ベンチャー企業に転職したい人へ(メリット・デメリット)

人事・総務

近年は投資環境が充実してきており、ベンチャー企業が増加しています。
あわせてベンチャー企業に就職する、したいと希望する方も増えています。
ここでは、ベンチャー企業に転職することのメリット・デメリットを解説していきます。

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ここで言っているベンチャー企業の定義

まず、ここでのベンチャー企業の定義です。

というのも、人によりベンチャー企業の定義が異なるため、明確にしておかないと誤解を招くからです。

ここでは次の4点をベンチャー企業と定義します。

  • 小規模,少人数
  • 自社独自の製品や強みがある
  • 成長意欲が高く拡大を志向している
  • (上場ゴールでない)

小規模、少人数ですが、大企業でも「自社はいつまでもベンチャー精神を有する、ベンチャー企業である!」と語っている光景を見かけます。
このことは決して間違いでは無いのですが、違和感を抱きやすい内容です。

自社独自の製品や強みですが、ベンチャー企業をうたっている企業でも、事実上、他社の下請けや代理店、フランチャイズである場合があります。
これも決して悪いことでは無いのですが、他社の意向の影響を受けやすい点や、どうしても利益構造が良好でなく、成長の難易度が高い場合が多いので、あげています。

成長意欲が高く大企業を目指している、はある意味当然の話です。
上場(IPO)を通過点として置き、さらに成長しミッション・ビジョンを実現して行こう、というマインドを志向していること。
これはベンチャー企業の定義として重要でしょう。
この点は括弧書きした4つ目、(上場ゴールでない)とも通じます。

口では、ミッションやビジョンをうたっていても、実際は上場時の利益、つまりお金持ちになることが一番の目的の創業経営者もいます。
これも、決して悪いことではないのですが、投資家やミッション・ビジョンに共感して入社した社員にはたまったものではありません。
ただ、この点はわかり辛いので、括弧書きにしました。


なお、ベンチャー企業により、忙しいか忙しくないか、給料が高いのか低いのか等々は全く異なります。
全体として、忙しい傾向が強い、給料が低い傾向が強い、という点は指摘できますが、業種やステージなどにより異なるので、一概に言えません。
この点は認識しておいてください。

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(メリット)倒産リスクが高いのでは???→心配不要ですよ

それではメリットです。

倒産リスクが高いのでは??? ⇒ 心配不要ですよ

メリットを考える前に、よくある心配事に触れるのが良いでしょう。
よくある心配事は?と言うと、「倒産リスクが高いのでは?」という点でしょう。
実際、ベンチャー企業の経営は波が大きく、体力も弱いので、倒産リスクは高いです。
ただ、この倒産リスクは事実上デメリットにはならず、むしろ心配する必要が無いと言えます。

それでは、心配する必要が無いのはどんな理由からでしょうか?
それが、メリット部分の話になります。

ベンチャー企業のメリット ⇒ 圧倒的に成長しやすい

ベンチャー企業ですが、小規模・少人数であることから、一人がやらなければいけないことが多数存在します。
予算や権限も、早く、若くして握れるチャンスも多数存在します。
制度や仕組みが整っていないので、自分たちで考えて構築していく必要があります。
つまり、個人の成長がどんどんできるのです。
成長できれば、仮に倒産をしたとしても、容易に転職ができるので、事実上倒産リスクを心配する必要が存在しません。

この「成長」がベンチャー企業の最大のメリットです。

若い内に圧倒的な成長ができれば、その後の人生の難易度が激減するので、これは多大なメリットと言えるでしょう。

注意事項 ⇒ 役職勘違いや器用貧乏に気をつけて

ただし、諸々注意や認識は必要です。

まず、ベンチャー企業は少人数であるが故に、早く、しかも若くして役員(執行役員含む)や重要役職につくことが珍しくありません。
しかし、そのタイトルに見合うだけの能力が簡単に見につくか、というと当然そこまで都合が良いわけがなく、転職した際に、望むポジションにつけない、つけたけれど必要な能力が不足している、ということが発生し得ます。

転職時は、ポジションダウンなどが起き得る、むしろその方が良い場合がある、ということは認識しておく方が良いでしょう。

また、一人がやらなければいけないことが多く存在する分、逆に専門性を磨けず、器用貧乏な人材になってしまう場合もあります。
(もちろん、あくまでも会社次第なので、高い専門性を身につけられる、身につけやすいシチュエーションも当然に存在します。)

そのため、自分の得意分野、専門分野は何なのか?は意識していく必要があるでしょう。

補足2点

大企業では成長できないの?

大企業は、ただのタスクを消化するだけのポジションに配属される場合もありますが、一方でベンチャー企業では到底扱えない規模の金額を動かすポジションにつくこともあるため、成長のベクトルが異なるだけ、という意見は併せて認識しておくと良いかもですね。
更に、大企業では制度や仕組みが整っている場合が多いので、会社のあるべき姿を学ぶことができる、という利点もあります。
その意味で、大企業もベンチャー企業も、別に関係無いよ、という意見も当然正解だと思います。
最終的には本人の意欲次第ですね。

ストックオプションはメリットじゃないの?

