「自分たちの職場は男女平等で差別などない」という認識は危険かもしれない

マネジメント・リーダーシップ

仕事はあくまでも能力や成果で評価すべきで性別で差別するのは良くない。
この認識は、多くの方が同意することでしょう。
そして、「自分たちの職場は男女平等で差別などない」と思っている方も多いかもしれません。
しかし、その認識は危険かもしれない、という研究があります。

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性差別は、「無い」と思っている人によって引き起こされている可能性

英エクセター大学の研究チームは、性差別(ジェンダー・バイアス)について、その意識との関連を2つの調査を通して調べました。

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対象は、獣医師の専門家です(英国獣医師会での調査となった研究)。
イギリスの獣医学の分野では、論文公表の10年以上前から女性の数が男性を上回っており、女性の能力が不足している、という偏った認識は消えている、と考えられています。

1つ目の調査では、参加者に対して職場での性差別の経験についてヒアリングが行われました。

その結果、女性は男性よりも差別を受けたと答える人が多く、また、同僚から自分の価値を認められた経験が少ないことがわかりました。

2つ目の調査では、管理職を対象に、架空の業績評価を与えた上で、とある獣医師について評価をする実験が行われました。
業績評価は全員に同じものが渡されましたが、獣医の名前はマーク(男性名)とエリザベス(女性名)のどちらかになっています。
管理職の方は、獣医のパフォーマンス/能力を評価し、この従業員が自分の診療所にいた場合に提案する給料を示します。

この結果、性差別(ジェンダー・バイアス)は、「自分たちの職場は男女平等で差別などない」と考えている人たちによって起きている可能性が示唆されたのです。

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その影響は年収相当で8%

まず、自分たちの職場について、性差別があるか否かについて、次のような認識を持っていました。

40.6%の方が「まだ性差別がある」、44.5%の方が「性差別はない」、15.0%の方が「わからない」。

全体の評価としては次のような結果で、マーク(男性)を高く評価する形となりました。

この報酬(給料)への影響額は約8%の差で、時給換算約2ドル、これが2,000時間に渡って影響する形になります。

この結果の恐ろしい点が、上述の通り、「自分たちの職場は男女平等で差別などない」と考えている人たちによって起きている可能性が示唆された点です。

8%のギャップの主な要因は、「自分たちの職場は男女平等で差別などない」と考えている管理職となっており、差別はまだ存在している、と考えている管理職はほぼ同等の報酬(給料)を提示していました。
そして、ギャップの要因となっていた管理職は、女性に管理職としての責任を与えることを奨めず、傷心の機会を与えることもしませんでした。

これらの結果は、管理職自身の性別、管理職としての経験年数、職業経験年数、そして性差別的信念を支持しているか否か、という要因について調整しても同様の結果となりました。


この研究はイギリスの獣医学/獣医師の領域で行われたものですが、他の国、他の多くの職場でも起きている可能性があります。

特に、女性の活躍について推進し、努力している企業ほど、性差別(ジェンダー・バイアス)が解決されているはずだ、と認識されている可能性があり、リスクは高いと認識した方が良いでしょう。

差別というものは、根強く残る可能性がある、ということを認識し続けることが重要と考えられます。

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