貸借対照表(BS)、損益計算書(PL)、キャッシュ・フロー計算書(CS/CF)。
これらは関連性があり、数字上のつながりもあります。
今回は、この財務3表のつながりを簡単に解説していきます。
前回はこちらです。
大枠としての数字のつながり
何度か掲載している財務3表の図に、ここでも登場してもらいます。
既に覚えていらっしゃるかと思いますが、財務3表は次を示す機能があります。
貸借対照表(BS):どこからお金を調達し、そのお金を何に使っているか?
損益計算書(PL):お金を活用し事業を行った結果として、どれだけ売上と利益を出したのか?
キャッシュ・フロー計算書(CF):お金の動きを、営業、投資、財務の観点で表現
ようは、大枠として図表のようなつながりがあります。
損益計算書(PL)で表現されている営業の結果として発生するお金の動きは、キャッシュ・フロー計算書(CF)の営業キャッシュ・フローに集計されていき、
貸借対照表(BS)の左側、つまり、調達したお金を何に使ったのか?は、キャッシュ・フロー計算書(CF)の投資キャッシュ・フローに集計、
貸借対照表(BS)の右側、つまり、どこからお金を調達したのか?は、キャッシュ・フロー計算書(CF)の財務キャッシュ・フローに集計されていきます。
正確には違うのですが、ざっくり大枠として、こういうもんだ、という認識を持ってください。
キャッシュ・フロー計算書(CF)は正確には次のように集計される。
営業キャッシュ・フローは、損益計算書(PL)の税引前当期純利益からはじまり、減価償却費をはじめ、特別損失の内、実際のキャッシュの動きが発生しないものを調整し、その上で、貸借対照表(BS)の内、営業に関わる債権債務の増減から集計される。
投資キャッシュ・フローは、主に貸借対照表(BS)の固定資産、そして投資その他の資産の増減から集計される。
財務キャッシュ・フローは、主に貸借対照表(BS)の有利子負債と資本の増減から集計される。
財務3表の4つのつながり
次に、もう1つの観点で、重要な4つのつながりについて示します。
つながりとは「A」から「D」の4つのつながりです。
順番ずつ見ていきます。
「A」で示している通り、損益計算書(PL)の当期純利益は、貸借対照表(BS)の右側「純資産の部」にある、繰越利益剰余金に集計されていきます。
ある期の期首に1億円の繰越利益剰余金があったとして、そのある期に1.5憶円の利益を出したとしたら、期末の繰越利益剰余金は2.5億円となります(配当がある場合は、配当分、繰越利益剰余金が減ります)。
「B」は貸借対照表(BS)の基本的な話で、左側と右側の数字は必ず一致します。
一致させなければいけません。
これを「バランス」と言います(BSの略は、バランス・シート、でしたね)。
「C」は貸借対照表(BS)とキャッシュ・フロー計算書(PL)のつながりで、BSの現預金の金額と、CFの期末残高の数字は必ず一致します。
一致させなければいけません。
「D」は損益計算書(PL)とキャッシュ・フロー計算書(CF)のつながりです。
上述補足の通り、営業キャッシュ・フローは、損益計算書(PL)の税引前当期純利益からはじまり、各種調整項目とBSの増減が集計されていきます。
ようは、PLの税引前当期純利益の金額と、CFの営業キャッシュ・フローの税引前当期純利益の金額は必ず一致します。
一致させなければいけません。
とりあえず、一通り財務3表の基礎を話せました。
結構、重いですね。
これらの話も、最初はややこしく感じられるかもしれません。
しかし、会計を理解していく上では、基本的な内容になりますので、頑張ってください。
次回からは、管理会計本編に入っていきます。
まずはイントロとして、どこかの事業会社決算資料をサンプルに、会社として抑えなければいけない数字があるよね、という所から見ていきたいと思います。
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