経産省「商業動態統計」にて、2020年4月のホームセンターの販売額統計が更新されました。
DIY用品や園芸用品など、外出自粛の影響を受けたものと思われる伸びが目立つ着地になっています。
一方、カー用品、アウトドア用品、オフィス用品は大きくマイナスしています。
ホームセンターの販売額概観
販売額全体としては、2,985億円と、前年同月比+4%の着地になっています。
![商品販売額 前年同月比
19_04 286,998 ▲ 3.5
19_05 304,015 3.0
19_06 268,387 ▲ 0.1
19_07 272,442 ▲ 7.1
19_08 286,628 4.7
19_09 304,481 17.5
19_10 254,970 ▲ 7.1
19_11 262,925 ▲ 2.1
19_12 320,530 ▲ 4.2
20_01 232,626 ▲ 1.5
20_02 234,723 9.7
20_03 272,317 3.5
20_04 298,540 4.0](https://mirizerocket.com/wp-content/uploads/2020/06/image-23.png)
ドラッグストアなどと同じく、大きく2つのスパイクがあります。
1つが消費税増税前の駆け込み需要で、もう一つがコロナ影響です。
コロナ影響とは、1月に起きた品薄報道に関連した、買占騒動によるものです。
グラフは掲載していませんが、店舗数は約4,360店舗で、ここ数年で若干微増も概ね横ばいとなっています。
前年比割れを起こしている月もあるので(消費税増税前の駆け込み需要反動を除いても)、日本におけるホームセンター需要としては、概ね現在のサイズ感と言えるでしょう。
商品種別の販売状況
商品種別で見てみると、ホームセンターの売上はDIY用具・素材と家庭用品・日用品が、大きく占めていることがわかります。
![DIY用具・素材 電気 インテリア 家庭用品・日用品 園芸・エクステリア ペット・ペット用品 カー用品・アウトドア オフィス・カルチャー その他
19_04 62 14 19 57 57 21 17 14 27
19_05 64 14 19 61 70 22 17 12 25
19_06 59 15 18 61 45 22 13 11 25
19_07 59 18 19 62 39 23 15 12 26
19_08 58 19 20 67 40 23 19 13 27
19_09 65 19 20 74 46 25 15 13 27
19_10 65 20 17 50 34 20 12 12 24
19_11 63 22 19 53 33 21 12 14 27
19_12 64 29 25 73 33 24 13 20 40
20_01 52 18 16 52 19 20 11 14 31
20_02 52 15 14 58 23 20 10 12 30
20_03 60 15 18 62 39 21 14 13 29
20_04 69 15 19 61 60 22 15 10 28](https://mirizerocket.com/wp-content/uploads/2020/06/image-24.png)
2020年4月は園芸・エクステリアも大きく伸びています。
これは、毎年4月5月は園芸・エクステリアの分野が伸びているので、例年のことと言えばそうなのですが、例年以上の伸びを示しており、コロナ影響を受けた、外出自粛による家庭消費の増加が大きく反映されていると考えられます。
(毎年4月5月は、季節的に園芸に向いていること、新年度にあわせて生活も新しくなり自宅を整える需要が伸びることなどが影響し、毎年伸びる。夏は暑く、冬は寒いし園芸に向いていない季節なので消費が落ち込む。)
![DIY用具・素材 電気 インテリア 家庭用品・日用品 園芸・エクステリア ペット・ペット用品 カー用品・アウトドア オフィス・カルチャー その他
