VRという言葉を聞きつつ、実際に体験をした事が無い方、もしくは単発で終わってしまったの方が圧倒的に多いのがVR関連では無いでしょうか?
今回は、VR市場は伸びるのか?について、今後のVRの成長をテーマに考えていきます。
VR市場規模推移
まず国内のVR市場規模推移です。
2019年度は500億円位、2020年度は1,000億円位に成長、というような伸びでしょうか。
2017年の資料なので、実際の所、直近どのように推移しているのは不明です。
矢野経済研究所のXR(VR、AR、XR等を併せた総称)の伸び予測資料を見ても、大きく伸びていく事が予想されているのと、全体感として4,000億円というような数字なので、概ね良い数時感なのでしょう(矢野研のは工業用途も含めている)。
とりあえず、今後、VR市場が伸び続けていくことが予想されています。
今回の疑問・テーマって、ようは、この数字の通りに行くんだろうか?という話です。
話題としては何気にピークを過ぎている
ハイプ・サイクルで「啓蒙活動期」に
実は「VR」というワードは、2016年の10月をピークに、ブームが過ぎてしまっています。
これを持ってVRって萎んでいくんじゃね?的な話を出したいわけではありません。
ガートナーが出しているハイプサイクルの資料によると、2017年8月時点で「啓蒙活動期」に入っています。
啓蒙活動期は、過度な期待やそこからの幻滅を乗り越えて、粛々と市場拡大のためのアクションをとっていきましょー、というフェーズですが、ではこの時期におけるVR普及の状況を振り返ってみて下さい。
ほぼほぼ、現在進行形で使っているよ、という人はいないのでは無いでしょうか?
そして、もう一つ考えてみると当たり前なのですが、VRデバイスは家じゃないと落ち着いて使用できません。
スマホで外出先からでも気軽に各種コンテンツにアクセスできる、仕事が忙しいから家ではゆっくり落ち着いてコンテンツを楽しむ時間がそこまであるわけではない。
このような状況で、確かに一定の市場を形成はしているのでしょうが、どうしても先進的な人向けのデバイスがVR、という状況に落ち着いているように見えていました。
価格の問題も普及の妨げに
価格感も問題です。
これ位の値段なら買うよ、というゾーンが10,000円~30,000円のレンジです。
一方、主要な製品を見てみると、なんとか5万円前後のラインにいるか、というような状況です。
いわゆるアーリー・アダプターは買うでしょうが、どこまでキャズムを超えられるのか?という印象です。
外出自粛・リモートワーク普及が追い風に?
そんな状況に変化の兆しが見えたのが、新型コロナウイルス感染拡大の影響です。
なんでも、外出自粛、そしてリモートワーク普及により、VR関連の消費が激増している、というのです。
まぁ、考えてみれば当然で、外に行けないから家にいるしかない、リモートワークなら移動時間分、家で時間を使える、という状況なら、これまでVRに興味を持っていた方で踏み込んでいなかった方が、「じゃあ、改めてVR」となっても不思議ではありません。
さらに加えて、高性能ハードウェアの登場と価格低下です。
10月に発売されるという、oculus QUEST 2 は、37,100円(税込)から購入されます。
発表前から話題にあがり、発表後には各所で熱く語られている新製品となっています。
当然、コンテンツあってのVRですが、魅力的なハードウェアの登場にあわせてコンテンツの拡充も行われていくでしょう。
スマートフォンの登場時は、ハードウェアの登場が先にあって、次にライフスタイルの変化が起きていました。
VRについては、ライフスタイルの変化が先にあって、ハードウェアとの適合、という状況のように見えますが、なにはともあれ追い風である事には変わりません。
今後のVR市場の発展が期待されます。
(参考)VRだけでなく、XR全体では、ゲームや動画コンテンツ等に限らず、様々な分野で活躍が期待されているのも指摘できます。
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