経産省「商業動態統計」にて、2020年4月のホームセンターの販売額統計が更新されました。
DIY用品や園芸用品など、外出自粛の影響を受けたものと思われる伸びが目立つ着地になっています。
一方、カー用品、アウトドア用品、オフィス用品は大きくマイナスしています。
ホームセンターの販売額概観
販売額全体としては、2,985億円と、前年同月比+4%の着地になっています。
ドラッグストアなどと同じく、大きく2つのスパイクがあります。
1つが消費税増税前の駆け込み需要で、もう一つがコロナ影響です。
コロナ影響とは、1月に起きた品薄報道に関連した、買占騒動によるものです。
グラフは掲載していませんが、店舗数は約4,360店舗で、ここ数年で若干微増も概ね横ばいとなっています。
前年比割れを起こしている月もあるので(消費税増税前の駆け込み需要反動を除いても)、日本におけるホームセンター需要としては、概ね現在のサイズ感と言えるでしょう。
商品種別の販売状況
商品種別で見てみると、ホームセンターの売上はDIY用具・素材と家庭用品・日用品が、大きく占めていることがわかります。
2020年4月は園芸・エクステリアも大きく伸びています。
これは、毎年4月5月は園芸・エクステリアの分野が伸びているので、例年のことと言えばそうなのですが、例年以上の伸びを示しており、コロナ影響を受けた、外出自粛による家庭消費の増加が大きく反映されていると考えられます。
(毎年4月5月は、季節的に園芸に向いていること、新年度にあわせて生活も新しくなり自宅を整える需要が伸びることなどが影響し、毎年伸びる。夏は暑く、冬は寒いし園芸に向いていない季節なので消費が落ち込む。)
前年同月比ベースで見てみると、DIY用具・素材、家庭用品・日用品、電気、園芸・エクステリア、ペット用品、その他商品で、+5%~+10%あたりの伸び幅となっています。
WEB会議の浸透でインテリア消費が伸びるかと思ったのですが、+0.3%という結果であり、それほどの伸びがありませんでした。
これは、少し予想外の結果です。
大きく落ち込んでいるのがカー用品・アウトドア用品、オフィス用品類です。
外出自粛、リモートワーク移行の拡大が大きく影響しているのでしょう。
地域別の状況
都道府県別に見ると、マイナスしているのは東京のみで▲24.0%となっています。
それ以外の地域は軒並みプラスの着地になっています。
大阪もマイナスになっておかしくはない、とは考えていましたが、大阪で働いている方は、居住地も大阪の場合が多いので、リモートワーク移行の影響を受けにくいことは指摘できます。
リモートワーク移行が固定化し、郊外や地方の居住を望む方が増えれば、東京のホームセンター需要は継続して落ち込むことが考えられます。
東京以外のエリアでは、むしろこの機会を活用する形で、DIYや園芸などの実用趣味を啓もう拡大する方向でマーケティングをすると良いかもしれません。
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