅をするわけではないので、何年かは感染者の発生とそこからの混乱が続くでしょう。
現状の人類ではウイルスへの完全対策はできないのです。
上述のように科学技術の観点だけではありません。
報道のあり方もそうですし、一人一人の人間のリテラシーやモラルもそうです。
そんな人類に、実態以上にウイルスに対する恐怖心が刻まれてしまいました。
この恐怖が特定国家や特定地域でおきたことではなく、世界中でおきているのです。
人類の生活がガラッと大きく変わってしまうことが予想されます。
今までのような生活には完全には戻れない
飲食店やスポーツ・ジム、ホテルやアミューズメント施設など、リアルな店舗が必要な業態には変化が求められます。
変化に対応しなければ、ビジネスの世界からの退場を余儀なくされるでしょう。
航空会社のような交通機関や、学校、イベント会場など、人が集まることが前提のビジネスもそうです。
経営の現場において経営者は「またウイルス騒動が起きたらどうしようか?」を考えるでしょう。
心配にかられ、固定費を増大させるような積極的な投資を控えるような傾向が続く可能性があります。
リストラも各所で行われ、すぐには人を採用できないでしょうし業容も縮小してしまうので、元に戻すに戻せない状態に陥ります。
もしかしたら1年後位には、はた目には元に戻ったように見えるかもしれません。
それでも、前年比マイナス〇%、というような状況が各業界で発生すると考えられます。
多くの企業がこの数ヶ月で倒産してしまうのは間違いがないでしょう。
数ヶ月や1年といった時間がたって、状況が表面上は落ち着いたとしても、人々の生活が完全に元の姿に戻ることは、もうありません。
ウイルスに対する実態以上の心理的な恐怖が刻まれてしまっているため、これまでのように大勢の人たちが集まってのイベントであったり、人々が大勢いる所への旅行のようなことに、忌避感をもつ人が増加しました。
リモートワークは労働者の既得権益となり、学校のオンライン講義とあわせて、「リモート」が当たり前の世界になるでしょう。
これまで、人と人が集まって行われていた当たり前の行為が無くなることはもちろん無いでしょうが、リモートで行われるようになることも新しい当たり前になるのです。
サービスや商品、お金、情報の動きが、これまで以上にデジタル上で行われるようになります。
デジタルで完結できたはずなのに、今までやっていなかった領域のデジタル化が一気に進行します。
人類が築き上げてきた社会や習慣に変化が起きるのです。
これまでの常識を変えて、新しい世界を積極的に作っていくしか生き残る方法はありません。
チャンスは多い
旧態とした企業は退場を求められるでしょう。
しかし、そこに産業は残ります。
これまでのサービスを新しい世界に対応させたサービスに作り替える、新規参入組にはチャンスばかりです。
若い人にも多いにチャンスがあります。
リモート化の進行を機に、ビジネスの現場のみならず、行政や大学などの旧態依然とした組織においてもデジタル化への対応が進みます。
それと共に、デジタルに疎い世代の力が弱まり、デジタル技術を使いこなすスキルをもった若い人の力が強まる可能性が高いです。
世の中に変革を起こす主導権を、中高年から若い人に移すチャンスなのです。
今この時の社会は、悲観的に見えるかもしれませんが、新しい世界はチャンスに満ち溢れていると感じています。
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