休業要請緩和が見えてきた今考えるアフターコロナのスポーツジム

経営企画

東京都の休業緩和のロードマップで、スポーツジムがステップ2にカテゴライズされました。
休業要請緩和の具体性が見えてきて、苦しい営業状況にあった環境になんとか光明が見えてきました。
しかし、これで本当にスポーツジムの経営は救われるのでしょうか?

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スポーツジムはステップ2に入った

東京都が26日、新型コロナウイルス対応に伴う、休業要請、短縮営業要請に関して、緩和の工程をしめすロードマップを提示しました。
そのロードマップの中で取扱いが混乱したのがスポーツジムとカラオケ施設です。

当初、スポーツジムやカラオケの取扱いはステップ3の先におかれ、全面解除後に営業を再開できる、としていました。
理由としては、クラスター発生の前例があるから、リスクが高いであろうというもので、あまりロジカルな根拠ではありませんでした(余談:これも誹謗中傷にあたるのであろうか)。

これが今回、スポーツジムはステップ2に、カラオケ施設はステップ3に区分されるということになりました。
25日に国が基本的対処方針を示したことで、東京都がそれにあわせた形になります。

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そもそもスポーツジムは3密なのか?

ただ、そもそもとしてスポーツジムは3密なのでしょうか?

3密とは、密閉、密集、密接のことです。

密閉は、窓がなかったり換気ができなかったり施設です。
密集は、人が大勢集まったり、少人数でも近接した距離で人が集まることです。
密接は、互いに手が届くような距離感で会話などを行うことです。

つまり、入場制限を行ったり、換気を徹底したり、人気のあるトレッドミル(ランニングマシン)などを一部使用禁止にして人と人との距離感が保てるようにしたりと、対策をきちんととれば3密の環境ではなくなります。
また、多くのスポーツジムでは、消毒液と使い捨ての布巾などが設置されている場合が多く、(少なくともマナーが良い利用者は)大体使用後に使用した器具類を清掃するものです。
当然、利用前に自分で清掃することも可能です。

私が知っているあるスポーツジムでは、時間帯を区切った予約制と人数制限を採用し、また利用するスペースについても制約を設けて営業を続ける工夫を行っています。
加えて、マスクの着用と、入館前の手洗いと消毒、体温測定を行い、さらに換気も徹底した環境を構築していました。
人数を制限することにより、お互いがルールを守って運動することを監視できるという点もあり、これらの対応に全く問題を感じません。

もちろん、地下の立地であったり、格闘技など密着することが前提のスポーツ、水泳など水を媒介するようなスポーツなどでは、できない対応もあるでしょう。

しかし、上述のように、かなり柔軟に判断できるビジネスであるはずなわけなので、そもそもとしての対応に疑問が残ります。

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これでスポーツジムは救われるか?

ともかくとして、なんとか営業再開の目途がたったわけですが、これでスポーツジムは救われるのでしょうか?

結論としては、しばらくは非常に厳しい状況が続くと言えます。

3月はもともと、人生の転換が多い季節でもあり、スポーツジムの解約が多い月と言えます。
地域にもよるのですが、1割から3割程度のレンジで解約が発生するのが例年の数字です。

しかし続く4月は新しい年度がはじまる月です。
心機一転なのか、上記1割から3割の解約分に相当するだけの新規入会者が来るのも例年の数字です。
これで、会員数はイーブンに保たれるわけですね。

これが今回の新型コロナウイルスの影響により、状況が大きく変わっているという声を多く聞きます。

いくつかヒアリングするに、解約が3割から多い施設では5割を超える規模感で発生し、更に休会も多く発生しているというのです。
そして、本来新規入会があるはずの4月で、全く会員が増えず(営業をしていない、もしくは大幅に規模を縮小しているので当然なのだが)、売上規模としては▲80%~▲100%程度の減少、という状況に陥っているのが、この4月5月の動きということです。

休業自粛解除後も、いきなりすぐに顧客が戻るとは思えず、仮に順調に戻ったとしても前年比8割程度で推移するのではと考えられます。
そして、多くの識者が予想しているように、第二波が来たら、この危機をなんとか乗り越えられた事業者も、ついにいよいよという状況に陥る所が増えるでしょう。

オンライン指導にどれだけ移行できるか、しかし過度な期待はできない

上記のことは、多くのフィットネス関係者が理解しており、今注目を浴びているのがオンライン指導への移行や導入です。

飲食店においても、元々宅配やECなどに注力していた事業者は、この危機をうまく乗り越えています。
これと同じような形で、ジムという箱の中でのサービス提供ではなく、デジタルを介したサービス提供に移行できれば、営業を継続することができます。

これまで対面で指導を行ってきたトレーナーにとって、この転換をどこまで行うか、行えるかは苦悩が多いでしょう。
ウェイトなど、機器を使うこと前提の指導は、概ね制限されてしまうことも指摘できます。
しかしそれでも、自重運動やストレッチなどの指導はできるので、なんとか経営の柔軟性を高めて、アフターコロナも強く生存できる状況を作った方が良いでしょう。

ただ、過度な期待はできません。

いくつかのサービスを見ていると、1回60分程度で1,000円から2,000円、月4回で月額5,000円前後という価格設定が多いように見受けられます。

この場合、一人のトレーナーがあげられる月売上は、3人程度に同時指導を行ったとして、そしてとんとん拍子に行ったとしても精々が600,000円程です。
(一人が絶え間なく一日8時間指導を実施、これを5日間続けると、5日×8人×5,000円×3組=600,000円、という計算)

実際はここまでの数字を出すのは難しいでしょうから、小規模ジムを構えていた場合、家賃分の補填をなんとかできるレベルの数字しか出せません。
また、大勢のトレーナーがオンライン指導に切り替えたなら競争が激しくなり、単価はもっと下がる可能性も考えられます。

オンライン指導は模索しつつも、なんとか他の所でも売上をあげる方法を模索し、経営の柔軟性を高める努力をしたいものです。
(Youtuberのカネキン氏などは、アパレルでも売上をあげていますね。自社ブランドプロテインは、ほぼ利益がでないので手を出すのはNGですが。)

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