TOBが成立していた大戸屋VSコロワイド。
11月4日に臨時株主総会があり、現経営陣の解約と新経営陣の選任が決議されました。
株主構成だけでなく経営陣も、これで入れ替わった形になります。
成立時の記事はこちらになります。
報道内容
まあ、既定路線ではありましたが、場がひっくり返る、という奇跡は起きなかったようです。
臨時報告書はまだ開示されないでしょうから、どれだけの比率だったのかは不明ですが、報道からは賛否、意見がわかれている様子ですね。
改革は必要だよね、という一方で、納得がいかない、という形です。
牛角などを運営する外食大手コロワイドによる定食チェーンの大戸屋ホールディングスへのTOB=株式の公開買い付けが成立したことを受けた大戸屋の臨時の株主総会が開かれ、コロワイド側が提案していた経営陣の刷新を求める議案が可決されました。
(中略)
「今の経営陣では結果を出せていないことが明らかで、コロワイドがいいかどうかはまだ分からないが、改革は必要だと思った。守るものは守りつついい方向に変わってほしい」
(中略)
「大戸屋の定食が好きでよく食べていたけれど、今後は行かなくなると思う。お金を積んで株を買い上げたものの、十分な説明もなく納得できない」
NHK「大戸屋 臨時株主総会 経営陣の刷新求める議案が可決」より
経営陣は諦めていた模様
招集通知を見ると、経営陣は既に諦めていた様子が伺えます。
当社取締役会の意見
当社は、2020年6月25日開催の定時株主総会に係る株式会社コロワイド(以下「コロワイド」といいます。)の株主提案及びコロワイドにより2020年7月10日に開始された当社の株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)について、コロワイドによる当社の連結子会社化は当社の企業価値を毀損し、株主共同の利益を害するおそれが高く、当社の現経営陣が中期経営計画を着実に実行することが最良の判断であることを主な理由として、反対の意見表明を行っておりました。もっとも、2020年9月9日付プレスリリース「株式会社コロワイドによる当社株券に対する公開買付けの結果及びその他の関係会社の異動に関するお知らせ」においてお知らせいたしましたとおり、一定数の株主が本公開買付けに応募し、本公開買付けが成立したことを踏まえ、当社取締役会において、本臨時株主総会に係る株主提案(第1号議案及び第2号議案)に賛成するか否かについては当社の株主の皆様のご判断に委ねることを決議いたしました。
株式会社大戸屋ホールディングス 臨時株主総会招集ご通知より
最後の抵抗は行わなかったようです。
おそらく現経営陣は退任と共に、社内役員については同時に会社を去る事にもなるでしょう。
真偽定かではありませんが、「社風の違いは明白で、大戸屋では社員の退職が相次ぎ、社内の空気は思いという。」という話もあります。
名実ともに、大戸屋はコロワイドの傘下となったわけですが、果たしてPMIはどこまで順調に行くでしょうか?
(現経営陣、自分達で”真”大戸屋を作るのとか、良いんじゃないでしょうかね?)
コロワイドの勝因は?
結論から言って、今回のコロワイドの勝因は「勝つまで戦う」というスタンスにあります。
こちらの記事でも触れているのですがコロワイドは期間の延長と共に、下限を引き下げるという徹底ぶりでした。
一方、大戸屋側の経営陣は株主に対する、あまり根拠の無い信頼があったのか、具体的な買収防衛策を終始一貫してとっていませんでした。
やれる事があったはずなのに、事実上、ノーガード戦法です。
(もっと言うと、創業家と揉めた段階で対処が必要だった。)
今回の結果は明白だったと言えるでしょう。
今回の大戸屋VSコロワイドからいくつかの教訓があります。
- 買収防衛策ってやっぱり大事だよね
- 創業家との付き合い方は慎重に(というかコミュニケーションはしっかり)
- 言い方って大事(コロワイドの創業者・経営陣ね)
2.と3.に関しては、こちらの記事も参照ください。
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