19_04 0.1 ▲ 1.5 ▲ 8.0 ▲ 4.6 ▲ 9.4 ▲ 0.2 ▲ 1.8 ▲ 5.4 5.1
19_05 4.4 1.7 0.2 1.0 5.8 0.8 8.8 ▲ 4.9 2.4
19_06 1.8 ▲ 0.4 ▲ 3.7 0.0 ▲ 1.3 3.1 ▲ 1.6 ▲ 3.5 0.3
19_07 ▲ 2.7 ▲ 18.3 ▲ 15.1 ▲ 6.7 ▲ 2.7 0.2 ▲ 18.2 ▲ 5.7 ▲ 7.6
19_08 5.4 20.4 2.9 5.5 2.7 4.8 3.4 ▲ 4.7 1.7
19_09 7.1 6.8 22.8 31.4 24.6 17.9 13.7 7.5 11.7
19_10 ▲ 1.7 2.7 ▲ 12.7 ▲ 10.6 ▲ 11.9 ▲ 8.0 ▲ 5.9 ▲ 8.2 ▲ 8.1
19_11 ▲ 1.1 0.8 ▲ 2.2 ▲ 3.7 ▲ 4.0 0.2 ▲ 0.9 ▲ 2.3 ▲ 3.2
19_12 ▲ 2.7 ▲ 9.8 ▲ 7.2 ▲ 3.3 ▲ 4.2 0.0 ▲ 8.1 ▲ 2.9 ▲ 3.3
20_01 ▲ 0.2 ▲ 10.2 ▲ 5.0 1.6 ▲ 3.5 3.0 ▲ 4.0 ▲ 1.1 ▲ 2.3
20_02 6.2 3.4 1.8 24.4 4.7 12.3 6.2 ▲ 1.2 6.8
20_03 4.2 2.5 ▲ 2.0 11.6 3.3 4.9 ▲ 6.1 ▲ 15.9 4.6
20_04 9.8 6.7 0.3 8.0 6.3 8.1 ▲ 14.2 ▲ 29.2 4.6](https://mirizerocket.com/wp-content/uploads/2020/06/image-25.png)
前年同月比ベースで見てみると、DIY用具・素材、家庭用品・日用品、電気、園芸・エクステリア、ペット用品、その他商品で、+5%~+10%あたりの伸び幅となっています。
WEB会議の浸透でインテリア消費が伸びるかと思ったのですが、+0.3%という結果であり、それほどの伸びがありませんでした。
これは、少し予想外の結果です。
大きく落ち込んでいるのがカー用品・アウトドア用品、オフィス用品類です。
外出自粛、リモートワーク移行の拡大が大きく影響しているのでしょう。
地域別の状況
都道府県別に見ると、マイナスしているのは東京のみで▲24.0%となっています。
![都道府県 前年同月比
滋賀 16.1
佐賀 15.3
山梨 14.0
長崎 13.1
山口 12.2
岐阜 11.3
奈良 11.2
富山 11.0
福島 10.9
茨城 9.7
大分 9.3
宮崎 8.9
三重 8.8
島根 8.8
愛知 8.7
静岡 8.5
高知 8.5
熊本 8.4
福井 8.0
宮城 7.8
徳島 7.8
和歌山 7.5
山形 6.7
長野 6.5
岩手 6.4
香川 6.3
広島 6.0
新潟 5.9
埼玉 5.4
千葉 5.3
群馬 5.2
栃木 4.7
岡山 4.7
兵庫 4.4
石川 4.2
愛媛 3.9
福岡 3.4
神奈川 2.5
京都 1.8
青森 1.6
秋田 1.2
北海道 0.8
鳥取 0.8
大阪 0.0
鹿児島 ▲ 0.1
東京 ▲ 24.0](https://mirizerocket.com/wp-content/uploads/2020/06/image-26.png)
それ以外の地域は軒並みプラスの着地になっています。
大阪もマイナスになっておかしくはない、とは考えていましたが、大阪で働いている方は、居住地も大阪の場合が多いので、リモートワーク移行の影響を受けにくいことは指摘できます。
リモートワーク移行が固定化し、郊外や地方の居住を望む方が増えれば、東京のホームセンター需要は継続して落ち込むことが考えられます。
東京以外のエリアでは、むしろこの機会を活用する形で、DIYや園芸などの実用趣味を啓もう拡大する方向でマーケティングをすると良いかもしれません。
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