GoToイートキャンペーンの報道が頻繁に出てくるようになりました。
新型コロナウイルス影響により、困窮している飲食店、漁業関係者にとっての補助になると期待されています。
果たしてGoToイートキャンペーンは、本当に効果があるのでしょうか?
GoToイートキャンペーン
GoToイートキャンペーンについては、色んなサイトで情報が出ているので詳細は省きます。
内容としては大きく2つで、飲食店で使用できる食事券と、オンライン飲食予約によって付与されるポイントです。
上記資料は農林水産省のGoToイートキャンペーンの解説サイトからです。
なお、下記の通り、特設サイトもオープンしているようで、着々と準備が進められているようです。
このキャンペーンについて、効果があるのかを考えます。
ここでは、物事の進め方プロセス的なものや、感染拡大的な要素は考慮せずに、純粋に経済規模的にうまくいくか否かに絞って考えます。
結論:予算が小さすぎて厳しい
予算が小さすぎる
もう、タイトルに書いてしまっているのですが、結論としては厳しいと考えています。
予算ですが、食事券が767億円、オンライン飲食予約が767億円と、合計1,534億円の金額が積まれています。
一方、外食産業はどれくらいのダメージをうけているのか?という話ですが。
ファストフード系を除き、一時期は前年比50%前後か、事業所によっては0%に近い数字になっている所がありました。
これは現在でも一定継続しており、特に居酒屋系やディナーレストラン系は前年比50%前後の苦境に置かれています。
上記については、下記記事もご参照ください(8月分は別にまとめます)。
上記の通り前年比が厳しいです、という話の中でこれを金額ベースで考えます。
飲食店の市場規模は、約19兆円5千億円です(黄色網掛部分)。
今回、特にダメージが大きいのが「料飲主体部門」で、こちらは約5兆円の市場規模です。
この領域は、コロナ影響を受けている約半年の期間、売上が激減、軽くても半分に落ちている状況です。
ざっくりと電卓をはじくだけで、約1.2兆円のトップライン(売上)の減少影響を受けています。
合計1,534億円では到底足りません。
(今回のキャンペーンは、従来から飲食利用していた人の方が率先して利用するであろう事が想定される。キャンペーンを契機に、飲食店利用を控えていた人が、利用するようにならないといけないが、その効果があるかというと限定的と考えられる。
仮に、1,534億円全部が飲料主体飲食店で使われ、しかも利用者全員がこれまで飲食店利用を控えていた消費者、という仮定に仮定を重ねて、ようやく1兆円の経済規模に到達する。)
飲食業倒産が最多になるかも
東京商工リサーチの調べでは、飲食業の倒産が通年で最多を更新する勢いだ、としています。
GoToイートキャンペーンが恙なく進行し、予算満額で使用されたとしても、冬は感染症拡大の季節でもあります。
単発利用で終わり、また消費が冷え込むのでは無いかと予想します。
消費者心理として応援ムードになり、利用が再開する。
継続した景気振興策が出てくる。
早々にワクチン等の開発と普及が進み、不安心理が払拭される。
こういった事がある程度重なって起きない限り、飲食店には淘汰の時代となるでしょう。
時代の変化に対応しつつ、真に顧客にとって望まれる価値提供を行えない事業者から撤退を余儀なくされていくでしょう。
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