議論の質を高める反論のカルチャー~デビルズアドボケイトとシックスハット法~

マネジメント・リーダーシップ

会議をしていて誰も意見を述べない会議や、けんか腰の会議、誰かを「詰める」ためだけの会議を経験したことはありませんか?
反論は議論の質を高めるのに、有効活用されず、時間を浪費するだけのものになっている、そんな状況を多々見受けます。
今回は、反論を有効活用し、議論の質を高めるための方法について考えていきます。

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忙しい人向けまとめ

  • 議論、特に人と異なる意見、つまりは反論を述べることを苦手とする人は多い
  • 一人の人間の思考には限界があるため、反論は議論の質を高めて、高いレベルでの思考を可能にする
  • 会議においてファシリテーターは出席者に反論を促すと良い
  • デビルズアドボケイトという「あえての反論」で、賛成の立場であったとしても反論を義務付ける方法がある
  • シックスハット法で会議の出席者に役割を与えると、差し障りなく反論する環境を作ることができる
  • 反論がカルチャー化すると、会社を自走組織に変革することができ、強い組織になる
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反論に対するネガティブなイメージ

議論、特に人と異なる意見を述べることを苦手とする日本人は非常に多いです。

学校教育、というものが反論を苦手とする人を量産する環境になっていることもあります。
社会に出て会議の場で、声の大きい人だけがしゃべり、場合によっては詰められ、社会人としての入り口で苦手意識を持ってしまう人もいます。
否定的な意見ばかりを述べる人をみて不快感を感じることも珍しくなく、反論そのものに対してネガティブなイメージも抱かれがちです。
意見を述べられること自体を、人格否定と捉えてしまう心理的傾向もあります。

ようは、議論というものを「過激な議論」というイメージを抱いており、生産的な未来志向の「穏健な議論」を描けていないのです。

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反論は議論の質を高める

一人の人間が得られる情報や持っている知識、できる経験には限りがあります。
人間はバイアスにも縛られている生き物です。
どんなに賢い人でも、その意見が正しいとは限りません。

そのため、積んできたキャリア、それぞれの専門性、担当している業務など、異なる立場の人たち同士で意見をぶつけあうことによい、議論の質を上げ、高いレベルの思考ができるようになります。
反論はクリエイティブなプロセスであるため、有効活用した方が良い
のです。

ただ、上述のように、反論に対してネガティブなイメージを抱いている人は非常に多くいます。
では、どのようにすれば、反論を有効活用し、議論の質を高めることができるようになるでしょうか?

反論の有効活用方法

ファシリテーターとして、反論を促す

繰り返しますが、人の意見に反論をするのは勇気がいるものです。
そこで、会議をはじめとした議論の場そのものを反論しやすいものにする環境づくりが重要です。

ファシリテーターは、反論をしやすいように、会議の出席者に反論を促しましょう。
次のように促されれば、出席者は反対意見を述べやすくなります。

「この意見に反対の方はいますか?」
「この施策を検証するために、反対の立場で意見を述べて下さい。」
「アイデアをブラッシュアップするために、欠点を洗い出しましょう。」

それでも、意見を述べない人は一定存在します。
この場合は、反論自体を仕組化する方法が考えられます。

反論の仕組の導入~デビルズアドボケイトとシックスハット法~

「デビルズアドボケイト」という方法があります。
これは「あえての反論」という意味で、仮に意見に賛成の立場であったとしても、議論の質を高めるために、あえて反対の立場に立って意見を述べるディスカッションの方法です。

かの大前研一師(がオリジナルでは無いでしょうが)より教わった方法です。
コンサルティング・ファームであるマッキンゼーでは、反論はコンサルタントの義務として扱われていました。
賛成の立場であってもデビルズアドボケイトにより議論が活性化されるのです。

このデビルズアドボケイトを役割としてはめてしまう方法がシックスハット法です。
シックスハット法とは、会議の参加者に6つの役割を与えて、意見を述べてもらう方法です。

  • [白] 客観的・中立的:データやファクトに基づき客観的に考える役割
  • [赤] 直感的・主観的:直感、本能、感覚的な立場の役割
  • [黒] 否定的・悲観的:ネガティブにロジックを構築、リスクや失敗可能性で考える役割
  • [黄] 肯定的・楽観的:ポジティブにロジックを構築、プラス思考や成功可能性で考える役割
  • [緑] 創造的・革新的:クリエイティブなアイデアフルな立場、代替案を模索する役割
  • [青] プロセス管理・俯瞰・統括:ファシリテーターとしての役割

シックスハット法を採用する上で、会議の参加者は6人である必要はありません。
白と黒の役割を一緒にしたり、赤や黄色の役割を一緒にすることができます。
議論の内容に応じて一部の役割ははずして、その時々の重要な役割のみを設定することも考えられます。
ファシリテーター以外の全員が同じ役割になる場合もあるでしょう。

このように、会議の前提として参加者に役割を与えてしまえば、どうしても意見を述べ辛い状況において、意見を述べることが仕事になり、発言を促すことができます。
また、役割として発言していれば、議論に勝ち負けがなくなります(熱くなると、相手を言い負かすことが目的化する人が出てくるので)。

なんとなく会議の出席者を選んで招集をかけているファシリテーターは多いと思いますが、意識的に誰にどんな役割を担ってもらうのか?を考えれば、会議の質は劇的に向上するでしょう。

反論のカルチャー化ができたら強い

そして、上記のような取り組みを続けると、だんだんと慣れてきて習慣化されてきます。
習慣化されて、役割として反論を述べる癖がつけば、しめたものです。

反論をカルチャー化できた組織は非常に強くなります。
議論の質が高まることにより、会社の意思決定の質があがるだけではありません。

メンバーが自分の頭で物事を考え行動できるようになってくるのです。
自走組織の強さは、企業経営を行っている人ならばよくご存じでしょう。

反論のカルチャー化は、会社を自走組織に変革することが可能なのです。

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