ウィスキーの紙製ボトルは浸透するか?

マーケティング

ジョニー・ウォーカーが紙製ボトルを2021年から導入すると発表しました。
かつて、サントリーがトリスで行い、気が付いたら消えていた紙製ボトル。
現在はニッカが細々と取り組んでいる程度。
果たして、ウィスキーの紙製ボトルは浸透するのでしょうか?

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ジョニー・ウォーカー、紙製ボトルを2021年から導入

元の記事はこちらです。

ジョニー・ウォーカー、紙製ボトルを導入へ 2021年から - BBCニュース
スコッチ・ウイスキーブランド「ジョニー・ウォーカー」を所有している飲料大手ディアジオは、2021年から環境にやさしいパッケージでの試験販売を始める計画だと明かした。

紙製ボトルは、下記の仕様のようです。

  • リサイクル可能なパルプを使用
  • ボトル内側にはコート剤が塗布される
  • プラスチック・コーティングは行わないので、そのままリサイクル可能
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紙製ボトルのイメージの悪さ

紙製ボトルはイメージが悪い

サントリーは2005年、「トリスウイスキー」のブラックとレッドで、紙パックの商品を販売した過去があります。

焼酎や清酒では紙パックが一般的になっているので、家庭用市場で気軽に購入してもらえるように、との意図でした。

一方、酸素透過による劣化や香りの変質などを心配する意見があります。
また、ビンだからこその風流、カッコ良さもあり、雰囲気から感じる味の劣化も懸念されます。

ようはイメージが悪いのです。

結局、トリスの紙パックは今は姿を見ず、ブラック・ニッカで細々と使用されているのを見る程度です。

技術的にはクリアしているので印象の問題

じゃあ、本当に味の劣化や香りの変質がクリティカルな問題になるのか?というとそうではないです。

アルコール飲料の紙パックによる封入は1970年代にはある程度、問題がクリアされており、ポリ-紙-アルミホイルを複合的に使用し、品質を維持したパッケージの開発に成功しています。
ウイスキーに関しても、上記トリスの時代で既に紙パックで十分に保存できるだけの技術が開発されています。

今回はコート剤の付与なので、レガシー技術となっている紙パックとは異なる仕様ですが、マスターブレンダーがGoサインを出すのだから、劣化・変質問題はクリアしていると考えて良いでしょう。

ようは、印象の問題です。
ブラインドテストをしたら、絶対に区別がつかないと思います。)

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紙製ボトルは浸透するか?

では、紙製ボトルは浸透するのでしょうか?

これは難しい話で、やはり上述の「印象の問題」をクリアしなければならないでしょう。
味はどうしても「印象」に引っ張られるので、ここは如何にポジティブ・イメージを広く浸透させられるか。
ブランド所有者の「ディアジオ」のPR手腕にかかっています。

ただ、世の中の圧力としては、既に環境方向に舵が切られています。
加えて、酒卸による空瓶回収システムの崩壊も指摘できます。
更に印象の問題。

今回のボトルデザインは非常に優れています(紙“パック”では無い)。

ベクトルとしてはエコに向かっているわけですので、きっかけ一つで一気に普及する可能性は、十分にあると考えられます。
インフラの問題はあるでしょうし、現実問題として情緒の話もあるので、普及価格帯の紙ボトル、高級価格帯のビンボトル、と棲み分けが行われると良いですね。

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