長時間労働や捌ききれない仕事量がうつ病の原因である、とよく言われていますが、果たしてこれは本当でしょうか?
心理学的な研究では、どうやらうつ病の原因は仕事量ではなく、上司の存在次第だ、ということが示されています。
経験的にわかっている人もいるかもしれません。
「仕事が嫌なんじゃない。人が嫌だから辞めるんだ。」
上司の存在とうつ病の関係
長時間労働や捌ききれない仕事量がうつ病の原因である、とよく言われていますが、こちらで示されている研究によると、どうやらうつ病の原因は仕事量ではなく、上司の存在次第だ、ということのようです。
デンマークの公務員4千人以上を対象とした2年間に渡る追跡調査の結果、驚くべきことがわかりました。
(複数の研究が行われ、うつ病と職場環境の調査では4,237名が、コルチゾールとの関係を調べた調査では4,467名が最初に参加した)
(調査では、従業員が職場で感じる不公平感についてアンケート調査が行われると共に、ストレスホルモンであるコルチゾールの濃度が調べられた。)
研究では、仕事量の多さは従業員がうつ病になるかどうかには影響しない、と結論付けられています。
山積みになっている仕事の原因ではなく、従業員のメンタルに最も悪影響を与えているのは、職場環境や管理監督者から不当な扱いを受けていると感じること、にあるとしています。
つまり、不公平な上司の存在が原因だ、ということです。
仕事量を減らすだけではメンタル改善は難しい
この事実はあることを示唆しています。
それは、仕事量を減らすだけではメンタル改善は難しい、ということです。
ここ近年は働き方改革の名の下に労働時間の削減が進んでいますが、うつ病、メンタル改善、という観点では効果が無いことがわかります。
うつ病の予防に重要なのは、従業員自身による職場環境に対する評価/フィードバックや、職場環境を変更できるか、という点にあると考えられます。
組織は、従業員に対して「適切かつ公平に扱う」というメッセージ発信が必要でしょうし、実態を伴った「透明性のある組織構造とマネジメントスタイル」を構築していくことも必要でしょう。
その意味で、変われる所は既に変わっているでしょうし、現状、そうでない企業に変化を求めることは難しいと言えるかもしれません。
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