先延ばし癖に悩んでいる(もしくは開き直っている)方は多いのではないでしょうか。
実は、筆者もそうです。毎日多くのタスクを先延ばしにし積もりに積もらせています。
どうすれば先延ばし癖を直せるでしょうか?
その鍵は睡眠にある可能性があります。
睡眠の質と仕事の先延ばし傾向について調査した研究
アムステルダム大学の研究チームは、タイトルについての調査を行いました。
研究の概要を次のようなものです。
- 金融・銀行(17%)、政府・教育(13%)、建設(7%)、ヘルスケア(7%)、販売・マーケティング(6%)など、さまざまな業種に勤務する71名の正社員が対象
- 性別は男性51%、平均年齢は約35歳、平均勤続年数は約13年
- 参加者にはアンケートを回答してもらった
- 最初にアンケートを実施した後に、10日間に渡り睡眠の質と先延ばし傾向についてのアンケートを毎日実施(午前・午後の2回)
その結果、睡眠の質と翌日の仕事の先延ばしには負の関係があることが示されました。
その中で、特性として自制心がある人は悪い睡眠の影響を受けづらく、自制心が低い人程、悪い睡眠の影響を受けやすいこともわかりました。
つまり、自制心が低い人ほど、きちんと寝よう、ということです。
(先行研究で、睡眠の質と仕事の先延ばし傾向について負の関係があることはわかっており、この研究ではその知見を深掘りし、どういう特性があるか、という点について解像度をあげたものになります。)
(なお、自制心が高い人でも、睡眠の質が低い場合には先延ばし行動が増加する。あくまでも、個人の自制心の特性により、緩和される、というだけ。)
先延ばし癖は日単位で影響を受ける
大枠の結果は上述の通りなのですが、では、どれ位の時間軸で影響を受けるのか?というと、どうやら日単位のようです。
調査では、ある日の睡眠の質の低さが、翌日の先延ばし行動の増加と関連しており、個人の自制心の問題以上に、睡眠の質が大きく影響していることがわかったのです。
また、睡眠の質を高く保った場合、自制心の高い人と低い人で翌日の先延ばし行動について、その差がかなり埋まったことも示されました。
(これにより併せて睡眠の質が個人の自制心の問題以上に、先延ばし行動に大きく影響している、ということが示された。)
懸念、というか悩み
結論として、きちんと寝よう、という話ではあるのですが、一つ懸念、というか悩みが存在します。
それは、睡眠の質が低下した結果として、「寝る」という行動自体を先延ばしにしてしまう、という点です。
(覚えがあるかと思います。夜中、さっさと寝た方が良いのはわかりきっているのに、ついつい夜更かししてスマホをいじったりしちゃうの。)
研究者たちは、その点についても指摘しており、寝ることを先延ばしにしてしまう理由や原因を解決するための行動をとった方が良いとしています。
例えば、一定の時間を過ぎたら、パソコンやスマートフォンを触れない様に、アクセスをブロックする機能の導入等です。
行動を変えたいならば環境を変えよう、ということですね。
コメント