ストックオプションによる財産形成の可能性をメリットとしてあげる人もいますが、これはむしろデメリットだと思うので、下記で言及します。

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(デメリット)ベンチャー企業に転職してはダメな人

それでは、デメリットに移ります。

デメリットの話をするのには、よりイメージが掴みやすいと考えます。
そのため、「ベンチャー企業に転職してはダメな人」という観点で語ります。

  • メンタル弱い人
  • 承認欲求が強い人
  • 純粋に能力が低い人
  • 福利厚生を重視する人
  • 大企業に最適化された人
  • フラット組織にこだわる人
  • 社会貢献の意識が強すぎる人
  • ストックオプションが目的の人

メンタル弱い人

ベンチャー企業はアップサイドもダウンサイドも、波が大きいです。
そのため、どうしても外部内部両面で振り回されることが珍しくありません。
雰囲気が良い時もあれば、悪い時もあり、またその差が大きいです。
雰囲気が悪い状況、先行きが読めない状況で心を壊す人が決して珍しくありません。

承認欲求が強い人

上述の通り、ベンチャー企業は早く、若くして重要役職につきやすいです。
一方、企業が成長していくと、後からどんどん優秀な人がジョインしてきます。
そうすると、自分より役職が低い人の方が優秀、という状況が発生しやすく、自尊心が傷つく場面も増えてきます。
承認欲求が強い人にとっては、辛い場面が増えるので、要注意です。

純粋に能力が低い人

ベンチャー企業は制度や仕組みが整っておらず、自分たちで考えながら仕事のやり方を構築していかなければなりません。
さらに、やらないことの範囲が広く、単純に「これだけやっていればOK」ということがありません。
自立的に動けない人、単純に能力が低い人にとっては、辛い状況が多数あります。

福利厚生を重視する人

そもそもとして業績が安定していないのですから、福利厚生で弱い場合が多いです。
また、福利厚生の充実をうたっているベンチャー企業でも、実態は消化率が悪く、機能していない場合が多いです(こういう企業でも、福利厚生の一覧として掲げていることがあるので注意です)。
期待と相違してしまう場面が想像できるので、認識しましょう。

給料があがっていくことを期待するのも同様ですね。

大企業に最適化された人

大企業では、ヒトモノカネが潤沢ですし、知名度も高いから仕事をしていて「看板」効果が機能します。
そのため、高額サービスを利用したり、外注企業を使うことができる場合が多いです。
そして、外注企業が、過去の関係性含めて、大企業の言うことを良く聞いてくれます。
このような状況で長く働き、大企業の働き方に最適化されてしまうと、ベンチャー企業で機能しないパターンが発生します。

なお、この点は逆のことも言えて、ベンチャーで活躍できる人が、大企業で活躍できないパターンも珍しくありません。

フラット組織にこだわる人

ベンチャー企業というと、フラット組織をイメージする方が多いかもしれません。
そのため、フラット組織が良いから、という理由でベンチャー企業を志望する方がいます。
ベンチャー企業は確かにフラット組織の場合が多いのですが、あくまでも「多い」というだけであって、あくまでも会社次第です。
実態はワンマン社長が支配をしていて、フラットはフラットでも期待しているものと違う、という場合や、
小さいのに早くも大企業化(官僚的)してしまう場合も決して珍しくないので、認識を改めた方が良いでしょう。

社会貢献の意識が強すぎる人

ベンチャー企業は、経営の波が大きく、危機に陥る場合もあれば、とんでもないチャンスを目の前にする場合もあります。
そのため、企業がベースにしているミッション・ビジョンよりも、まずは生存、まずは業績拡大、ということを指向した方がよい場合が発生し得ます。
ここで、「口ではこう言っているけれど実態はこんななんだよね」と嫌な思いをしてしまう人はベンチャー企業に向いていません。

「会社が大きくないと、社会貢献も何も無いよね」と割り切れる人は問題ないです。

ストックオプションが目的の人

ベンチャー企業はまだ大きくなっていない企業であるが故に、その会社の価値、株式の価値は低いです。
そのため、ストックオプションをもらえると、会社が将来成長し、上場(IPO)を果たせた場合のリターンが莫大なものになる可能性があります。
これは一つメリットなのですが、現実問題として上場(IPO)を成功させられる企業なんて、ほんの一握りです。
大多数は失敗し、リビングデッドとして冴えない状態に陥ったり、どこかに買収されてしまう会社がほとんどです。

仮に上場(IPO)が見えているステージのベンチャー企業では、株式の価値が高まっているので、ストックオプションの価値は低いです。
上場(IPO)が成功しても、うま味はほとんどありません。

更に、上場(IPO)が成功しても、ロックアップ期間という、ストックオプションを行使できない期間の存在により、一番高く売れる時期を逃してしまうリスクも高いです。
(上場時が一番高い株価、というベンチャー企業も珍しくありません。)

ストックオプションに期待するのは無意味というか実現性が低いということは、絶対に認識しておいた方が良いでしょう。


以上、ベンチャー企業に転職したい人向けに、メリット・デメリットを解説していきました。

これまでいろいろ書いてきたことを全部ひっくり返してしまうのですが、最終的には会社次第です。

実際に合うか合わないか、うまくいくかいかないかは、本人の努力もそうなのですが、会社側の問題も存在します。
もし、ベンチャー企業に何かしらの憧れがあるのであれば、とりあえず転職してみるのが一番かもしれません。

こちらの記事も参考にしてみると良いでしょう。

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