一般的にIQは不完全なれど、期待できる仕事のパフォーマンスを予測する指標として、ビジネス研究の領域では使われています。
しかし、現実問題として頭が良すぎる人とは付き合い辛いと感じる人も多いのではないでしょうか。
ここでは、IQが高すぎるとマネジメント上の問題が起きるかもしれない、とする研究を紹介します。
IQとリーダーシップ評価の関係
カリフォルニア大学の研究チームは次のような調査を行いました。
- 各分野、30ヵ国の男女379人のビジネスリーダーを対象とした
- ビジネスリーダー達はIQテストを受けた
- ビジネスリーダーの同僚平均8人に、ビジネスリーダーに対するリーダーシップについて、そのスタイルと効果を評価してもらった
ようは、IQと周囲が感じるリーダーシップ評価の関係が調査されました。
その結果、IQの高さとリーダーシップ評価はある程度の相関性がありましたが、一定ラインを超えると評価が下がるU字関数を描くということが示されました。
つまり、高すぎるIQはリーダーシップを発揮する場面で有害になり得る、ということです。
そして、その高いIQのラインは120を超える所にあるとしています。
この研究の取り扱いについて
過去の研究で、IQの高いリーダーがいる組織は、全体のパフォーマンスも高い傾向が示されていました。
また併せて、IQの高いリーダーによるリーダーシップ上の弊害についても示唆するものが存在しました。
上述の研究は、これらの傾向や示唆を確認するものです。
では組織は、IQの高すぎる人をリーダーとして雇ってはいけないのでしょうか?
それは完全なミスリードです。
重要なポイントは、IQの高いリーダーのどのような行動が、周囲の人たちからの評価を下げているのか?を理解する点にあると考えられます。
IQの高いリーダーの言葉は、ゴールにダイレクトすぎて言葉足らずになっているのかもしれませんし、頭が良すぎるが故に実効策が複雑すぎるのかもしれません。
シンプルに、違う人間だ、と思われて共感されていない可能性もあります。
このような、何かしらの分断を起こしている要因(そしてそれは一人一人異なるはず)を探り、改善のためのPDCAを回していくのが良いのでしょう。
なお、研究者は、「リーダーは自身の知性を使い、人を説得したり、インスピレーションを与えたりする言葉を紡いだ方が良い。」「自身の知性を適切にアピールしつつ、人々とつながりを持てる唯一の方法として、カリスマをまとうことが考えられる。」としています。
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