人間という生き物は、普段は太古の時代からの生存本能としてネガティブな面を見ようとする傾向があります。
しかし、いざ現実にストレスにさらされるとポジティブな面を見ようとする傾向があります。
そしてその結果として、意思決定を間違える、ということが指摘されています。
睡眠不足について同様の指摘がされていましたが、ストレス環境でも意思決定を間違える、という事象が発生するようです。
人はストレスにさらされるとポジティブな面を見ようとする
次の記事で紹介されている研究では、ストレスと意思決定の関係について実験が行われています。
なんでも、氷水に手を数分間つけた被験者は、ポジティブな情報に注意を払い、ネガティブな情報を無視しようとする傾向があることが発見されたとのこと。
これは他にも、いきなりスピーチをするように指示した場合等においても再現がされています。
つまり、人はストレスにさらされるとポジティブな面を見ようとする傾向があるのです。
この結果は意外性があります。
というのも、人間という生き物は、普段は太古の時代からの生存本能としてネガティブな面を見ようとする傾向があるからです。
そこから考えると、ストレスにさらされたら「うまくいかないのでは」とネガティブ面により注目してもおかしくなさそうです。
しかし、実際には逆なのです。
ポジティブな面を見ようとした結果として意思決定を間違える
上述の事実はあることを示唆しています。
ストレスを感じている時、難しい決断を迫られている時、検討中の選択肢のポジティブ面にフォーカスし、ネガティブ面を軽視する可能性がある。
つまりは、意思決定を間違える可能性がある、ということです。
この傾向は女性より男性の方が強い
そして、これらの傾向は女性より男性の方が強い、ということが示されています。
男性がストレスにさらされると、リスクを取ることに積極的になり、一方女性がストレスにさらされた場合、リスクに対して保守的になります。
一般的に言われている、困難な状況下において、男性は闘争心や逃避行動をとる傾向があるのに対して、女性の場合は人間関係を改善しようとする行動をとる傾向がある、という他の研究とも整合が取れる話です。
確かに、太古の時代、狩りをしている男性がいざ猛獣と遭遇したとして、「やばい、食べられる。」とネガティブに考えて及び腰になるより、「よっしゃ、食っちゃる!」とポジティブに考えて積極的に戦闘に出たり、安全に狩りをするために適切な逃避行動をとる方が、狩りの成功確率や生存確率が高くなることが想像できます。
結論として言えることは、現代社会においてはネガティブ面もポジティブ面も適切に同程度のバランスを取ってフォーカスした方が良いだろう、ということです。
安全な世においては、冷静に情報を精査する方が、物事の成功確率は高まるはずです。
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